ネットの時代 こぼれ話+オータナティブメディア

ネットの時代、と聞いても、もちろん新しくも何でもないのだが、いろいろ知るうちに私も心が明るくなった。
まず、彼自身のブログ体験を聞いてみた。ある程度大きなメディアのオンラインのスペースを使ってブログを持っていると、中傷するコメントなどもどんどん載ることもあるだろうし、どうするのか?と聞いてみたら、「基本的にどんな悪口を書かれても気にならない」「読んだ人が、直ぐに、直接意見を表現できるのが、インタラクティブのメディアの醍醐味」と言われた。ただし、編集部の方で一定のコントロールはかけているようだった。
ガーディアンは紙の読者よりも(約30万―40万)ウエブの読者の方が圧倒的に多く(確か100万単位だったように記憶しているが)、米国から読みに来る人が非常に多い。テレグラフやタイムズ(今月新しくしたばかり)も自社ウエブサイトに力を入れだした。
ガーディアンの場合、過去記事も含め無料で記事が読めるが、読者登録をすることを奨励しているようだ。テレグラフも、「読者のパネル」のメンバーになると、いつ新聞を買うか、どこに旅行に行くか、など時々、読者調査に参加させられる。参加すると、どこかのデパートで安く買えるなどの「売り」がついている。
ウエブサイトの内容を工夫し、読者情報をせっせと集める英国の大手新聞だが、私が会った上記の「筋」の人によると、「新聞社側は、せっかく集めたデータをどうしていいか分からないのが現状」だと言う。「どうやってデータを元にしてお金を稼いだらいいのかが、分からず、どこも暗中模索だ」。
新聞からはちょっと離れるが、アマゾンのサイトではよく「あなたにお勧め」の商品リストが出るが、携帯電話がこれをもっときめ細かにやれば、もうかるのでは、という話をした。例えば、ある人がCDショップの前を通りかかりそうになると、その人の携帯電話にメールが来て、「xxさん、あなたの好きなアーチストのCDが今半額です」などと言う。「広告もここまでやれば、もうかると思うけれど」。
「もう英国の紙の新聞は将来がない」というのがこの人の結論だった。
数日後、既存メディアの枠を飛び越える、ネットを使ったオータナティブメディアのおすすめを聞いてみた。
その1つが18 Doughty Streetというもの。
http://www.18doughtystreet.com/campaigns_hq
行ってみると、ネットテレビ+ニュース+キャンペーンなどがいろいろ混じって、どこまでが本気なのか、ジョークなのか?という部分もあいまって、なかなか楽しい。既存メディアでは「ポリティカル・コレクトネス」(政治的に正しいことを言う)にどうしても縛られる。例えばそれは時には「新聞の中立性」かもしれない。新聞は一定のグループの肩を持ってはいけない、という縛り。
このサイトが自由で楽しい感じがするのは、そういう縛りがないからだろう。まだ詳しく見たわけではないが、この自由さ、楽しさ(軽さ)はネットだけに特有・固有ものでは決してないのだろうが、媒体(ネット)と内容が合っているように見える。
BBC2で毎晩10時半から「ニューズナイト」という番組がある。ニュース解説番組だが、時々ひどくつまらない時がある。今週はあまりおもしろくないと思っていたが、上記のような楽しいネットサイトがあるなら、テレビを見なくなる人もいるに違いない。