小林恭子の英国メディア・ウオッチ ukmedia.exblog.jp

英国や欧州のメディア事情、政治・経済・社会の記事を書いています。新刊「なぜBBCだけが伝えられるのか」(光文社新書)、既刊「英国公文書の世界史 一次資料の宝石箱」(中公新書ラクレ)など。


by polimediauk

長崎市長の殺害 


 長崎市長の殺害のニュースが出た時、頭に浮かんだのは以前にも長崎市長が銃撃されており、昭和天皇の戦争責任に関連する発言が引き金だったのではないか?ということだった。言論の自由がまた封じ込められたのかと思うと、怖かった。

 しかし、今回はまた別の文脈での殺害だったのかもしれない。

 ベリタには無料記事(以下)が出ており、日本のメディア批判となっている。

http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=200704180705133

「長崎市長射殺事件でまた焙り出された日本メディアの体質 昭和天皇の戦争責任発言を黙殺」という見出しで、コラムニストが記事を書いている。「ベリタの見解とは別」とのこと。

 18日付高級紙の取り扱いを見ると、タイムズ、ガーディアンともに、やくざの犯行であること、交通事故がらみのトラブルが犯行の元であったらしいことなどが説明されている。(インディペンデントは何故かウエブでは探せなかった。)BBCウエブニュースでは、最後の段落で前の市長の銃撃のことが入っている。「昭和天皇に戦争責任があったと市長が発言し、極右派に銃撃を受け、重傷をおった」とあった。

 最もく詳しいようだったのがデイリーテレグラフで、「40年後、政治家の暗殺がまた日本に戻った」という見出しで、政治家の暗殺事件の流れを振り返っている。1920年代、1930年代、第2次世界大戦直前には暴力を行使して政治家を黙らせようとする動きが頻発し、「闇の谷」あるいは「暗殺の政府」などと言われていた時期があった、としている。

 いずれも扱いはそれほど大きくないが、何しろ米国の学校の銃殺事件(32人)やイラクで亡くなった人の数(150人)が多すぎる。たった一人でもその意味するところは衝撃的で深いが、ロンドンでニュースを追っていると、本当に殺害事件があまりにも多い昨日、今日だ。

 (追記訂正:元市長が銃撃を受けた、という点を変えました。)
by polimediauk | 2007-04-19 00:03 | 政治とメディア