小林恭子の英国メディア・ウオッチ ukmedia.exblog.jp

英国や欧州のメディア事情、政治・経済・社会の記事を書いています。新刊「英国公文書の世界史 一次資料の宝石箱」(中公新書ラクレ)には面白エピソードが一杯です。本のフェイスブック・ページは:https://www.facebook.com/eikokukobunsho/ 


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BBCのインターネット アイプレイヤー


 BBCのネットに関して、今日29日付「新聞協会報」に書いたものを下に貼り付けたい。この中で、「アイプレイヤー」iPlayerというサービスが出てくる。過去7日以内に放送された番組を再視聴できる仕組み。PCの画面から、BBCのサイトを通じて番組をダウンロードする。同様のサービスが他のテレビ局でも少しずつできるようになっているが、特別な料金を払わなくてもよい、英国全体で視聴率の高い番組をダウンロードできるようになるなど、規模が大きい点とリーチ(視聴者に届く)が広い点で注目だ。

 しかし、数回の試験サービスを開始しながらも、なかなか実用化に踏み切れておらず、2週間ほど前のメディア・ガーディアンのページに、「BBCのニューメディア部門はお金ばかりかかって、生み出すものが少ない」と批判されていた。そして、うろうろする間に、民間のライバル局ITVにも先を越されそうだ。秋の実用化時期までに、他のテレビ局のダウンロードサービスがどれだけの視聴者に利用されているのか?闘い続行中というところだろうか。


BBC、番組ダウンロード開始へ
ニュースも常時ネット配信

 いつでも、どこでも番組の視聴を可能にーー。BBCのオンデマンド・サービスの柱がそろいつつある。過去7日以内に放送された番組をダウンロードできる「アイプレイヤー」の開始が4月末認められ、サイトを通じた過去の番組提供でも、番組アーカイブの公開を近く試験的に始める。今月8日には、デジタル放送のニュース専門テレビ「BBCニュース24」をニュースサイトでも常時視聴可能にした。民放も巻き返しを見せ、2012年のアナログ停波を前に、競争が激化している。

 BBCのサイトは、英国のニュースサイトの中で最も人気が高い。3月には約7億6000万のページビューを記録した。新聞では最も大きいガーディアン紙も1億5000万(同月、英ABC調べ)にとどまる。

 アイ・プレイヤーは4月30日、BBCトラストが許可した。無料でダウンロードした番組を最長で30日間、保存できる。一度視聴すると7日間、いつでも見ることができる。対象になるのはBBCの番組全体の約15%になる見込み。先週から試験サービスが開始となった。11月頃をめどに実用化する。

 アイプレイヤーの導入は、インターネットを好む若者層を取り込み、視聴者の相対的な減少に歯止めをかけるのが狙い。国策のデジタル化に率先して取り組み、受信料を正当化する目的もある。一定の時間に、テレビやラジオの前に座って番組を視聴というこれまでの習慣を変えるサービスとなる。

 過去に放送した番組や映像・音声クリップを無料で視聴者に提供するアーカイブ・プロジェクトの試験サービス「アーカイブ・トライアル」も近く始まる予定だ。1000時間に相当するコンテンツを、英国内の受信料支払い者のうち、2万人に提供する。最終的には100万時間分の提供を目指す。構想から4年たつものの、本格化には著作権の処理が課題となっている。

 海外の視聴者には「BBCワールド」を通じて有料で提供することも想定されている。1月、政府は今後6年間の受信料の値上げ幅をBBCの希望額を下回る額で決定。BBCが予定した受信料収入から約20億ポンド(約4500億円)の減額となり、国内向けにも広告を入れる可能性も検討している。しかし広告を入れた場合、受信料支払い者や民間テレビ局側から批判が出る可能性もある。

 8日からは、BBCニュース24をテレビ放送時と同様にサイトや携帯電話でも視聴できるようになった。全放送を常時、視聴可能とするのは英テレビ界では初の試みとなる。

 これに対しITVは8日、近くサイトを刷新し無料で、アイ・プレイヤーと似たサービスを始めると発表した。過去30日以内に放送された番組を再視聴できる。2万時間分のコンテンツのアーカイブも公開される。市民記者の投稿サイトも設けられる計画となっている。

by polimediauk | 2007-05-29 20:28 | 放送業界