小林恭子の英国メディア・ウオッチ ukmedia.exblog.jp

英国や欧州のメディア事情、政治・経済・社会の記事を書いています。新刊「英国公文書の世界史 一次資料の宝石箱」(中公新書ラクレ)には面白エピソードが一杯です。本のフェイスブック・ページは:https://www.facebook.com/eikokukobunsho/ 


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ガーディアンが今日で5万号目を発行


 ガーディアンに関しては近くまとめて書こうと思うが、11日の発行号が丁度5万号にあたるという。編集長が原稿を書き、創刊号や記念となった時の紙面がウエブ上で見れる。10万号になるまでには、あと14年かかるそうだ。

http://www.guardian.co.uk/commentisfree/story/0,,2100203,00.html

 「マンチェスター・ガーディアン」として、ビジネス団体のトップだったジョン・エドワード・テイラー氏が1821年に創刊。ジャーナリストで政治家でもあったC・P・スコット(テイラー氏の甥)が後に買取り、現在はスコット財団の管理下にある。

 英国での紙媒体の発行部数は一日約35万部ほどだが、ウエブサイトは毎月1600万の読者を持つという。その3分の1は米国の読者だ。

 改めて驚くのが、ウエブの編集長の記事はブログサイトになっていて、読者が書き込みを出来る点だ。先週、外国プレス協会で編集長がスピーチをしたのだが、オープンであることがモットーと言っていた。ここまでオープンになれるケースが日本の新聞(紙)ではあるだろうか?(神奈川新聞は今どうしているだろう?)つまり、大手新聞で、編集局長があるいは社説を書く人が名前を出し、読者からのコメントをネット上で受けるというのは?文化の違いもあるだろうが、もし新聞社のサイトの中で、読者に対しネット上のスペースを開放する方向を選択するとしたら、早いうちにやった方が免疫ができてよいのではないか、と思ったりする。読者もどんなコメントを出したら、まともに受け取ってもらえるのかを学ぶ、という意味で。

 もう一つ、編集長が最近米国のスピーチで言及し、先週も言っていたのが、「新聞だからといって、全て正しいとは限らない」、「正真正銘の真実、絶対の真実」というのはなかなか分からない、それはジャーナリストも同じなのだ・・・ということ。

 つまり、新聞=権威のあるもの=絶対正しい・・・という時代ではないということを、ラスブリジャー編集長は繰り返していた。ガーディアンには「リーダーズ・エディター」という人がいて、読者は新聞を読んで間違いやおかしいと思った点に関し投稿すると、それをこの人が読み、必要とあれば訂正記事を出したり、説明記事をだす。これは、編集長が「新聞にも説明責任がある」と思ったからだそうだ。つまり、「自分は編集長だから、自分の言うことは全て正しい」という姿勢ではなく、自分の新聞の中に編集長の意見に疑問を呈する役割りを持つ人を入れるべきだ、と思ったからだという。

 ・・・とここまで書いて、ラスブリジャー編集長は非常に理想肌の人だな、と思われた方もいるかもしれない。実際、理想肌っぽい感じの人で、感動もするが、また一方では「理想は理想だが、現実はまた違うだろう」という思いがするのも確かだ。特にネットにたくさん投資しているようだが、「一体お金はどう回収するのか?」に関し、疑問は消えなかった・・・。

 (後日詳細したい。)
by polimediauk | 2007-06-12 03:12 | 新聞業界