欧州憲法を巡る戦争発言 ポーランド
今、新しい欧州憲法をどうするかの話し合いがブリュッセルで続いているが、第2次世界大戦に関わるポーランド政府の発言に、ドイツが窮地というか、困惑の波が広がっている。
ポーランドのカチンスキ首相は、新憲法の中の、人口比による多数決制は公正ではない、と反対しているが、1939年9月、ナチ独によるポーランドへの侵攻がなければ、ポーランドの人口ははるかに大きかった、と述べたのである。現在のEUの議長国はドイツ。つらい発言となった。
テレグラフの記事によると、憲法案が提唱する、人口比による多数決制を基にした議決方法は「ポーランドを傷つける。ポーランドは未だ戦時の損失からまだ回復していない。」、「私たちが望んでいるのは、私たちから取り去られた分を要求しているに過ぎない」、もし1939年から1945年の年月がなかったら、「ポーランドは人口6600万の国になっていた」。
デンマークのラスムセン首相は「第2次世界大戦を持ち出して、現在の議決案を論じるのはばかげている」としている。
欧州議会のトップで、ドイツ保守系政党のハンス・ゲルト・ポエッテリング氏は、ポーランドの発言は「非常につらい」。氏は、生まれる前、戦時中に父親を失い、父親の顔を知らずに育った。
ポーランドは第2次世界大戦で500万人を失った。これは当時の人口全体の18・5%にあたるという。
テレグラフは、「EU指導者たちは『戦争についての言及はしない』態度でやってきた」、「特に、ナチ独のために多くの人が殺害され、欧州大陸を破壊したが、現在のドイツをこうした破壊の加害国として特定しない」のがルールだった。「国家間の競争心を過去のもの」とし、成功する「貿易圏を作るために力をあわせる」ことを目的としてやってきた、と書いている。
日本でも従軍慰安婦問題の議論が絶えないが、欧州・EUもそれなりに苦しみがある。




