英政府データ流出、オランダの慰安婦決議
産経によると、欧州議会でも、12月13日に開かれる本会議で慰安婦問題に関する対日非難決議案の採択がある。
オランダは日本のこと、特に戦争中の行為に関しては非常に批判的である。反日と言ってもいいかもしれない。日本軍が占領していたインドネシアで、先にいたオランダ人たちは「ひどい目に」あったことになっている。当時インドネシアにいた親戚や家族の誰かが苦しい思いをした、という経験を持たない人は、オランダ国民には「いない」と聞いたこともある。「いない」と言い切るのはやや誇張しているようには思うけれど、「そんな感じがする」というのだろう。
もちろん、移民も増えているし、全員がそう思っているわけでないないけれど、人権擁護というテーマにはすぐに支持が集まり易いし、元慰安婦を助けたいというのもあるのかもしれない。
それにしても、何故、今なのか?
こういう形で来られると、「じゃあ、何とかしましょう」と日本国内の世論が高まらないのではないだろうか。かえって逆効果にならないのだろうか。
英国に元慰安婦たちが今月来た時〈私は見逃してしまったのだけれど〉、アムネスティーがバックアップしていたようであったので、人権問題の一つとして欧州内で認知されつつあるのかもしれない。
英国でオランダや欧州議会の例にならう・・・ということはないように思う。英国は欧州が嫌いだし、外交を大事にする(「大事」とは良い意味でではないが。)今のところ、何故か関心が非常に低いようだ。
それよりも、今、英国民が大きな衝撃を受けているのは、歳入関税庁が児童福祉手当の受給者2500万人分の個人情報が入ったCDを紛失したと発表した件だ。関税庁のトップは自ら辞任した。
国民のデータを失くしてしまうのは日本だけではない。むしろ、英政府の方が危ない。CCTVの数が世界最大で、DNAデータベースの数も大きいけれど、データの取り扱いに失敗が目出つ。
このところはID詐欺と言って、人のID情報を盗んで、誰かに成りすましてクレジットカードを作ってお金を引き出したりと言うケースがちょくちょく報道される。
今回のCDだが、児童福祉手当てをもらっている人の情報を会計監査院に送ることになり、通常の郵便物のように封筒か何かに入れて、政府間の書類などの配送をする会社のトラックで運ばれた。これが10月上旬。ところが、今日まで届いていないのだ。どこかでまぎれたのか、誰かが盗んだのか分からない。今どこにあるか、全く分からないのだ。手当ての受け取り者の名前、住所、雇用保険ID,銀行口座情報などが入っているものだ。これを財務相が議会で発表すると、思わずため息と言うか、驚きが議会内に広がった。
政府の上層部がこれを知ったのは今月に入ってからで、それから数日後に銀行に通知された。これも驚きである。即、銀行に知らせるべきではないか。
昨晩、「ウオッチドッグ」というテレビを見ていたら、女性二人に全く同じ税金番号が与えられたという話が出ていた。数年経って、女性たちがこれに気づき、担当の関税庁に連絡をとったという。片方の女性は日本円にして約200万円近い税金を余分に払っていた。そこで払い戻しを要求したら、何と、上限があって、例えば150万円分しか返却できないと言う。規則だから、と。彼女のミスではないのに。これが英国である。生活をしてみると、驚くことは多い。
本日夜の「ニュースナイト」で、スーザン・ワッツ記者のレポートが光る。データは特別なロックをかけずに送られたそうである。元ハッカーの人の話では、今頃、これを悪用しようとする人が必死になって探している、あるいは探し出しているだろう、と。とにかく機密書類に簡単なパスワードをかけるだけで送るのが本当にばかげている、と言っていた。
この番組に出ていた教授は、莫大の量のデータを、何十万人もの政府役所に勤める人が使うようになっているため、一人でも間違いをしたら、大量のデータ流出につながるようになっていると言い、これは「たった一人のうっかり」ではなく、中央集権化した巨大なデータベース体制を構築している政府の責任であり、政策上の失態だ、と言っていた。