小林恭子の英国メディア・ウオッチ ukmedia.exblog.jp

英国や欧州のメディア事情、政治・経済・社会の記事を書いています。新刊「英国公文書の世界史 一次資料の宝石箱」(中公新書ラクレ)には面白エピソードが一杯です。本のフェイスブック・ページは:https://www.facebook.com/eikokukobunsho/ 


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オランダ国会議員の反イスラム映画


 オランダの右派議員ヘールト・ウイルダース氏が作った、イスラム批判のテレビ映画が、1月25日、放映されるそうだ。中身はイスラム教徒の怒りを買うような表現が一杯のようで、オランダのバルカネンデ首相は「落ち着いた反応を望む」と呼びかけている。

 3年前、別の国会議員(当時)アヤーン・ヒルシ・アリ氏が脚本を書いた、イスラム教徒の女性が屈辱的状態で生きていることを描いた・批判したテレビ映画「服従」が放映された。その後で、監督がイスラム教狂信者に「イスラム教の名の下で」銃殺されている。ヒルシアリ氏は今米国に住む。

 首相は「オランダには表現の自由、信仰の自由の伝統があるが、尊敬、寛容、責任の伝統もある。不必要に、特定の信仰・団体を攻撃するのはオランダの伝統ではない」と述べている。

 フォルクスクラント紙によると、政府は20ページに渡る書類を作り、放映後の何らかの脅しや治安不穏状態に対処する準備を進めているという。これには、海外のオランダ大使館に向けた、避難手順もあるという。何というか、命がけである。すごいことになってきたな、という感じである。

 現時点では、「ちょっと大げさ?」とも思うが、前回の映画の後で思いもよらぬ反応があったわけで、「まじで怖い」と思っているオランダ国民は結構いるかもしれない。また、「普通の」イスラム教徒の国民で、「悪者扱いされるんじゃないか」、「自分たちを見る目が変わるんじゃないか」と非常に心配している人は多いかも。さらに、過激派は「これを口実にして何かやってしまおう」と思うのか??

 お騒がせな映画だ。表現の自由のためにやっているのではなく、この政治家の売名行為(のみ)なのかどうか?

 まだ放送局は発表されていない。何らかの危害が加えられるのを警戒しているのだろう。

 http://thestar.com.my:80/news/story.asp?file=/2008/1/19/worldupdates/2008-01-19T000419Z_01_NOOTR_RTRMDNC_0_-314789-1&sec=Worldupdates
by polimediauk | 2008-01-19 09:41