元祖「悪漢トレーダー」リーソンの見方
何故こんなことが起きたのか?もちろん、「どのように」という点での解明はたくさんの新聞が書いているとは思うけれども、基本的には強欲さ、成功したい(数字を出したい)というプレッシャーにつきるかもしれない。これはこのトレーダーだけが特別でなく、多くの人がそういう感情を持っている可能性があるし、お金をトレードする仕事をしていれば、誘惑も高いだろう。誰も見ていないと分かれば、誘惑はますます大きくなる。そのために、こうした事態を防ぐために規制・法律があるわけだが、米エンロン崩壊以降の規制強化や英国ベアリング銀行破たん(これも一人のトレーダー、ニック・ローソン氏の不正がきかっけ)の教訓が、フランスではあまり学ばれていなかったのか、それとも他の理由が?
今朝のBBC24ニュースを見ていたら、金融アナリストや心理学者が、「こういう状況(不正)は大なり小なり、いつでも起きている。今回はたまたま表に出たけれども」、「上司から、利益を出すようにという非常に大きなプレッシャーも常にあった」などという指摘があった。
ところで、元祖「悪漢トレーダー」(rogue traderという言葉が良く使われるのだが、日本語で定訳がないのかもしれない)のが英国では先のリーソン氏。その体験を本に書いて、日本語でも訳されている。
リーソン氏が、今回のソシエテジェネラルの件で、結構コメントを出している。
リーソン氏の経歴だが、25日付テレグラフによると、過去13年間、悪漢トレーダーと言えばこの人。ベアリングズ銀行シンガポール支店のトレーダーで、不正取引により約8.6億ポンド(約1,380億円)の損失を出した。当時の銀行の自己資本額を超えていた。これが明るみに出たときが28歳。今は40歳だ。1995年、詐欺罪などで懲役6年半の実刑判決を受けた。銀行勤務時代は有望な人材とされ、巨額利益を出していたが、損失の穴を埋めるための投資が膨らんだ。ベアリングズ銀行のロンドン本店は、なぜか使用目的を聞かずに、リーソン氏にお金を送り続け、氏は何ヶ月も投資を継続できた。
膨れ上がった損失をどうするか、金融関係者が善後策を協議したが、誰もベアリングズズを引き受けようとするものはいなく(何となく、日本の長銀を思い起こさせる)、英中央銀行のイングランド銀行はベアリングズの再建断念を発表した。
損失が明るみに出た後、妻とともにアブダビ経由フランクフルト行きの飛行機で逃亡したリーソン氏は、フランクフルトで逮捕後シンガポールに送還された。
1999年、氏は釈放されたが、既に妻のリサさんとは離婚。大腸がんにも苦しんだ。英国に戻った時には、個人資産が凍結されていた。
それでもリーソン氏は復帰してゆく。2005年、新しい妻のレオナさんとアイルランドに引越し、今は、「ゴールウエー・ユナイテッド」というサッカーチームのマネージャーとなっている。
さて、今回の事件に関し、リーソン氏はどういっているのか?「悪漢トレードは金融市場では、多分毎日起きている。私が今回の事件で驚いたのは、損失の大きさだ。これほど大きな損失が出るようになるとは思わなかった」。
仏ソシエテジェネラルは1864年、創立。77カ国で12万人を雇用する。フランスではBNPパリバに次いで2番目に大きい銀行だ。顧客は世界で2300万人。1945年に国有化されたが、1987年、民営化。




