英国のワーキング・リッチとは
28日付のテレグラフにこの話が載っていた。レストランの食事代にしろ、ものを買うにしろ、何でも英国は馬鹿高いように感じ、「一体なんでこんなに高いのか?こんな値段を普通と思っている人がたくさんいるんだろうか?」と常に疑問に思っていたが、謎が解けたようにも思った。
この記事によると、「ワーキング・リッチ」とも呼べるリッチ層の世帯収入は年間約8万8000ポンド(約1800万円)で、「金持ちだと感じていない」点に特徴がある。アウディに乗り、子供を私立の学校に入れ、高級スーパー(「ウエイトローズ」など)でショッピングする。海外旅行に頻繁にでかけ、たくさんの電子機器を持つ。14%が別荘を持ち、15%がオリジナルの芸術作品を所有する。
過去10年でワーキングリッチは増えており、今や英国の全世帯の一割がこの層になる。不動産市場が高騰し、金融街の給与も上がってきたためだ。
ヒスコックスという保険会社の調査(テレグラフの記事のネタ元)によると、この人たちは周囲の人が同様の収入であるために、自分たちがリッチ層であることを特に意識していないと言う。
医者、弁護士などの給与も急上昇しており、2003年時点でホームドクターの給与は6万5000ポンド(約1300万円)だったが、2007年にはその二倍になっている。
しかし、出費も大きくなったため、私立の学校に子供を送りたいと思っても学費が高すぎて遅れない人もいるそうだ。
テレグラフで具体例として登場したのが、ムーアさん一家。世帯収入は12万ポンド(約2500万円)-英国は物価が高いので、使い勝手は日本円の2500万円とはまた違うことにもなるがー。英国の富裕な5%に入る世帯だ。
アレックスさん(女性)は広報のディレクターで、夫のジェームズさんは特許弁理士。両者ともに39歳。ロンドン郊外のキングストンに5つの寝室つきの家がある。6年前に買った家だが当時は35万ポンド(7300万円)だったが今はその倍の価格になっている。
毎週ウエイトローズでショッピングするが、自分たちがリッチとは思っておらず、それは「近所の人はみんな同じぐらいの収入がある。大学の同級生は金融街シティーで働き、既に退職した人もいるぐらい」だからだ。ただし、「お金で悩むことは少ない」。リッチと感じるには「家のローンを払い終わって、格好いいスポーツカーを持てた時かしら?」
テレグラフのワーキング・リッチのリストによると、その特徴は
―世帯収入が8万8000ポンド以上
―英国南東部に自分の家を所有する。家は39万ポンド以上(約8200万円)
―年に2回海外旅行
―車は2台所有
―オリジナルの芸術作品を所有
―子供を私立に送っている
―個人負担の医療を受けている
―高価なコーヒーを買い、頻繁に外食し、衣料や電子製品に高額をはたく
働けど生活が楽にならないワーキング・プアと贅沢をしながらもそれを感じないワーキング・リッチの生活の特徴の両方がミックスした中間層(私のような)もかなり多いのでは?と思うけれど。いや、収入はプアに近いのに、リッチのようなお金の使い方をしている人、と言ったほうが正確だろうか?(自己反省・・・。)
http://www.telegraph.co.uk/news/main.jhtml;jsessionid=W3RYJCQTQUTHPQFIQMGSFGGAVCBQWIV0?xml=/news/2008/01/28/nmoney128.xml