英ダイジェストのBNP党首インタビュー
「英国ニュースダイジェスト」の最新号で、極右政党、あるいは人種差別の政党とも言える英国国民党BNP党首のインタビュー記事が載っている。ウエブでも下のアドレスから読める。(一定期間を過ぎたら、読めなくなる可能性もあるので、興味のある方は早めに飛んだ方がいいかもー。)
http://www.news-digest.co.uk/news/content/view/3091/120/
驚きは、模範とするのが「排他的な日本の移民政策」とBNP党首が言うところだ。「日本だって、そうしながら今まで経済成長を遂げてきたじゃないですか」。
「日本の厳しい制限政策は、非常にシンプルかつ理にかなったものだと思います。緩やかな少子化問題に悩んでいるかもしれませんが、それでも大量で急激な移民の受け入れに比べたらずっとましでしょう。だからあなたたちは世界経済の中心にいながらにして、独特の国民性を持ったままでいられる」。
多文化主義の弊害について語り続け、「これだけ無責任に移民を受け入れていたら、人種差別感情は絶対に生まれる。そもそも移民を差別する感情は、人間の本性みたいなものです。でも英国民はそういった感情を絶対に表には出さない。人種差別主義者と呼ばれるのを恐れているからです。この国では、多文化主義と言われたら絶対に逆らえないような空気が存在しているからです。皆が一気に凍り付いてしまう。でも、私はその空気を恐れない」。
彼の意見に同意する・同意しないに関わらず、英国民が人種差別感情を「絶対に表には出さない」(ようにしている)というのは、本当である。「多文化主義と言われたら絶対に逆らえないような空気が存在している」のも。
感情を隠す英国人を「許せない、ずるい」と思うか、「紳士的」と思うかどうか。本音と建前。ギャップをどうするのか?「移民」としての私たちは英国人からどう見られているのだろう、本当のところは?記事の最後に、答えになるような文章が載っている。
英国の移民の歴史を振り返ると、まず「移民の歴史」というのをどこから始めるか?なのだが、基本的には「有色人種が移民として住むようになった時」、つまり1947年ごろから、とされる。これ以前の移民、あるいは白人系の移民に関してはあまり話題にされない(近年のポーランド移民は新しい議論になっているが)。第2次世界大戦後の労働力不足を補うための移民だったが、そのころはカリブ海諸国からやってきて、1950年代、60年代とインド亜大陸などからもたくさんやってきた。植民地など、英国籍を持っていた人や居住の権利を与えられた人も。仕事を求めてやってきた人は、後に家族を母国から呼び寄せるようにもなっていった。
英国内を歩くと、本当に様々な人種の人が多いなあと思ってしまう。それぞれの人種が、固まって住む場合が多く、自分たちのコミュニティーを作っていく。他の人種の人からすると、どうも肩身が狭いというか、そんな感じがする場所が、英国内のあちこちにできていて、学校でも有色人種ばかりという場合もたくさんある。
英国は人種差別禁止の法律がすごく厳しく守られていて、どの人も人種差別をしてはいけない、人種差別的発言をしてはいけない、ということをしっかと心に刻んでいる。(私自身、ぼうっとしていて、2度ほど人種差別的発言をして、ヒヤっとした思いがある。まだまだ修行が足りないのである。)