デンマークの風刺画家に殺害計画で逮捕者

デンマーク紙「ユランズ・ポステン」に2005年掲載された、12枚のムハンマドの風刺画の中の1枚を描いた風刺画家を殺害しようとしていた3人が、12日、デンマーク当局に逮捕された。
BBCニュースによると、ポステン編集長は、「爆弾を仕掛けたという脅しが出たことはあったけれど、風刺画家を殺そうとするなんて、驚いた」と報道陣に語っていた。新聞社は3ヶ月前からこの殺害計画のことを警察から聞いていたという。
風刺画家と家族は現在、自宅にはおらず、秘密の場所で生活している。BBCの取材に、「風刺画を描いただけでここまでの犠牲を強いられるとは思わなかった」と語っている。警察の保護は一生涯続くようだ。
逮捕された3人の中で、2人がチュニジア人で、もう一人がモロッコ系デンマーク人。チュニジア人の一人の妻がBBCの記者に語っているところによれば(真っ黒のブルカを着て、目だけが見えていた。普段もこのブルカを着ているのか、撮影のためにそうしたのかは分からない)、「主人は殺害を計画したりするような人物ではない。静かで、対立を好まない」と話していた。単に巻き込まれただけなのか、あるいは誰かの陰謀なのかどうか?
http://news.bbc.co.uk/1/hi/world/europe/7240481.stm
デンマークの情報機関によると(BBC)、長い間この3人を監視した結果の逮捕だったという。
風刺画事件が一段落したと考えたデンマークの多くの人にとって、驚きとして受け止められているという。
私も驚いた。デンマークではこういうことは起きないのではないか?と思っていたからだ。
それにしても、殺害計画があったとすると、ますますムスリムに否定的な論調が広がってしまう。もちろん、殺害計画を立てる人たちはムスリムたちの代表者ではないのだけれども、「やっぱり・・・」と受け止められてしまいがちなのが困るのだ。
ブルームバーグによると、ラスムセン首相は「不幸なことに、デンマーク国内にはデンマーク社会の基本原理を認識しない、あるいはこれに敬意を払わない過激主義者たちがいる」と述べたそうだ。「デンマーク政府は言論の自由への攻撃を非常に真剣に受け止めている。デンマークでは、人は思考や言論の自由だけでなく、何を描くかの自由もある」。
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=20601088&sid=aPQVFq1li4Go&refer=home