小林恭子の英国メディア・ウオッチ ukmedia.exblog.jp

英国や欧州のメディア事情、政治・経済・社会の記事を書いています。新刊「なぜBBCだけが伝えられるのか」(光文社新書)、既刊「英国公文書の世界史 一次資料の宝石箱」(中公新書ラクレ)など。


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サブプライムローン問題はこれからどうなる? FTクリップ

 フィナンシャルタイムズのサイト(トップページ上)から「ビュー・フロム・ザ・マーケッツ」のビデオクリップが見れる。(25日分)

 前に東京支局長で今はFTのグローバルマーケットエディターのジリアン・テット記者がUSBシニア・エコノミック・アドバイザーのジョージ・マグナム氏にサブプライムロンーン問題の大きさ、これからどうなるか、今後このような問題を防ぐにはどうするか?に関して、聞いている。

 テット記者は日本の長銀が新生銀行になる過程を「セービング・ザ・サン」(邦訳)という本にも書いている。

 マグナム氏によると、未だサブプライムローン問題が引き起こす影響がどれぐらいになるのか、分からず、それは状況が悪化しているというよりも、まだ全貌が明らかになっていないから、と見ている。1兆ドルに上る可能性もあるという。

 問題解決には、よくメディアが言うような金融当局の金利調整や資金供給などは十分でなく、金融規制の見直しや、支払能力問題をどう解決するかを考慮することが必要としている。これまでの「金融危機」と比較しても深い、と分析している。米国では10月にも、ローンを払えなくなった住宅所有者への救出策が発表されると予測している。

  英国では国有化されたノーザンロックをめぐり、「誰が悪いのか?」と責任のなすりあいがある。英金融業界内では金融当局を責める声が高いようだ。英野党第2党の自由民主党は国有化を早い段階から提唱しており、保守党は政府の国有化決定を非難しているようだ。国民からすれば、誰が本当のことを言っているのか分からない状況が続く。
by polimediauk | 2008-02-25 23:42 | 英国事情