小林恭子の英国メディア・ウオッチ ukmedia.exblog.jp

英国や欧州のメディア事情、政治・経済・社会の記事を書いています。新刊「英国公文書の世界史 一次資料の宝石箱」(中公新書ラクレ)には面白エピソードが一杯です。本のフェイスブック・ページは:https://www.facebook.com/eikokukobunsho/ 


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ネットワークソリューションのこと サイトが閉鎖される時  


 オランダのイスラム映画の件で、ネットワークソリューションというところがホストになっているウエブサイトで、3月31日、「放映」されることになっていたけれど、プロモ用に使っていたサイトが、ネットワーク側の都合で閉鎖状態、ということを前に書いた。

 この件をしばらく追っていたら、ニューヨークタイムズのブログサイトで、この映画の公開の是非に関する記事があり、読者からのコメントが次々についていた。私も早速書いてみた。メールアドレスと名前を入れると、誰でも投稿できる。すぐには画面表示されず、出るまでに10分ぐらいかかった。誰かがチェックしてから載るようだ。チェックといっても、内容がトピックに関連したものであれば良く、よっぽどでない限り、大丈夫なようだ。(載ってから見たら、スペルの間違いが結構あった。英国に住みだしてから文法やスペルがーーますますーーめちゃくちゃになったが、それもまたいいだろう。コメント番号は61番。ご関心のある方は投稿してみては?)

http://thelede.blogs.nytimes.com/2008/03/24/jockeying-continues-before-dutch-films-release/#comment-360718

 そこで読んでいくうちに気づいたのだが、ネットワークソリューションというのは、イスラム過激派系のサイトのホストでもあるようなのだ。たとえばヒズボラの。アルカイダ系のサイトも。そうすると、「こっちは良くて、あっち(オランダのイスラム映画)はどうしてだめなのか?」という疑問を何人かが指摘していた。

 それと、これが本当かどうかは分からないのだが、動画サイトのユーチューブが、最近、世界的につながりにくかったか止まっていたことがあって、それは、「パキスタン政府から苦情(?)か何かが来て」、一時止めたらしい。一国の政府からの苦情で果たしてユーチューブがコトを起こすのかどうか???だが。

 オランダ・イスラム映画の放映ができないようにサイトを閉鎖したネットワーク・ソリューションを「腰抜け」のような感じで非難したコメントもあったが、「民間の会社なのだから、商業的都合で何を見せるか見せないかを決めるということもあるだろう」、「もっと問題なのは、インターネットで何を見せるかあるいは見せないかを、民間企業が決めている事態だ」と指摘した、頭のいい人もいた。

 「フィトナ」というイスラム教批判の10分の映画を公開しようとした、オランダのヘールト・ウイルダース議員は、「もし他に方法がなくなったら、アムステルダムのダム広場でDVDを配る」と言っているそうである。オーストリアの極右政党が「サイトを貸してもいい」と言ったがこれは断ったようだ。 
 
 ネットができて、情報があっという間に世界中に広がってしまうから、だからこそ外に情報を出せない、なんてことも起きている、ということだろうか。ブツ(=DVD)の手渡しが最後の手段、というのだから。
by polimediauk | 2008-03-26 06:10 | ネット業界