ネット幹部が「カンガルー」のためにBBCから退職
ハイフィールド氏が去ると、BBCのデジタル部門のトップの職があくことになる。約32億ポンドのテレビライセンス料の8分の1の予算を任されている職である。
今、英国で多チャンネル放送を見ようとすると、スカイやバージンメディアの有料ネット専業者と契約を結ぶ方法と、「フリービュー」と呼ばれる受信機を購入する方法がある。フリービューは一度買うと、その後視聴料を払う必要はない。現在、フリービューは1500万戸の家庭にあり、多チャンネル放送の普及に大きな貢献をした。カンガルーはフリービューのオンデマンドサービス版とも言える(と、カンガルー側は言っているようだ)。
ハイフィールド氏はBBCのオンデマンドサービスであるアイプレイヤーの開始から、現在の人気に尽力した人物。昨年のクリスマス時、本格的なサービス提供が始まったが、現在までに約4200万の番組がストリーミングあるいはダウンロードされたという。
カンガルーのサイトを通じて、BBC,ITV,チャンネル4の番組がオンデマンドで見れるようになる。アイプレイヤーは英国のテレビライセンス料支払い者向けで、視聴とダウンロードは無料。しかし、カンガルーはBBCの商業部門BBCワールドワイドが担当し、有料サービスになる可能性もある。早ければ6月、遅くとも年内にサービス開始予定だ。
ハイフィールド氏は元経営コンサルタント。バージンメディアが所有する有料テレビ、フレックステック社からBBCに入った。米NBCの欧州部門でも働いていたことがある。
・・・というのがFTに書いてあったことである。
オンデマンドサービスが人気で、回線が混雑気味になっていると言われ、ネットプロパイダー側は特にBBCに大きな不満を持ち、非難の声をあげてきた。BBCアイプレイヤーは全てが無料になるので、このサービスの中心的存在になっており、プロバイダー側は処理容量が増えたための経費増加を、放送局側に負担して欲しいと言っている。BBCを始めとする放送局側はこれに応じず、対立となっている。