小林恭子の英国メディア・ウオッチ ukmedia.exblog.jp

英国や欧州のメディア事情、政治・経済・社会の記事を書いています。新刊「英国公文書の世界史 一次資料の宝石箱」(中公新書ラクレ)には面白エピソードが一杯です。本のフェイスブック・ページは:https://www.facebook.com/eikokukobunsho/ 


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ベリタ記事 捕鯨の件 「盗み」をどう解釈するか? 

 グリーンピースと捕鯨の件で、日本ではひとしきり議論が終わったかもしれないが、グリーンピース側の話・見解をベリタが無料記事で出している。

http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=200805311648336

 ーー西濃運輸からの鯨肉持ち出しは「窃盗罪を構成しないと考えている」としたうえで、米核実験場では抗議する市民による平和的な「不法侵入」が行われて逮捕者が繰り返し出ている例などをあげ、「暗黙の了解で進められる国策の暴走」を止めるために必要な行動があるとの論旨で一方的な批判に反論、「問題の本質が議論できる市民社会になっていくことに寄与できればよいと思う」と結んでいるーーというもの。

 この件、一体どう考えたらいいものか?この記事からグリーンピースのサイトに飛ぶようにもなっていて、米国の「ペンタゴンズペーパー」の話もあり(詳しくはサイトを読んでいただきたいが)、「え?」と思う。(サイトでの説明は、論旨がどうもすっと頭に入ってこなかった・・・。無念。)

 ・・・しかし、私自身はやっぱりひっかかる・・・持ち出しの件は。多分、議論をすれば論理では負けるとは思うけれど。この一件は「これもアリだった」と、もし納得させられたとしても、「目的のためには手段を選ばない」という雰囲気が伝わってくるようなのが、自分にとってはどうもなあ・・・と。一つの目的を達成するための運動団体の考え方と一市民+ジャーナリストの私の考え方が違って当たり前なのかもしれないが。
by polimediauk | 2008-06-01 06:50 | 日本関連