小林恭子の英国メディア・ウオッチ ukmedia.exblog.jp

英国や欧州のメディア事情、政治・経済・社会の記事を書いています。新刊「英国公文書の世界史 一次資料の宝石箱」(中公新書ラクレ)には面白エピソードが一杯です。本のフェイスブック・ページは:https://www.facebook.com/eikokukobunsho/ 


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社説を2面に置いたタイムズ

社説を2面に置いたタイムズ_c0016826_785223.jpg 今月頭から、全面カラー化、特集冊子(タイムズ2)のデザイン変更(雑誌感を強める)をしたタイムズ。あまり意味がない感じがしていたが、ガーディアンのコラムニスト、ピーター・ウイルビー氏もそう思っていたようだ。

http://www.guardian.co.uk/media/2008/jun/09/thetimes

 氏はもっとはっきり言っていて、「新編集長ジェームズ・ハーディングが、自分の印をつけるためにやったのではないか」と。その意味がなんとなくわかるような気がした。というのも、前に新聞社にいた時、チームのトップが変わると、まず最初にするのがデザインの変更だったからだ。本当は中身(質)を変えるのがいいと(もし変えるなら)思うけれど、何故みんなデザインに手を付けたがるのか?それは、私が言われたのは、「見て、すぐ分かる」からだった・・・。

 このタイムズの新デザインで私が言い忘れたが、ウイルビー氏が指摘していた重要なことがあった。それは、社説を中面から2面に持ってきたことだ。他の英新聞もそうだが社説は、中面の論説頁の1つだった。これを何と、最も読まれていないかもしれない面の2面に持ってきたのだ。他の新聞は、1面の続きや、天気、あるいは後面で何があるかを紹介している。

 ウイルビー氏によると、2面に社説を持ってくることで、論説面の他の記事(コラムニストなどによる、オピニオン記事)と社説が切り離されてしまった。その結果、オピニオン記事が重要ではないように見える、と氏は指摘する。「元の面に戻すべき」と氏は主張するが、どうなるか。(「タイムズの社説が割りとよく書けている」という評価もあったが、私も結構同感である。良いライターがいる感じがする。)

 技術の発展で、全面を使った社説の移動や全面カラーなど、いとも簡単にできるようになった。(本当に昔、紙面で間違いを直すのに、紙を切ったり貼ったりという作業をやっていたが。何だか笑い話のようなことだけれど。)
by polimediauk | 2008-06-13 07:12 | 新聞業界