小林恭子の英国メディア・ウオッチ ukmedia.exblog.jp

英国や欧州のメディア事情、政治・経済・社会の記事を書いています。新刊「英国公文書の世界史 一次資料の宝石箱」(中公新書ラクレ)には面白エピソードが一杯です。本のフェイスブック・ページは:https://www.facebook.com/eikokukobunsho/ 


by polimediauk
プロフィールを見る
画像一覧
通知を受け取る

雑感 BBCの成り立ち+毎日英文事件+報道の偏り

 マッドマンさんから、BBCに関する良い資料のことを聞かれましたが、成り立ちの経緯に関しては、前に、「XREFER」(今は別名http://corp.credoreference.com/index.php) という検索資料サービスの会社があって、調べものをしていた時、無料サービスで利用したことがあります。その時の説明が頭に残っているのですが、プロパガンダみたいな部分はずっとある感じがする、というと言い過ぎでしょうか。つまり、どこからどこまでをプロパガンダと考えるのか?パブリック・ディプロマシーという考え方がありますよね。ブリティッシュカウンシルも、決してプロパガンダではないけれど、広い意味でパブリックディプロマシーの一環と聞いたことがあります(取材にて)。BBCのとプロパガンダの関係、政府の関係はまた後日、書かせてください。

 調べ物をした時のBBCに関する資料を全部持っていなかったので、トライアルで申し込んで見ましたが、これがOKになれば、また見てみようと思っています。衝撃だったのは、放送の歴史そのものです。結局、米英が主導を取ったので、これが英語を世界中に広める役目を果たしたという表記がどっかにありました(記憶がたよりですが)。この箇所を読んだとき、驚愕したのを覚えています。

 BBCの発音ユニットに関して調べた時に、ずい分資料を集めたのですが、本が書棚の後ろにあって取り出せないので(!!)、また後で時期を見て書きます。BBCの資料はBBC Written Archives Centreというところが、ロンドンからは遠いですが、ありますね。なかなか使いにくい場所ですが、特定の調べ物がある場合は、申し込むと数週間先に資料を見せてくれます。

 BBCの成り立ちに関わる本で有名なのはAsa Briggsという人が書いたものがありますね。私は大英博物館でページをめくって、あまり参考にならない感じがしたのですが(政府との対立を調べていた)、それでも、The History of Broadcasting in the United Kingdom, 1996 OUP, A Social History of British Broadcasting Volume One 1922-1939 P.Scannell & D. Cardiff, Blackwell 1991, History of the BBC Engineering 1922-1972 Edward Pawlyer, BBC 1972, The BBC: The First Fifty Years, Asa Briggs, OUP 1995, The BBC: 70 Years of Broadcasting John Cain, BBC 1992 。これはアーカイブセンターの推薦です。私が読んだわけではありません。あと、スティーブ・バーネットという人が(ウェストミンスター大学教授)がいろいろBBCに関して本を書いていますね。

 BBCのウェブサイトでAbout the BBCというところなどからも、オフィシャルなものにはなりますが、歴史に関する情報が結構盛りだくさんです。

 ジョージオーウェルが書いたBBCに関する本というのは初耳でした!探してみようと思っています。

 9・11テロとBBCの関係はどうか?私は陰謀説よりも、BBCがへまをしただけ、間違えただけでは?と見ています。証拠はないんですが、英国でBBCにしろ、他の会社にしろ、政府にしろ、結構へまが目に付く感じなので。

 90年代とアングロサクソンの件ですが、資本主義の崩壊を書いた本がこっちでベストセラーになっていますよね。(確か米国人が書いたもの。)資本主義の考えだけではやっていけない、ということでしょうか。

マイマイさま

―毎日新聞の英文記事の件、すごいですね。こんなことになっているとは全く知りませんでした。バベルという映画も初めて聞きました。ここに再度貼り付けておきましょう。

http://www8.atwiki.jp/mainichi-matome/pages/1.html

 直感で???と思ったのは、「毎日新聞は一体どうなっているのだろう?」ということでした。なぜ新聞が?そして何故わざわざ英語で?私は週刊誌に載ったさまざまな情報が英語で発信されること自体に反対はしませんが、「何故毎日新聞なのか?」「なぜ苦情が来るまで何年も続いたのか?」「編集部内で、声を上げる人がいなかったのか?」が気になります。毎日新聞が日本語で載せられないものは英語でも載せるべきではないはずなのです。2重基準が気になります。一体どんな目的で載せていたのか?読者を増やしたかったのか?それほど困っているのかどうか?担当者は外国特派員クラブで、ぬいぐるみを着て会見をしたこともあったようですね。とすると、「欧米人の天国」という日本の側面を利用した動きだったのか?日本は悪用されてしまったのかどうか。

 英語での発信だったことで、海外での日本人に関する評判が悪くなる、悪くなったのではないかと心配する人もたくさんいるでしょう。残念ですが、ここまでどぎつくはないにしても、英国の新聞を読むと、奇妙な話、日本を矮小化する話は時々載っています。これは日本だけに限らないのですが、「外国の壁」かかも分かりません。知らないものに関しては、偏見が出ますからね。関心が低い国に関する報道を、多くの人に読んでもらうには奇妙でどぎつい記事を書かざるを得ない特派員もいるでしょうし。といってもこれは外国の新聞の話であって、毎日新聞の体制には大いなる疑問です。

庶民様

 英メディアの日本に対する扱いは厳しいのではないか?これを本当に証明しようとするとたくさんワード数が必要になるのかもしれませんが、私の見たところでは、そしておそらく多くの在英日本人が感じるように、一言で言えば厳しい、ということになるかもしれませんね。しかし、アイルランド、フランス、ドイツ、他の外国、およびEUに関しても厳しいというか、ステレオタイプ的記事が多いですよね。英メディアが好意的に報道する、英国にとっての「外国」はないかもしれません。また、少数民族に本当にフェアな報道もないかもしれません。書く側が知らない・情報が足りない場合や、デスクが「こういうアングルにして欲しい」と記者に要求することもあるでしょう。そのアングルは実際とはかい離している場合も。複雑な要素がからみあうようです。クールに対応したいものです。

 追加:それと、(1)外国メディアの報道だから日本に厳しいとは限らないのです。頭からそう決めてかかると、物事の本質が見えにくくなります。下のpfaelzerwein さんのコメントをご覧ください。私自身、「視点の相違」の件、失念しておりました。非常に重要な点です。(2)英メディアに関して言うと、一般的に、「ジャパン・パッシング」〔通り過ぎる)の現象もあるでしょう。でも、逆に言うと、何故ひんぱんに話題になる必要があるのか?経済大国でno2だから??地理的にも遠いわけだし、知的に遠くても仕方ないのかな、と思ったりします。べた記事をあわせると、結構話題にはなっているかもしれませんが、寂しいなと思うのは、知的な選択肢の1つになっていないというか、「じゃあ、日本のXXさんに、この件についてどう思うか聞いて見ましょう」というのがないのがほんとどないのが残念です。〔日本に関わる事柄を除いて、です。)

by polimediauk | 2008-06-30 07:32 | 放送業界