小林恭子の英国メディア・ウオッチ ukmedia.exblog.jp

英国や欧州のメディア事情、政治・経済・社会の記事を書いています。新刊「英国公文書の世界史 一次資料の宝石箱」(中公新書ラクレ)には面白エピソードが一杯です。本のフェイスブック・ページは:https://www.facebook.com/eikokukobunsho/ 


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グローバル市場でお金儲けを狙う英新聞サイト

 6月27日付の「プレス・ガゼット」誌に、5月の英新聞サイトのトラフィック数が報道されている。元資料は発行部数の記録をとるABCの「ABCe」という情報である。

 この記事の見出しが「グローバルなオーディエンスのブームから利益を生み出す競争が起きている」。今、ウェブサイトに来る人は、動画もあるために、ユーザーでも読者でもなく、「オーディエンス」(視聴者?)になってしまったのか(そういえば先日のイベントでもそういう言葉が出ていたが)。

http://www.pressgazette.co.uk/story.asp?sectioncode=7&storycode=41519

 5月のトラフィック数で結構衝撃として受け止められたのが、大衆紙メール(デーリーメールとメールオンサンデー)のウェブサイトのトラフィック(1870万、月間固定ユーザー数)が、トップになったこと。ガーディアン(1864万)もテレグラフ(1832万)も抜いた。有名人に関するゴシップ記事などが多いことも幸いしたようだ。このユーザーを在英国の人だけに限ると、ガーディアンがトップ(766万)だ。ちなみにテレグラフが700万、メールが500万。

 メールはアソシエーテッドニューズペーパー社が発行するが、この会社の人によると、海外に住む読者のアクセスを貨幣化する、つまりお金をもうけたいと考えているようだ。「直接、お茶の間に運べる」グローバルな製品=新聞と考えている。英語だからこそ、であろう。ガーディアンのデジタル部門担当者も、広告の観点から英国内に住み、サイトに来る読者は重要だが、もともとグローバルな視点でやっていこうと思っており、ニューヨークタイムズを一つのライバルと見ている。ウェブトラフィックでは過去8年間、ガーディアンがトップだったそうだが、「他のサイトも工夫をしてくるので、いつまでもトップに入られないだろうと思っていた」と言う。テレグラフも、「ここ何年かでトップの座は何度か入れ替わるだろう」と予測。「どれ位長く読者がサイトにいてくれるのか、どうやったら貨幣化できるのか」に知恵をしぼっている、と述べている。

ころころトップが変わる英国では、競争が厳しいなとますます思った。
by polimediauk | 2008-07-01 06:02 | 新聞業界