小林恭子の英国メディア・ウオッチ ukmedia.exblog.jp

英国や欧州のメディア事情、政治・経済・社会の記事を書いています。新刊「なぜBBCだけが伝えられるのか」(光文社新書)、既刊「英国公文書の世界史 一次資料の宝石箱」(中公新書ラクレ)など。


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変わる英新聞業界①海外からのアクセス

 例の毎日新聞の英語サイトに関わる謝罪文を読んでいたら、海外からのアクセスが60-70%と聞いて、驚いた。英語だから、という面があるのかどうか。それとも、一般的にどの新聞社のサイトもこんな感じなのだろうか。

 英国の新聞サイトも、半分から70%ぐらいが海外からのアクセスによる。一部を除き無料でアクセスできるので、新聞購入とは無縁の海外在住者からのアクセスをいかに貨幣化するかが、1つの課題になっているようだ。

 これは英新聞業界にとって新しい分野となろう。ノウハウを収集中ということだろうか、今月、テレグラフが海外からのアクセスの貨幣化に力を貸してくれそうな広告会社「アドジェント0007」との提携を発表し、ガーディアン・メディア社が、米ニュースブログ「ペイド・コンテント・オルグ」を買収した。ガーディアンは固定ユーザーの半分以上が米国在住者だ。

http://blogs.guardian.co.uk/greenslade/2008/07/telegraph_takes_global_ad_path.html

http://www.guardian.co.uk/pressoffice/pressrelease/story/0,,2290875,00.html

 日本の場合も何か学べることはないのだろうか?

 追加: 最新の数字(6月)によると、ガーディアンサイトへの固定ユーザー数が200万人を超えた。http://www.guardian.co.uk/media/2008/jul/24/abcs.digitalmedia

 この一月前の数字になるが、国内・国外のアクセスの内訳を入れておきたい。

 国内ユーザーの比率がガーディアンが41.8%、テレグラフが32.8%、タイムズが35.7%、サンオンラインが34.3%、ミラーが53.8%、メールオンラインが27・2%。海外からのアクセスが非常に多いことが分かる。やっぱりネットは国境を超えるのだろう。

 http://www.guardian.co.uk/media/2008/jun/19/abcs.digitalmedia

by polimediauk | 2008-07-23 06:40 | 新聞業界