小林恭子の英国メディア・ウオッチ ukmedia.exblog.jp

英国や欧州のメディア事情、政治・経済・社会の記事を書いています。新刊「英国公文書の世界史 一次資料の宝石箱」(中公新書ラクレ)には面白エピソードが一杯です。本のフェイスブック・ページは:https://www.facebook.com/eikokukobunsho/ 


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グーグルクローム エコノミストの見方+ロシアと地政学

 グーグルクロームで、米テクノロジー関係の雑誌の翻訳が複数出ているが、エコノミストをのぞいて見た。以下の記事によれば、グーグルが恐れている(かもしれない)のは、マイクロソフトがPCの動作環境(デフォルト設定)を変えてしまい、グーグルの検索機能が十分に動かないようにしまうのでは?という点だそうだ。1990年代、マイクロソフトが、ネットスケープに対してそうしたように、と。

http://www.economist.com/opinion/displayStory.cfm?story_id=12039759&source=features_box1

 こうした懸念もあって、グーグルは、インターネットエキスプローラー(IE)のライバルとなるFirefox(現在市場の20%)に投資してきた。

 しかし、狙いはIEを市場からなくするというよりも、マイクロソフト自体が今後クロームを取りれたIE,クロームを下敷きにしたIEを作ることをむしろ望んでいる、という創業者の一人の言葉が最後に出ている。「どこの社のどの製品を使っている」という意識をソフト開発者もネット利用者も意識せずにウェブを使う世界を描いているようだ。

 上記記事にはかなりのコメントもつく。(エコノミスト・コムの購読者でなくても、名前を登録するだけで、コメントが書ける。最大5000字!)最初の方のコメントで、「やはり、ハードと抱き合わせでないと、クロームはなかなかIEをしのげないのではないか」という意見があった。

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 ロシア、グルジア、EU関係で、地政学・奥山さんのブログは本当におもしろく、深いですね。紹介されていたエコノミスト記事もEUがまとまっているようでまとまっていない点を指摘していました。(elmoiyさんはベリタも見てくださり、ありがとうございます。)私も早速ブックマークに入れました。

http://geopoli.exblog.jp/9402264/

 私がこの件で気になっているのは*あまりにも一面的に英国の政治家の一部がロシアを批判しすぎているような面と*グルジア大統領の采配ぶりです。「ロシアはけしからん!軍事力を使うなんて」という部分が大きく報道されていますが、一部では「挑発に乗ってしまったグルジア大統領、「考えが浅かったのではないか」とする見出しの記事も当初はありました。ウクライナの動向もやや加味に入れるとすると、果たして、NATO加盟への動きを急ぎすぎたのではないか、英国を含むEU諸国がグルジア大統領に100%肩入れをして、ロシア側を斬ってすてる態度で接すれば(もしそうなら、という意味ですが)、かえって地元の緊張度を高めるのではないか。「時期尚早」ということはないのかどうかー?そういう意味で、今回の衝突には、EUがけしかけた面もあるのではないか、責任があるのではないか?そんなことが気になっています。もちろん、あくまでアームチェアに座りながら、机上の論理を言っている・・・という程度に過ぎないのでしょうけれども。
by polimediauk | 2008-09-04 15:22 | ネット業界