小林恭子の英国メディア・ウオッチ ukmedia.exblog.jp

英国や欧州のメディア事情、政治・経済・社会の記事を書いています。新刊「英国公文書の世界史 一次資料の宝石箱」(中公新書ラクレ)には面白エピソードが一杯です。本のフェイスブック・ページは:https://www.facebook.com/eikokukobunsho/ 


by polimediauk

ニュース・サイトはお金がない人でも作れるか?

(追記)を後ろに入れました。
 (影の財務大臣オズボーン氏が窮地に陥っている。誰のリークだったんだろう?ブラウン首相か?保守党と労働党の支持率の差は思うように狭まっておらず、このままだと労働党が総選挙で負ける確立が高い。ここで一度保守党側、特に目立つオズボーンを叩いておこう、という目論見か?キャメロン保守党党首を叩くのは大事過ぎるから、と。総選挙への戦いが(時期は未定だが)本格化している証拠なのだろうか?)

 近頃、「ニュースサイトを作りたい」という思いが日を追うごとに強くなっている。

 誰でもが簡単にブログを使えるようになって、もう数年が経つ。ブログ・ジャーナリズムといえば米国の例が著名だけれども、それに比べて遅咲きだった英メディア界でも、政治ブログでは、個人が書く「ガイ・フォークス」が既存メディアのネタ元になっており、昨今の金融危機のスクープを出し続けているのも、BBCのビジネス記者ロバート・ペストンのブログだ。BBCは記者がブログを書くことを奨励しているようだが、記者個人がBBCのサーバーを使って書くブログは必ずデスクの目を通っている(はず)。飯の種である放送時間内にではなく、ブログでスクープ記事を出す、という現状がすさまじい感じがする。弱肉強食。形が何であれ、「BBCが出した」ことが大事なのだろう。

・・・話がでかくなったが、個人の話に戻ると、一人のブロガーが書いたブログにはその人の知恵やセンスが出てたくさんの面白みがある(あり得る)と思うけれど、複数のニュース、トピック、書き手たちが参加して作り上げてゆくサイトの面白みは、複層構造になって、もっともっと面白いのではないか?さまざまな興味深い複数のブログに飛んでゆく、あるいはRSSで自動的に情報をもらうのもいいけれども、一つの場に集まる・集めることで、面白いパワーが出てくるのではないか?つまりその「場」で、書き手同士、あるいは読み手同士がつぶやきや意見を発してみれば、もっと面白いのではないか?

 人が集まった時のパワー(電力のような)に関しては、その昔、「ほぼ日」のイトイ氏に聞いたのだけれども、久しぶりに彼のサイトを見てみると、その日のエッセーの下にさまざまな人のコラムが並んでいた。これをクリックするとそのコラムに行ける。非常に明るい感じで、面白い。ブログやコラムを一堂に集めたサイトは他にもあるが、ここまでうまく作られているのは珍しい感じがした。(「言いまつがい」、「書きまつがい」には大笑いである。)

http://www.1101.com/home.html

 こんなサイトを作りたいが、サイト制作費や管理費でこちらが払えるのはせいぜい数万円程度。

 「お金がなくても出来るソフトはないものか?」と物色しているうちに、(グーグルの)「ブロガー」(英語ほか)のソフトが結構面白くなっていることに気づいた。

http://katnsatoshiinjapan.blogspot.com/
http://www.vividotonline.com/blog
http://readingadventures.blogspot.com/

 「複数の書き手が1つのブログを作る」(例えば日替わりに書く)ことができる。毎日、一本だけニュース記事を出すサイト、ということであれば、続きそうだ。「ニュース記事」といっても、トピックは広くして、「ニュース心のある人が思ったことを書く」でいいと思っている。

 基本は、とにかく作ることではないかと思っている。巨額の資金を先に貯めたり、誰かエライ人(既存の大手メディア関係者)に編集長やデスクになってもらったり、誰かに「やっていいかどうか」とお伺いを立てたりせずに。「市民記者」になるために、お金を払って講習を受けたり、試験に合格する必要もなしに。

 果たして読みに来る人がいるのかどうか?「誰か」は読みに来るだろう。知的に興味深いことを書けば、きっと読みに来てくれるはずだ、存在が知られてさえいれば。取り上げるトピックを吟味すれば。読ませるコンテンツを出せば。

・・・というようなことを最近、考えている。書き手やそのほかの形で参加したい方はぜひお声をかけてください。Mikさんから、「もう既にに他の方が同様のことをやっています。これから始めるには遅いです」、と指摘されそうだが・・・。

 手始めに、このブログを使って、時折「ゲスト・コラム」のような形で何か書いてくださる方を探しています。良かったら、何を書きたいかをメールしてください。1回が1500字ぐらいをめどに考えています。

 (追記:皆様、いろいろコメント、ありがとうございました!大変心強く思いました。フラット+簡単+楽しい+知的に読み応えあるものができないかなーと思い、日々準備中です!)
by polimediauk | 2008-10-23 07:02 | ネット業界