小林恭子の英国メディア・ウオッチ ukmedia.exblog.jp

英国や欧州のメディア事情、政治・経済・社会の記事を書いています。新刊「英国公文書の世界史 一次資料の宝石箱」(中公新書ラクレ)には面白エピソードが一杯です。本のフェイスブック・ページは:https://www.facebook.com/eikokukobunsho/ 


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カテゴリ:日本関連( 101 )

 日本は国外でどう見られているか?

 これは本来はあまり気にするべきことではないだろう。新聞は、何か事件があったとき、国外の見方を紹介する記事を良く作るけれど、これはあくまで「参考」であって、その見方は当たっているかも知れなし、当たっていないかもしれない。ステレオタイプかもしれない。

 それでも、もし英国での今回の日本の地震と津波発生の報道を紹介するとすれば、大体共通しているのが:

*非常に報道が詳しいー地理的な説明、何故地震や津波が起きたのか、何故原発が日本にとって大事なのかを、ありとあらゆるコメンテーターや情報を使って英国民に説明している。テレビのニュースは時間を目一杯とり、新聞もたくさん紙面を使っている
*主眼になっているのは、これほど大きな自然災害であったことへの驚き、犠牲者への大きな同情、原発の事故の可能性でどれだけ被害が出るかへの高い関心など。サン紙は、1面に、大きな写真に、一言、「黙示録」とつけた。
*報道のトーンとしては、日本に対する敬意がいろいろな箇所ににじみ出ている。「地震がたくさん発生する国日本で、今回これほどの地震と津波が起きた」「地震に対しては準備万端だったろうけど、津波は防げなかったーでも仕方ないだろう」「地震対策はすごいはずだが」「私たち英国人のアドバイスなどは、あまり参考にならないだろうが(日本には相当な知識と技術があるのだから)」-という表現をよく聞いた。「敬意」というのは、もしかしたら、やや「劣等感」あるいは「気後れ感」もあるかもしれない。何せ、ちょっとしたことで電車が止まり、交通状態が麻痺してしまったり、郵便が届かなくなるのが英国だから。2012年のロンドンオリンピックも、まともに交通機関が動くと信じている人は少ない。必ず何か失策が起きそうである。

 地震発生二日目に犠牲者が数百人規模で出ていることが分かったので、明日以降の新聞はまた別のトーンになると思うが、とりあえず、発生の夜に作った、本日付の各紙は6ページほどの特集がザラだった。

 フィナンシャル・タイムズは、希望的観測の論考が多い。神戸の地震(1995年)と比較して、当局が着々と救済策に力を入れていることを誉め、「日本はこれをきっと乗り越える」という結末など。例えば社説の見出しは「日本は自然災害を吸収する」である。

 論説面の記事の一つが、日本在住のピーター・タスカ氏の論考、「日本は回復力が豊かな国」(Japan is rich in resilience)。自分の体験を書き、後半が日本を励ますような記事。

 やや拾ってみると
http://www.ft.com/cms/s/0/c8576f88-4c19-11e0-82df-00144feab49a.html#axzz1GQWq4amq

 「表面的には、日本はひどい状況だ。管首相は低下する世論調査の数字や金融スキャンダルの餌食になる、幾人もの首相の一人だ」「経済はG7の中でももっとも大きく打撃を受けている」「東証トピックスは1985年レベルで止まっている」

 「日本の隠された資産は、国民からだけでなく、十分に高く評価されていない」、例えば「2007年夏から円は対ユーロ、ポンド、ドルなどで急激に上昇している。それでも、上場企業は来年には利益のピークに至るだろう。これは現状では、本当にすごい業績だし、1990年代以降、日本の経営がいかに大きく変わったかの証拠でもある」

 「日本では急速に高齢化が進んでいるが、これが良いか悪いかは別として、大量の移民労働者に対し、門戸を開いていない」「その代わり、日本の勤労者は長い年月を働きつづける。労働市場の20%以上が65歳以上なのだ。欧州では5%以下だ」

 「80代の人でも警備員やレストランで働いている。しかも意気揚々としている。年金だけにたよるのは昔から軽蔑されている」「日本は電化製品ではトップの座にはないかもしれないが、リアリズムでは世界の先駆者だ」

 「若者たちは、無関心や政治への関与をしないことを高齢者たちから批判されているが、神戸大地震の副産物の1つはボランティアが広まったことだ」「100万人がボランティアに従事している」「(当時は)日本のやくざでさえも、生存者たちに無料で食べ物を配った」「互いに助け合うネットワークが自然にできた」

 「危機や自然災害は前向きの変化を引き起こすかもしれない」「ニーチェがいったように、あなたを殺さないものは、あなたを強くするのだ」「この災害は日本を殺さない。日本は心理的により強くなるかもしれないー地震の処理がうまくいけば」

 「なまずに石を戻してくれる神がいるとは誰も思っていない(注:前の文章に、なまずと地震の話がある)」「自分たちでやらないとだめなのだ」

 「日本に対して楽観的になる最大の理由は、厳しい20年間をかいくぐった、社会資産(=ソーシャル・キャピタル)があるからだ」。

 *最後のソーシャル・キャピタルは、人的資源、助け合うネットワーク、80代になっても嬉々として働く人々のことを指していると思われる。

***

 日を追うごとに暗いニュースになるだろうし、海外のニュースを読んでいる気持ちの余裕はなくなるだろうけれど、とりあえず、紹介してみた。
by polimediauk | 2011-03-13 07:37 | 日本関連
 前回、BBCのQI問題について書いたが、「私なら笑って、無視する」という表題や内容に、疑問や怒り(場合によっては)を感じた方が結構、いらっしゃるかもしれない。

 ある意味ではシンプルなことを、いかにそれがシンプルで、他愛ないことであったかを説明するために、汗をかいてしまうーそんな状況に私たちはいると思う。

 どれほど、「このクリップに関しては、大きく抗議するほどのことではないよ」「私はそう思うよ」と言っても、「被爆・原爆をコメディー番組のトピックにしたこと自体がいやだ」という感情は消えないだろうし、「第一、君(=小林)の判断力はちょっとおかしいんじゃないか」と、思う人も結構いらっしゃると思う。

 そこで英語ブログ「アワ・マン・イン・アビコ」の話になる。日本に住む英国人男性が書いたものであるようだ〔最後にアドレスをつけている〕。

 このブログの優れたところは、これが「英国人が」書いた部分(英国人――英国国籍保持者――のみが、今回のクリップの意味が分かる、と自動的に考えるのは、これはこれで必ずしも正しくはないが、まあそれは脇において)というよりも、もちろん、「英国人=英国のユーモアやもろもろが分かる」という部分は重要なのだが、それ以上におもしろいのが、この書き手が、自分の妻(=日本人)の母親、つまり義理の親に,事態を説明する、という部分である。

 その母親は読売新聞やテレビを見てニュース情報を得ている。

 そんな彼女に、いかに分かりやすく、的をついた返事をするか、そして、ここが肝心だが、「家族の一員として正直に、誠実に答える」必要に迫られる。

 ・・・まあ、やや深読みかもしれないが、非常におもしろい状況ができたわけである。

 こうして、この男性はーーすこしフィクションが入っているのかもしれないけれどもーー義母に、説明しだすー。

 私も、もし自分の日本の家族に聞かれたら、どうするかなと考える。うそはつけない。正直にかつ、わかりやすくなければならない。私の答えは「アワ・マン・イン・アビコ」のようなことになるだろうーー家族は「ふーん・・・」(でもなんだかよく分からないなあという反応)になるかもしれないが。

 メモ魔さんが読みやすく翻訳してくれている。良かったら、ご参照願いたい。
【ブログ翻訳】「私は如何にして心配するのを止めてQIを愛するようになったか」(Our Man in Abiko)
http://nofrills.seesaa.net/article/182228183.html

***補足〔長い!)

 他の方のブログやツイッターでもうご存知かもしれないが、英国でQIは人気番組の1つだけれど、あえて見ない人もたくさんいる。見るに値しない(十分なギャグがない、司会者が嫌い、下品など)と思ってチャンネルを合わせない人がたくさんいると思う。なので、「誰もがこの番組を愛し、ジョークに笑っている」わけではない。〔また、今、問題にしていることとは直接関係ないかもしれないが、私個人が見ることはほとんどない。理由は、著名人・知識人の司会者と彼にお世辞を言わざるを得ない周りのコメディアン・出演者たちとのくっつき具合が見苦しいから。家人はよく見ているようなので、男性には受けるのかなと思う。あくまで個人的嗜好の問題かもしれないが。)

 それと、被爆・原爆をジョークのトピックとして使うこと自体に、不快感を感じる、悪趣味と感じる人も、過半数ではないかもしれないが、結構いると思う。調査したわけではないので数字は分からないけど。家人ーー戦後生まれ、初老、日本居住経験10年以上ーの例を出せば、「QIの原爆を扱ったクリップ」と聞いただけで、「見たくない」と言ったーーただ、後で、日本軍による戦中の捕虜の「残酷な記事」を新聞で見つけ、私に持ってきた。また、知人の英国人たちと話していて、原爆の話になると、「本当にひどいことでしたね」とよく分かっている人が結構いる。英国人全体の話ではもちろんないが、「少人数でも、分かっている人は分かっている」し、日本に対する敬意は漠然とだがあるように思うー国の話をするとすれば、だが。(きりがないので、とりあえず、終。)
 


 
by polimediauk | 2011-01-24 19:39 | 日本関連
 少し前に、ツイッターで、「QI」という番組の英国での評判を聞かれ、「?」と思っていたら、翌日、その意味がわかった。日本の新聞が一斉にこの番組について、書いていたのだ。

 ブログサイトBLOGOSでも、盛り上がっていた。皆さんも、もうすでにご覧になったことと思う。

BBCの二重被爆者嘲笑問題に対する反響について
http://news.livedoor.com/article/detail/5289579/
質の悪いエゲレスジョークとか笑い飛ばしてれば良いんだよ
http://news.livedoor.com/article/detail/5289342/
英BBCお笑い番組に激怒する日経社説
http://news.livedoor.com/article/detail/5288149/

 私はこの間、主にツイッターでいろいろ書いたり、考えたりしていたのだが、あっという間にこの番組の「問題」クリップの和訳が行われ、驚いてしまう。

BBC「QI」の出演者たちは実際に何を言っているのか? これが「被爆を嘲笑」?http://blog.goo.ne.jp/mithrandir9/e/5d8249376ac2592288a873dcbf11e412

 また、詳しい解説は、これまでに何度かご紹介させていただいている、メモ魔さんの

ポターズ・バー鉄道事故、the wrong kind of snow, そして「二重被爆者」――バラエティ・クイズ番組QIで何が語られ何が笑われていたか

http://nofrills.seesaa.net/article/182037095.html

 さらに、BBCとガーディアン記事もある
BBC apologises for Japanese atomic bomb jokes on QI quiz show
http://www.guardian.co.uk/media/2011/jan/23/bbc-apology-atomic-bomb-jokes

BBC apologises for Japanese atomic bomb jokes on QI
http://www.bbc.co.uk/news/entertainment-arts-12260577

 ・・・と、ここまで多くの方があらゆることを議論して下ったので、私としては特に付け加えることはないのだけれどもーーもし良かったら、@ginkokobayashiで過去ツイートをご覧くださいーー、せっかく、通常英国のメディアを常に見ていること、在英の日本人であること、また、小林恭子という一人の人間として、どう見るか?ということを書いておいてもいいかも、と思った〔書いてみたら、長くなったことをお許しください)。
 
 QIはコメディークイズ番組で、問題のクリップはほんの3分ほど。そこで私が思ったのは


①自分は、笑ってしまった。
②被爆者や原爆を「嘲笑」しているどころか(一部の日本のメディアではそういわれていた)、「日本ってすごいね(鉄道がきちんと動く)」「被爆者の山口さん、命は助かって、良かったね」というメッセージが伝わってくる、むしろ日本に関してポジティブなクリップだと思った
③ある番組に関して、不満・苦情がある時、大使館(政府、国家権力)を通じてやるのはどうかな、と。もちろん、個人として何をしようと自由だけど、今回の場合、そんなハナシじゃないでしょ、と。
④日本の評判とか、名誉とか、いろんなものが侮辱されたとか、傷ついたとかと、日本人(のある人)が思って、集団として、大使館とか政府を通じて相手国に抗議するとき、気をつけたいのは、全く逆効果になる可能性があることを留意すべきではないか、と思った。
⑤BBC=英国、怒っている私たち=日本国、だから「日本の大使館へ」というのは、やや短絡過ぎないか、とも。BBC=英国じゃない。
〔以下は、すごく重要だと思うので、色を変えます。)

⑥上の話とはまったくの無関係な問題として、「もし」、被爆・原爆問題を外国のコメディー番組で、「どんな形にせよ」(つまり誉める以外は、ということだけど)取り上げること、これ自体が「けしからん」と思っているとしたら、これは1つの考え方だけど、これを相手(=自分ではない人物、自分とは違う価値観を持つ人物)に認めてもらうには、相当の覚悟が要るよ、と。
⑦現実的には、⑥は不可能だと思う。世界中の「懸念」を考慮に入れて、全部カバーして番組が作れるわけがない。
⑧もし被爆・原爆問題に関してのみ、ここで語るとすれば、被爆・原爆に関して、「特にひどい行為であった」と考える国は、世界中全部ではない、ということーこれが現実。
⑨⑧の一つの理由は、相手側の「知識が少ない」「無知」だから、では必ずしもなく、相手側が、つまりここでは例えば英国側が、「原爆投下の犠牲者」としてこちらが発言をしたり、相手に譲歩を求めたりすれば、「じゃあ、戦時中の日本軍による捕虜の取り扱いはどうなのか」と考える人も結構いるから。つまり、歴史や戦争の解釈はその国によってずいぶん違うのであるー当たり前のことを言って、すみませんがー。自分の痛み(=原爆のひどさ)が、他者にストレートに「分かってもらえない」(いくら知識を得てもらっても、感情的に認めないことも含め)場合も、世界ではある、ことを知ったほうがいいような気がしたーもう知っている人はたくさんいると思うが、あえてー。
 

 ・・・で、結局、どうしたらいいのか、今回の件は?

 先のガーディアンの記事でも紹介されていた、「アワ・マン・イン・アビコ」ブログが言うことと、私の結論は似てくる。(以下のブログは英語だが、そのうち誰かが訳してくれると思う。)
http://ourmaninabiko.blogspot.com/

 そして、上のコラムと「質の悪いエゲレスジョークとか笑い飛ばしてれば良いんだよ」と同じ考え。

 つまり、「ガハハ」と笑って(笑いたければー)、あるいは「フン、バーカ!」と思って、さっさと前に進むことである。

 このジョークで気をもんで、抗議していたら、体がいくつあっても、たまらないーそれが英国である。(といって、「英国ジョークを分かりなさい」とあなたに強要しているのではありません。)

 まじで、英国のもろもろのことを自分の目と頭を使って判断して、今回は「気にしなくてもいいレベル」と私が判断している、ということなのです。(あくまでも私の見方です。)

 最後に:このジョークの意味合いは、文章だけ読んでもぴんと来ないかもしれない。また、意味が細かく分かっても、それでもぴんと来なかったり、不愉快に思う人もいるかもしれない。でも、もしあなたが「被爆・原爆をコメディー番組のトピックに選んだこと」自体を問題視ししているのでなければ、ほんとーに、ほんとーに、このクリップはたいしたことではないのことなので、意味がぴんと来なくても、無視して、次に進むことが幸せへの近道だと思う。
by polimediauk | 2011-01-24 09:06 | 日本関連

 みなさん、「ブクログのパブー」:みんなで本を作ろうというサービスをご存知だろうか?


http://p.booklog.jp/


 会員になると(登録無料)、コンテンツさえ作れば、これを無料で電子書籍化してくれて、販売の道も作ってくれるサービスである。

 日本はなんと話が早いのだろう!驚いてしまう。つまり、米国ではアマゾンがやっているという話は聞いていたが、日本でもアイパッドの話あたりから、一斉に動き出した感じがする。どこもかしこも、電子書籍の話で持ちきりである。

 いとも簡単に本(電子書籍)ができてしまう。これはブームになるだろうか?例えばブログとかツイッターみたいに?今のところ、このサービスでできた本の値段は結構安いが、こんな価格でいいのかしら?という感じ。

 無料で出している人も結構いる。例えば(例の)佐々木さんは原稿(ただし文書としては初出)を無料で出している。こういう形で①知的情報が集まってくる効果と、②誰でも本にできてしまうと、その中でもランキングがついてゆくのでしょうね。ブログやツイッターでも人気者がいるように。読者が少なくても、例え仲間内だけで売れてゆくとしても、買った人が勝ちある情報だと思えばいいのだろう。なんだか面白そうである。

                  ****

c0016826_3293255.jpg お知らせです。月曜発売の週刊「東洋経済」で、メディア特集をやっているそうです。中に、私も英国の様子(タイムズ対ガーディアン、及びエコノミスト)を書いています。もしよかったら、どこかでご覧ください。書ききれなかった部分を後日、ご報告させてください。
by polimediauk | 2010-06-25 03:19 | 日本関連
 ツイッターで元気の出るつぶやきを発信しているジャーナリストの神田敏晶さん @knnkanda (著書「Twitter革命」など)が、ある番組への出演をスポンサー(東京電力)からの依頼でキャンセルされていたことが分かった。そして、なんとその理由は、神田さんが6年前に書いたブログ(らしい)のである。

 この経緯を神田さん自身がブログで書いている。

 6年も前のブログでニッポン放送?東京電力?からドタキャンをくらう話。
http://knn.typepad.com/knn/

 ブログによると、年末に番組出演依頼を受け、これを承諾。今月11日、出演のために出かける直前、放送局から電話をもらい、キャンセルの件を聞いて驚愕する。放送局担当者は、キャンセルの件を留守電に残していたと説明する。その断り方自体がすでに悪い感じだが、後にメールを受けたところ、「スポンサーの東京電力さんから、過去の発言のチェックが入りまして今回のゲストは見合わせてほしいという要望がありました」といわれる。

 過去の発言とは6年前の自分のブログの中での、劣化ウラン弾に関する部分だったらしい。

 神田さんのブログで、次の箇所にほろっと来た。

―こんなブログのエントリを書くことによって、従来のマスメディアからはクライアント保護の立場から、ボクを使ってもらえなくなることも覚悟しなければならない。(中略)幸い、ボクには失うものなど何もない。そして、ジャーナリストである。常に、自分の信じる真実を公表していきたい。―

 それにしても・・・こんなことが起きるなんて、まったく驚きである。日本はなんとすごいのだろう。英国でもこういうことは起きているのだろうか?もし英国でこういう類の話が表ざたになったら、新聞の1面で大きく批判されるだろう。報道・表現の自由を侵すことになる。第一、「6年前の」「個人のブログ」での、しかもブログ内の記事を読めば分かるが、東京電力を名指しで批判しているわけでもないのに、こんなことになったのである。スポンサーの力が、なんと強いのだろう。(なんだか、報道の自由がないと悪名高き別の国の話のようだ・・・どの国かはご想像にお任せします。)

 これは東電だけの話ではないだろう。「東電なるもの」の尻の穴の小ささ(失礼!)+官僚主義的発想+スポンサーとしての振る舞い(何をしてもよい)というのは、一種のパターンではないのだろうか?

 というのは、日本で会社に勤めていたころ、多かれ少なかれ、こういう体験をした。つまり、「東電なるもの」的振る舞いは常に蔓延していた。

日本の新聞やテレビが、この一件を大きく扱って(批判して)ほしいものだ。

 追加:以下の記事の担当者が東電に取材したところ、一切キャンセルしてほしいというリクエストを出していないことがわかりました(のようです)。するといったい誰が嘘をついたのか?ニッポン放送担当者?何だか錯綜してきたようです。(付け加えると、こういうことはよくありそうですーつらいですね。)

http://getnews.jp/archives/44291
by polimediauk | 2010-01-11 22:50 | 日本関連

 ネットを見ていたら、月刊誌「フォーサイト」が4月号(3月20日発売)で休刊(廃刊)となることを知った。

 ウェブサイトによると、理由は*出版状況の厳しさ、*収支改善の見通しがない、*ネットの普及で国際政治経済情報を扱う月刊誌の役割が大きく変化したこと、を挙げている。

 私は一時定期購読をしており(途中からやめてはいたものの)、数少ないハイ・クオリティーの国際ニュースを扱う雑誌として、注目していた。執筆陣も(何故か読売関係者が多いようだが?)充実しており、残念である。

 これから、一体、じっくりとした国際ニュースを今度はどこがやっていくのだろうと思った。今でも月刊誌ベースで国際ニュース(解説、論評)を載せている雑誌は他にもいくつかある。しかし、英国に住んでいるせいだろうか、外国(あるいは国際)ニュースといえば、圧倒的に米国、これに続くのが中国、韓国・北朝鮮のアジア系などで、欧州やアフリカ、中東、中南米がどうも薄いように思え、物足りなく思っている。国際情勢のエッセンスを読める手ごろな雑誌として「選択」をよく読む。イエメン発のテロの話は、この雑誌を通して知った(それが今回のナイジェリア人によるテロ未遂と関連につながる)。つまるところ、英週刊誌エコノミストに相当する日本語媒体がもっと読みたいように思う。

 国際情勢の解説記事への需要は、「フォーサイト」が続かなくなったということは、ビジネスが成り立たないほど少ない・小さいということだろうか?(おそらく、そうだろう。)私自身が何年か書いている、オンラインサイトの日刊ベリタ(国際ニュースに力を入れる媒体)、自分でやっているニュースサイト「ニューズマグ」の経験から言っても、そうなのだろうな、と。

 今年は一体どんな本が出てくるだろう?ここ数年続いた、「メディアの危機」ものは、一旦終わったような気がするが、どうだろう。つまり、危機状態にあるのはメディア企業であって、メディア自体や利用者が危機となっているわけではない、ということを、段々みんな分ってきたように思う。

 勝間さんの勉強本シリーズが大人気なのだから、もっと国際情勢に関する関心(勉強の一環として)も深まってもいいはずだがー?

 今年もよろしくお願いいたします。
by polimediauk | 2010-01-01 05:16 | 日本関連

日本の性暴力ビデオ?

 今、日本に一時帰国している。「コンカツ」なる言葉の不可解さに驚く。随分と息苦しいことになっている。「『婚活』時代」(ディスカバー携書)は(読むと結構深い)、前提が「女性は男性の収入に頼って生きるもの」という考えだ。子供を産み育てるには結婚しかなく、よってどうやって結婚するかを分析し考えることで、少子化問題も解消される・・・とする。データがたくさん入っており、トレンドを掴んで書いているわけだが、こういう考え方は非常に息苦しい感じがする。

 どうにかして、結婚をあせらなくてもよい、子供があるかないかで人間としての価値を判断されず、過剰な催促もされない社会にできないものだろうか。

 結婚をしている人の多くが気づいているように、夫婦は持ちつ持たれつで、最初から相手に頼ることを念頭に置いて、「条件」を求めてしまうと・・・ずいぶんさみしいことである。

 ・・・なんてことを書いても、少数意見であることは認識している。未婚女性がメディア報道などに変にあおられていないことを、強く願う。

 ニューヨークに本拠地を持つ、「イクオリティーナウ」という国際人権団体が、日本のあるビデオゲームの日本国内での発売を求める抗議活動を始めたそうである。昨日のテレビのニュースで知り、今日の新聞で読んだ。

 読売によると、英国の国会で2月、問題になり、アマゾンが扱いを中止したそうだ。本日付の英国の新聞サイトを若干見てみたが、キーワード検索ではうまく探せなかった。グーグルニュースで探すと米国発が多いので、英国では現在の時点では大きく騒がれてはいないようだ。

http://news.yahoo.com/s/oneworld/20090507/wl_oneworld/world3625201241726596

 問題となっている日本のゲーム「RapeLay」(イルージョン・ソフトウェア社制作とある)のキーワードをBBCサイトに入れてみたら、特に見当たるものがなかった。「国会で問題になった」というのは、どういう流れだったのか、すぐにはわからないが、かねてより、日本を含め暴力的なビデオゲームに対する規制、警戒感が英国を含む欧州では強い。何年も前に、私自身、知人に「日本のビデオゲームでどうしてあんなに残酷なの」と聞かれ、答えに窮した。
 
 なんだか?と思ったのは読売記事ではゲーム会社の名前などが出ていなかった。ヤフー英語に出ていた記事では、「レープレイ」、「イルージョン・ソフトウェア」とあるのだが。「横浜市のゲームソフトメーカーが2006年に売り出した」とは書かれているけれど。

 私はゲームソフトに非常に疎いので、このレープレイが(多くの日本のゲーマーにとって)どれぐらいのレベルのもの(許容範囲かどうかなど)か、判断しがたい。読売記事によれば、内容は「未成年と見られる女子2人とその母親を電車内で痴漢した後にレイプし妊娠や中絶をさせるまでを、コンピューターグラフィックスを使った画像で疑似体験するという内容」だそうだ。

 一種のファンタジーとして「これはこれ」と考えるべきかどうなのか?

 普通に考えれば、「どうしてこういう題材を選んだのだろう」、「一体だれがこのようなトピックを遊びとして扱えるんだろう」?と思うけれど、自分の頭が保守的すぎるのだろうか?英国は未成年を対象とした性行為や暴力に関する規制が厳しい。許容範囲が狭い。児童ポルノの単純所持でもダメだ。(ビデオを見ていないので、これが児童ポルノかどうかはわからないが。)

 今はいろいろなものが世界中で販売されてしまうので、ある国ではOKでも他国では受けいれられなくなる。

 時々、英国で日本のビデオゲームの話が問題になることがあり、ひやっとする思いをすることがある。(記憶が定かではないが、1年ぐらい前に、どこかの教会の内部を、殺りく場面に使ったビデオゲームがあって、教会が抗議をしたという事件があったと思う。)

 日本では4月末、すでに報道済みだが

http://www.asahi.com/digital/pc/TKY200904260151.html

 コナミがイラクのファルージャの戦いをメインにしたビデオゲームの制作を中止させた、ということを書いたブログもあった(5日付)。

http://www.escapistmagazine.com/articles/view/columns/the-needles/6038-The-Six-Day-Surprise

 ゲームはアトミックゲームズというところが制作予定で、コナミが出版社(配給者ということだろうか、パブリシャーとなっていた)だったが、現在までに計画から引きあげることにした、という。コナミの引き上げの理由は、米国から制作に対する懸念が表明されたからのようだ。
 
 「イラク・ファルージャの戦い」とは、ウイキペディア日本語によれば、以下である。

イラク戦争以降の混乱

 ファルージャは、イラク戦争によりアメリカ軍の占領を受け、同盟軍による占領統治ではアメリカ海兵隊が治安維持を担当していた。

 2003年4月28日から、学校に米軍が駐留していることへの抗議デモが起こったが、これに対し米軍が発砲。多数の死傷者が出た。これを米軍側は武装したイラク人からの自衛だとしているが、市民側は投石をしていただけだと主張。

 2004年3月31日、ファルージャで活動中の民間警備会社の社員であるアメリカ合衆国の民間人4人が現地武装勢力に殺害され、遺体が市民によって損傷される事件が起こると、その残虐な映像が世界中に配信された(殺された彼等は、実際は民間人とはいえ、民間軍事会社:ブラックウォーター社の社員(傭兵)であり、彼らのような人間は皆イラク市民の視点からはアメリカ兵と同一視されている)。犠牲者の家族達は、危険な地域に行かせるのに装備が不十分だったと、ブラックウォーター社を告訴している。

 4月、アメリカ軍はその報復としてファルージャの包囲掃討作戦を実行し、武装勢力が潜んでいたとしてモスクを空爆するなどの大規模な攻撃と、都市の封鎖により多くのファルージャ市民が巻き添えになったとみられる。市内の惨状がマスメディアによって報じられると、世界で反米の機運が高まり、三日で作戦中止に追い込まれた。11日から13日の一時停戦までに住民・武装勢力の死者は600人を超え、アメリカ軍にも大きな被害が出た。


 この2004年の戦いを再現するはずのものだったようだ。これをトピックにしてゲームを作ろうとしていた・・・ひやりの瞬間である。
by polimediauk | 2009-05-08 21:52 | 日本関連
 (さなえさんに押されるようにして・・・すみません、使い立てして・・。)

 20代で村上氏を読み出して、彼がいなかったら、多分今こうやって文章を書いていない位、影響を受けては来たのだけれど、ここ数年、もしかしたら、村上春樹はどこかがずれているのではなかろうか?と思ってきた。

 私は文学に関してうとく、映画を観ても、人とは全く違う視点で見てしまうこともあるので、「私のほうがおかしいのだろうな」と思って過ごしてきた。

 あれ?と思ったことの最初は「ノルウェーの森」だった。「ハードボイルドワンダーランド」がとても好きだったのだけれど、どこか「違う」感じがした。「ノルウェー」は大ベストセラーになった。

 地下鉄サリン事件のことを書いた「アンダーグラウンド」を買おうと思って立ち読みしていたら、本当にほんの小さなことなのだけど、ある欧米系の人が中に出てきて、その人が「ジョン(ジョナサンかもしれないが、とにかく英語系の名前)さん」として表記されていた。ずい分前のことなので、記憶に間違いもあるかもしれないが、この時私は、「違う」と、また思った。この時の思いを上手に説明できないが、ジョンは「ジョン」であって、「ジョンさん」(ファーストネーム+さん)としてしまうと、日本語体系の中にこの人を引きずりこんでしまうというか、「日本人が想像するところのジョン」になってしまう感じがした(本は買わなかった)。

 それ以降、氏の非常にこなれた日本語の翻訳本が出る度に、これはいわゆる「村上化したフィッツジェラルド」、「村上化したトルーマン・カポーティー」なのではないか?と思い、違和感を感じるようになった。

 その後もいくつかあったが、最近のケースでは、英国でも彼の文学が人気になり、昨年ぐらいに、BBCが特集を組んだ。プロデューサーが村上氏にインタビューをするのだが、何と、声を出すことに合意が出ず、ある声優がインタビューで村上氏が言ったことを読み上げた・再生したのである。

 これはかなり変わっているな、と思ったけれども、「作家として、自分のイメージを大切にしたい」ということなのだろうという解釈も出来る。それだけ自分の仕事に真摯な人なのだ、と。

 先日、「海辺のカフカ」を読んだのだけれど、最後まで読んで、頭は疑問符で一杯になった。作家としては何度も読んで欲しいのかもしれないし、読者に結末や意味するところを自由に想像して欲しいのかもしれない。思い起こせば、昔の「ねずみ男」の存在も含め、常に読者に想像の余地を残しておくことがあったようだった。だとすれば、今回もそうなのだーそれにしても、ここまで疑問符が一杯つくようだと、これはひょっとしたら、村上氏は別世界に飛んでいってしまったのではないか?あるいは、あまりにも人気作家なので、「ここをこうしなさい」という人がまわりにいないのだろうか?つまるところ、カルトの作家なのだろうかー?

 思いは乱れたが、最初にも書いたが、私は文学作品を殆ど読まないので、きっと経験や想像力が足りないのだろうなあ・・・と思ってまた日が過ぎた。

 そして、イスラエルの文学賞でのスピーチのことを知った。

 この件に関しては、既に日本語に訳していらっしゃる方がいるし、また、一部ブログでは称賛されているらしい。称賛・・・というのが本当に不思議だった。

 というのも、一部では、村上氏がイスラエルに行って、「ガザ空爆を批判した」という解釈があるらしい。しかし、私にはどう見てもそうは読めないのだ。

 私がこのスピーチのことを知ったのはエルサレムポストの記事だったが、「卵と壁」に例えて話す・・というのがどうもこそばゆい感じがした。途中まで読んで、どうしても読む気がなくなってしまうのだ。

 私がこのスピーチがおかしいと思うのは、まず、何を言おうとしているのか、殆どよく分からないこと。何十年も続く紛争を卵と壁に例えるのも、ぴんと来ない。村上氏は英語が分かり、米国で教えていたこともあるぐらいだから、イスラエルのことも知っているだろうし、紛争のことも十分知っていると思うのだが。

 読んでいると、airy, fairy・・つまり「ふわふわ」(非現実的・空想的)としていて、意味がないように聞こえる。リアルな思い、リアルな痛み、怒り・・なんでもいいが、リアルな感情が伝わってこない。

 言葉を使って書く人が何故?と思う。英語を知っている人が何故?

 このエアリー、フェアリーな感じは、平和の大切さを叫んでいれば、世界に平和が訪れる・・と考える人にどこか似ている。

 ・・・と私は思っている。
by polimediauk | 2009-03-11 06:43 | 日本関連
 「日経ビジネス」のサイトが15日からリニューアルした。

http://business.nikkeibp.co.jp/

 私が今作っているサイトのレイアウトとちょっと似ているところがあった。こういうデザインは今トレンドなのかもしれない。

 どこが新しいのかの説明を見てみると・・・。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20090114/182626/

 (引用)

 日経ビジネスオンラインは、組織を変革する創造的な個人に役立つサイトでありたいと考えます。既存の答えが用意されていない課題を解決するための発見、気づきがある記事に巡り合える場です。そのため、異論を重んじる雑誌の複眼思考をさらに進めて、多様性に富んだ記事ラインアップ、1つのニュースへの多面的・重層的な論説を充実していきます。そうした色彩が強い、おすすめ記事を毎日「Breaking Views」として最上部に配置しています。

 (中略)

 2008年のリーマン・ショック後、世界経済の変調が鮮明になりました。これまで繰り返した景気後退にとどまらず、資本主義の仕組み、企業経営の常識、働くことの意味など経済の本質的な部分が大きな転換点を迎えた可能性も指摘されています。国や社会、組織という枠組みが揺らぐ海図のない時代、成長への突破口は個人の創造性にあります。

 企業、市場、政治から世相、サブカルチャーまでの幅広い分野。日経ビジネス・日経ビジネスオンラインの記者だけでなく、企業の実務者、会計士、弁護士、大学の研究者、小説家やコラムニスト、フリーランスジャーナリストなど多彩な執筆陣。欧米メディアに加え、アジア各国の現地メディアが掲載した記事。

 こうした記事の多様性の中に、見通しにくい時代の先を示すヒントが必ず隠れているはずです。(引用終わり)

 そして、スェーデンで障害者集団が働く会社を紹介する記事が・・・。アジアのニュースも紹介。欧州にも目が行く。

 なんだかすごく面白い感じになったなと思う。「個人の創造性」を鍵にしている点もいい感じだ。

 先日、在英日本人で日本から帰ってきたばかりの人と会話をしていたら、「日本はずい分変わった」という話で、NHKの番組がおもしろく、既存メディアが活性化している話を聞いた。その人の話では、「ネットでの言論は『終わった』」のでは?とも。

 ネット(オータナティブメディア)に行けば何かおもしろいこと、既存メディアがカバーできない何かがある、という時代は、ある意味、確かに終わったのかもしれない。既存メディアが捨て身で、本気でネットで何かをやろうとしたら、強いのかもしれない。

 この「強い」というのは、必ずしも「お金がもうかる」ことを意味しない。

 多彩なアイデア、考え方が自由にたくさん出て、個人(仕事もするし、遊びもするし、子育てや料理もする)の生活が前よりも知的に深まったり、楽しくなったり、危機に対応する手段や考え方が増えたりすることに貢献できるーそういう意味の強さ。新聞やテレビ・ラジオは今までずっとそうしてきたと思うし、ネットでもこれを本気でできたらおもしろい。

 今このサイトを読まれている方で、日経を嫌いな人、新聞が嫌いな人、「マスゴミ」と思っている人は多いと思うけれども、「国や社会、組織という枠組みが揺らぐ海図のない時代、成長への突破口は個人の創造性」にある、という発想はやっぱり新鮮だ。「個人としてどうするか?」ー今これしかないと思う。

 翻って英国では、中東やアフリカの話が多い。ガザの件があるから、というのもあるが、フランス、ドイツ、オランダなど、近隣欧州諸国の話がめっきり少ない。思い出したようにやる、という感じ。欧州でもやるのはロシアと東欧か。いつもどうも固定観念がある。目隠しをされている思いがする。ネットでニュースは拾えるけれど、日常的に欧州他国の日々のニュースが,普段のなんでもないようなことなどが報道されておらず、ステレオタイプがどんどん増えていく。

 イスラエルーガザの件も、昔は親イスラエル報道だったそうだが、今は親パレスチナが主のようだ。これについては稿を改めたいが、日本のメディア報道に関しては、デイズ・ジャパンの広河編集長が詳しく書いている。ご参考までに。

http://daysjapanblog.seesaa.net/article/112508511.html
by polimediauk | 2009-01-15 07:55 | 日本関連
 「クーリエ・ジャポン」10月号には、「米国メディア戦争」と題して、マードックのウオール・ストリート・ジャーナル紙買収の分析記事(翻訳)が載っている。米「アトランティック・マンスリー」の記事がオリジナルだ。米国側から見るとこうなのかなあと参考になる。「FT記者が分析する英・米のジャーナリズムはこう違う」という記事も。米国のジャーナリストたちは自らを弁護士や銀行員と同じく世間的に「立派な職業」に従事していると考えている・・・そうである。英国では、「ジャーナリストは自らをアウトサイダーだと規定している場合が多い」。

 例のロシア・グルジア・オセチアの話もたくさん載っており、その一つはFTの記事で、グルジア・サーカシビリ大統領の評価をクエティン・ピール記者が書いている。元記事の日付が出ていないが、「遅すぎた革命家、サーカシビリの野望」という題がつく。大統領の行動が性急過ぎたのでは?という視点。ロシア、グルジアの紙面、ウクライナとのリンクなど、読み応えのある構成になっている。(「コーカサス国際関係の十字路」集英社新書、書店ですぐ見つかりました。)

 「クーリエ・ジャポン」の本物誌面を手に取ったのは初めてだったが、これは非常におもしろいなと思った。(元記事のアドレスや日付が一切ないのは、翻訳として加工しているせいなのか?)世界のメディアといっても、主に英・米・欧+アジアで、アラブ系の定期メディアは特には入っていないようだったけれど、英米とは言え、日本で紹介されていない記事でおもしろいものがたくさんあるようだから、これはこれでいいのだろう。

 日本特集で「A・キャンベル」という人が書いた村上春樹の記事を思わず最初に読んだが、英国にいる人なら誰でも知っている「あの」キャンベル氏が村上春樹のファンだったとは(それにレズビアンに恋した男の物語「スプートニクの恋人」が好きだったとは)、(大)驚愕だった。で、細かい話だが、英国に住む皆様、キャンベルとは「アリステア・キャンベル」(=スピン・ドクター、元国防省顧問ケリーさんを間接的に殺したかもしれない人、イラクの大量破壊兵器の脅威を誇張させた張本人)なのですよ。で、キャンベル氏は「英国の著名政治家」となっていた・・・・。目次と記事の見出しで。いつ彼は政治家になったのだろう?これはもしかしたら、もしかしたら、間違いではなかろうか?

 それでも、次も読みたいと思わせる雑誌だった。

 
by polimediauk | 2008-09-11 20:21 | 日本関連