小林恭子の英国メディア・ウオッチ ukmedia.exblog.jp

英国や欧州のメディア事情、政治・経済・社会の記事を書いています。新刊「英国公文書の世界史 一次資料の宝石箱」(中公新書ラクレ)には面白エピソードが一杯です。本のフェイスブック・ページは:https://www.facebook.com/eikokukobunsho/ 


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カテゴリ:ネット業界( 148 )


毎秒ブログが生まれている

 「ガーディアン」の8月3日付によると、世界中で一秒に1つの新しいブログが生まれているそうだ。ブログのサーチ・エンジン、Technocrati テクノクラティ 社の創始者デイブ・シフリー氏の話として、一日で8万の新しいブログが世界中で誕生しているそうである。テクノクラティ社が調べたところでは、8月時点で1420万のブログが存在し、3月調査時点の780万から倍に増えた。

 しかし、新しいブログを始めた人がこれを継続して続けるとは限らず、約半分は活動休止状態になってゆく。

 ブログが世界中で増えている1つの理由は、日記形式の簡単なホームページを作るソフトが出てきたためで、例えばBlogger, LiveJournal, Typepadなどがあるという。ブログのコンサルタントのエイドリアーナ・クローニン・ルーカス氏によれば、ウエブ上の自己表現のための「精神的なスペース」になっているのが、ブログだという。

 「誰か知っている人のことを思い浮かべてみると、その人が何を考えているのかが分かるまでに、どれくらい時間がかかるだろう。長い時間だと思う。ブログでは、これが逆になる。ブログを通して、その人の精神世界に最初に接することになる」。

 テクノクラティ社のシフリー氏によれば、ブログが伸びているのは特に日本、韓国、中国、フランス、ブラジルだ。中国はこれから特に伸びる可能性が高いという。

 英国のブログ数の正確な統計はないが、20万から90万ではと推計されている。

 デジタルメディアとテクノロジーのブログJournalistic.co.ukを編集しているレスリー・バンダー氏によれば、英国では、ロンドンの同時爆破テロがきかっけでブログを始めた人が多い。
 
 「7月7日の爆破テロで、自分たちもニュースを作れる、と気づいたのだと思う。数多くのブロガーたちが既存メディアにニュース材料を提供している」。

 新しくブログを始めた人が、そのうち続かなくなるのは避けられない現象だ、とバンダー氏は言う。

 多くのブロガーたちは少人数の友人や家族に向けて書き、有名になるところまではいかない。

 有名になった例としては、ベル・デ・ジュールという名前で書いていたブログで、ロンドンの娼婦だと自己紹介をしていた。彼女のブログは書籍化され、「ガーディアン」紙の2003年度のブロガー賞を受賞し、チャンネル4というテレビ局で物語がドラマ化されることになった。書き手の本当の素性は?とメディアが書き立てる、といった現象が起きた。

 別の例では、2003年のイラク戦争開戦までブログを書いていたサラム・パックスというイラク人の女性によるブログで「ガーディアン」で国際問題に関するコラムを書き、これも書籍化されるところまでいった。

 ブログは、日記だけでなく、教材の1つ、政治的議論の場、作家や写真家などの作品アピールの場所、PRツールなどとしても使われている。既存メディアも読者のコミュニケーションのためにブログを使っている、と記事は結んでいる。
by polimediauk | 2005-08-03 22:47 | ネット業界
宣伝費をもらっているわけではないのだが、韓国で市民記者ブームを作り出したといわれる、オーマイニュースの本が出版されている。ご参考までに。

http://www.bk1.co.jp/product/02539958/?partnerid=02ohta01

c0016826_22355263.jpgオーマイニュースの挑戦
呉 連鎬著
大畑 竜次訳
大畑 正姫訳
大田出版社より

■内容説明
「市民参加型インターネット新聞」の稀有な成功例として世界的に知られる韓国のニュースサイト『オーマイニュース』。その誕生から現在にいたる5年間の格闘の記録。「市民みんなが記者」はどのようにして実現したか?


■著者紹介
〈呉連鎬〉1964年韓国生まれ。延世大学国文科卒業後、米リージェント大学でジャーナリズムを学ぶ、韓国の月刊誌『マル』記者。インターネット新聞『オーマイニュース』代
by polimediauk | 2005-05-16 22:39 | ネット業界

米国の若者の新聞離れ


米国でも危機感


日刊ベリタに、米国の若者の新聞離れに関しての記事が出ていた。
http://www.nikkanberita.com/

こうした動きは世界的なもののようだが、日本ではどうなっているのだろう?

神奈川新聞のカナロコを除いては、大胆な動きが見えてきていないが・・・。危機感はどれくらいなのだろう、日本では?

(以下、貼り付けです。)

2005年05月09日掲載  無料記事 


米国で若者の新聞離れ目立つ NYタイムズの編集主幹は反論

 米国で若い年齢層の新聞離れが目立っている。日々のニュースは、活字媒体でなく、ケーブルテレビやラジオのトークショー、それにインターネットのサイトから入手する傾向が一段と強まっている。メディアの世界は「ポスト・ジャーナリズムの時代に入った」ともいわれる。統計的にも、新聞を読む若い人は減少しており、大手新聞社も対応を迫られている。(ベリタ通信=有馬洋行) 
 
 最近、米カリフォルニア州リーバーサイド郡で国際問題の会合が開かれた。この中で、新聞界の名門とされるニューヨーク・タイムズ紙のビル・ケラー編集主幹は、「新聞は依然重要なものである」と新聞落日論に反論した。 
 
 NYタイムズは2003年5月、ジェーソン・ブレア記者による記事捏造事件で信用を大きく失墜させた。この事件は、ブレア記者が他社の記事などを引用し、多数のでっち上げ記事を書いたもので、トップの編集幹部も辞任した。 
 
 NYタイムズのコラムニストとして知られたケラー氏は、03年に編集主幹に就任、編集サイドの綱紀粛正に乗り出している。米紙プレス・エンタープライズによると、同主幹は、報道の世界では、構造的な変化が起きていると指摘。その例として、ケーブルテレビやラジオのトークショーの活躍のほかに、ネットでのブログの出現をあげた。その上で、米国のメディアの世界は、今やかつてないほど自由を享受していると述べた。 
 
 また新聞やテレビなど既存の主流メディアへの国民の信頼感が薄らいでいる理由として3つの点を指摘した。第一は、NYタイムズの記事捏造事件のような、自らの起こした不祥事で、国民の既存メディアへの信頼が落ちた。 
 
 次に国論の二極化の動きを挙げた。「われわれにつくのか、歯向かうのか」といった二元論的な風潮は、メディアの公平性への信頼感を損ねた。こうした風潮を煽る具体例として、政府寄りとされるFOXニュースの時事番組ホスト、ビル・オライリー氏や、歯に衣を着せぬ毒舌で知られるラジオ・トークショーのホスト、ラッシュ・リンボウ氏を挙げ、彼らを「大衆受けを狙ったショーマン」と批判した。 
 
 第三に、インターネットの出現で、誰でも自分の意見や考えを一気に伝えることが可能になり、既存メディアへの国民の依存が減少したことを挙げた。 
 
 しかし、一流メディアは、世界の隅々まで記者を派遣し、公平な基準で記事を送っており、一部の偏向メディアとは異なっていると強調。新聞メディアの重要性は依然薄らいでいないと述べた。 
 
 一方、ワシントン・ポストでジョージ・ウィル記者は、活字メディアの落ち込みを統計数字を挙げて説明している。米国の日刊紙の総発行部数は、1990年の6230万部から減少し、現在5520万部になっている。新聞を読んでいるという成人年齢層の割合は、60歳以上が60%と最大だが、年齢が下るにつれて減少。18~29歳は23%と一番低くなっている。 
 
 72年当時は、18~22歳で新聞を読むと答えた人は、約50%だった。当時に比べ、若い層の活字離れは急速に進んでいるといえる。既存の大手ネットワークのテレビ視聴者数(夜のニュース時間帯)も80年の5210万人から、現在2880万人に落ちている。 
 
 大手新聞社は、若者に人気のあるタブロイド紙に注目し、相次いで販売や、買収に乗り出している。タブロイド紙は、記事も簡潔で、内容も硬くない。タブロイド紙の情報で満足できない若者は、親会社の新聞の購読に向かうのではとの皮算用のようだ。 
by polimediauk | 2005-05-09 05:00 | ネット業界
一つの答え

 前に、何故イギリスで、ブログがアメリカや日本ほどには流行っていないかを書いたが(http://ukmedia.exblog.jp/m2005-03-01/#1076768)、英タイムズ紙でブログの魅力について書いていたコラムニストのサイモン・ジェンキンズ氏に、「何故?」をメールで聞いてみた。

 答えの前に、まずジェンキンズ氏のメールアドレスが何故分かったのか?

 タイムズの彼のコラムの最後にいつもアドレスが入っているからだ。日本でもこういうことが段々行われているだろうか?彼が実際に全部自分でメールチェックをするのかどうかは分からないが、他の新聞でもコラムニストで最後にメールアドレスを入れる人は、イギリスでは結構いる。例えば金融コラムニストのジョン・プレンダー、女性関係のトピックのコラムニストのルーシー・ケラウエイ(どちらもファイナンシャル・タイムズ)も、アドレスがつけてあって、コラムを読んでの感想とか感動したときなどにメールを送ってみたら、どちらもすぐ返事が来た。

 ソニーの退職金制度に疑問を感じて、プレンダー氏にメールを送ってみたら、これもすぐ返事が来た。

 読者に向かって双方向のコミュニケーションの場が開かれているようで、すっきりする。上から、大上段に意見を垂れた・・・という感じがしない。

 サイモン・ジェンキンズ氏のメールだが、「イギリスでそれほどブログの人気が無いのは、たいがいの国に比べて、新聞、放送業界のメディアが多様だからだと思う」と書かれてあった。

 私が推測した理由と同様の答えだったが、ブログに関してのこの意見があっているかどうかはまた別問題としても(他にもいろいろ理由があるのかしれない)、「多様なメディアが存在する」ことを、うすうす感じていたが、やっぱりそうだったか、と思った。

 では、「多様なメディアが存在しているかどうか?」という面から、日本はどうなのか?

 私は、日本は負けていないと思う。

 たた、違いの1つとしては、イギリスには人気ある討論テレビ・ラジオ番組などがあって、一般の人が放送の場を通じて自分の意見を表明する機会がわりと多いような気がする。すると、言葉で考える、というか(ある意味では当たり前だが)、言葉を通して自分を表現する機会が多くあることになり、頭の訓練にもなって、おもしろいと思っている。

 
by polimediauk | 2005-05-05 06:14 | ネット業界
答えは「イエス」?

 イギリスではブログがそれほど人気になっていない。

 私の推測では既に様々な意見を表明する機会がたくさんあるので・・と思っていたが、フリーのジャーナリストで季刊誌ブリティッシュ・ジャーナリズム・レビューの編集メンバーでもあるマーク・ホリングスワース氏によれば(年齢は30代後半ぐらい)、「アメリカ人や日本人と比較して、イギリス人は新しいものに対して抵抗がある」という。連絡先を書いてもらうと、名前と電話番号だけを書くあたり、ホリングスワース氏自身が、ネットの利用では奥手である可能性もあるが。ブログのことを話していたら、「ところでブログって一体どういうもの?ホームページとは違うの?」と聞かれたせいもある。

 4月8日付けのフィナンシャル・タイムズ紙に、フィナンシャル・タイムズ・マガジン誌(毎週土曜日発行)の編集長ジョン・ロイド氏のコラムが載っていた。

 ロイド氏は5月5日の英総選挙がブログが広がるきっかけとなる、と見ている。ブログのジャーナリズムの役割をオックスフォード・インターネット・インスティテュートの教授スティーブン・コールマン氏にインタビューし、列挙しているのを読むと、まだまだイギリスのブログが発展途上段階にあることを逆に示すように思った。

 一つ付け加えると、イギリスのメディアは、政治家に対し、政策ばかりでなく性格や私生活に関しての揶揄など、かなり追求が厳しい。ブログが盛んになると、これに輪をかけての報道になり、政治家にとってはさらに厳しい環境となりそうだ。

 一部抜粋を紹介すると:

 「総選挙でイギリスでもブログが広まるようになるだろうが、これはいいことか悪いことか?答えはイエス=いいこと、だ。政治が現在以上に個人的なものになるべきだと思っているならば、だが。」

 「オックスフォード・インターネット・インスティテュートのスティーブン・コールマン教授は、ブロガーは3つのタイプとして広がってゆくとしている。一つは政治オタクで、『自分以外の誰も信じちゃいけないよ』というタイプ。2つめは政治家自身やアドバイザーたちで、普通の人たちとコンタクトを取っていることを示すため、3つめは通常の報道では言いたいことが書けないジャーナリストやジャーナリスト志望の人たちだ。例えば、(野党保守党の党首)マイケル・ハワードのあの声には我慢がならない!といったことが書ける。感情の表現であり、裏づけのない観察だ。決まったルールもなければ制限もない。自分がどう考えるか、どう感じたか、が常に中心になる』」

 「『もしイギリスのブログがアメリカ型として発展していくとしたら、政治家だけでなくメインストリームのメディアもトピックになる。ブロガーたちによれば、真実を語ることを恐れ、本当の話を落とし、事件が過ぎ去ってから記事を書く、とみなしている人たちだ。ブロガーたちは既存メディアのコンセンサス(こうあるべき、というライン)を嫌う。』」

 「ジャーナリストたちがますます政治家を強い調子で批判し政治家の性格から大きな問題を解き明かそうとする報道を続ける中で、ブロガーは、自分にとって物事がどうなのかを問題にする。政治家や政治によって自分がどんな影響を受けるのか、が重要と考える。」

 「コールマン教授によれば、『ブロガーは、ブログを書くことで、自分の考えには人々が耳を傾けてくれるほどの価値があることを確認する。ブロガーは、観客でなくプレーヤーになれるのだ』」。

 「ブログをやっている政治家はあまりいないが、労働党のクライブ・ソーリー氏やオースチン・ミッチェル氏、野党自由民主党のリチャード・アラン氏、保守党のボリス・ジョンソン氏など。ミッチェル氏は、ブログは政治家個人の意見を表明する場所だとしている。」
by polimediauk | 2005-04-09 23:10 | ネット業界

英ネット広告費が急増


60%増、でも来年はもっと増える

 米インターネット広告の業界団体、インタラクティブ・アドバイジング・ビューロー(IAB)がコンサルタント会社のプライスウオーターハウスクーパーズに依頼した調査(4日発表)によると、英インターネット広告費が、初めてラジオ広告費を追い抜いた。

 2004年のインターネット広告費は6億5330万ポンド(約1330億円)で前年より60%増加。ラジオ広告費は6億3700万ポンド(約1290億円)だった。

 オンライン広告費は英広告費全体の3.9%を占め、前年の2.6%を上回るとともに、ラジオ広告費の3.8%を超えた。

 専門家の分析によると、接続速度の速いインターネットを利用する人が増えているため、広告主がオンライン広告を大きなビジネスチャンスと見ているようだ。英国では約600万人がブロードバンドに接続していると言われ、ダイアルアップ接続のユーザーの倍の金額をオンラインで使うという。広告主からすると、ブロードバンドで、ビデオやアニメ、オーディオなどの面で凝った広告を出すことができる。

 2000年のドット・コム・ブームの時代にはオンライン広告に過度の期待がかけられていたが、一旦バブルは崩壊。しかし、今回の結果で、ネット広告が上向きになったことが証明された、というのが英各紙の結論だ。

 中心となっている広告主は、金融、人材サービス、旅行、自動車など。

 IABのチーフ・エグゼキュティブのガイ・フィリップソン氏は、タイムズの取材の中で、「ネットで買い物をする人が増えているので、自然にネット広告も増えたのだと思う」と述べている。

 広告費全体の内訳を見ると、最も大きな割合が新聞を通じての広告で、41・5%。テレビは23・9%となった。

 英広告協会の予想では、2005年の広告費総額は前年よりも4・3%増える、としている(フィナンシャルタイムズ紙)。オンライン広告に関しては、33%の増加が見込まれている。
by polimediauk | 2005-04-05 19:02 | ネット業界

「ブロガーがやってくる」


 アメリカでは、ホワイトハウスのブリーフィングにもブロガーが入った、と最近ニュースになったが、イギリスでは、ブログはまだそれほど大きな動きにはなっていない。特に、日本で花開いている個人のブログも大きくは広まっていない。

 何故イギリスでブログがアメリカ型、あるいは日本型のように流行にならないのか?

 あくまで私見、推測だが、アメリカ型のような、メイン・ストリームで出ている議論とは、違った点から物事を見るという形でのブログ・ジャーナリズムで言うと、イギリスでは既存のメディアが既に「他の視点」を提供している、という要素があるようだ。まず、BBCが英国最大の公共放送機関として、様々な視点を紹介する番組を提供している。テレビの討論番組などで人々が思い思いの意見を述べる機会も多い。商業放送(といっても、衛星放送以外は公共放送となる)が、BBCの番組に挑戦するような様々な時事番組、ドキュメンタリー、参加番組を放映している。

 日本の朝刊紙にあたる新聞は、中立であることを目標としておらず、それぞれ独自の論の展開をするので、これもまた、読者が様々な視点に触れて自分自身の意見を形作るのに役立つ。

 日本型のブログがカバーする領域の中で、裏の話、本音、悪口も含めた言いたいことを言う・・といった内容の部分は、大衆紙と呼ばれるタブロイド紙がカバーしている。

 ブロガー同士がつながる・・・といったコミュニティーの部分はどの英メディアでもカバーされないことになるが、この部分のニーズが出て広がるのか、あるいは既に存在しているメディア報道をさらに深くするための動きが出てくるのか、この先は、私自身、つかめていない。

 いろいろなメディア関係者から聞いたり、コメントを読んだりする限りでは、アメリカ型ブログ・ジャーナリズム(既存のメディアが扱っていない真実を明るみに出す)の必要性、緊急性を、感じている人は、少ないようだ。ブログで暴露されるような真実、事実だったら、ネタを買ってくれるタブロイド紙に売るか、競争の激しい既存メディアの誰かがもう既に報道している、ということのようだ。

 ・・と思っていたら、3月11日付けタイムズ紙のコラムニスト、サイモン・ジェンキンズ氏が、ブログの衝撃を書いていた。

 おもしろいと思ったのは、自分自身(大手新聞のコラムニスト)が、ブロガーとどこが違うのか?と自問自答をしている点だ。自分自身も、ブロガーと同じこと(その時々の時事トピックに関して、自分の独自の意見を述べる)をしている、と気がつく。自分だって、うかうかしていられない、と思いだす。

 日本で、大きな新聞に毎週コラムを書いている人で、ブロガーの存在に脅威を感じる人がいるだろうか?そしてそんな脅威を正直に書くだろうか?

 そんなことを思いながら、記事を読んでいた。http://www.timesonline.co.uk/article/0,,1059-1520138,00.html

 一部を、紹介してみたい。(若干言葉の補足をしてあります。)

 「明らかになったことは、既存新聞の世界をブログが一時的に嵐のように乗っ取ったということだ。」
 
 「確かに、紙としての新聞のタイムズは一日70万部売れているが、世界中で、ネットでタイムズを読む人はこの5倍もいる。私や他のコラムニストが読者から受け取る手紙も電子メールの方が多くなった。新聞を作る作業が、スクリーンとキーボードを使っての電子的な会話、になってしまった。オンラインだと新聞をただで読める時代に、新聞を買うというのは贅沢なことになったのだろう。」

 ジャーナリズムを教える学校では、既存ジャーナリズムの原則(事実の確認、調査)をネットのジャーナリズムにもあてはめようとしている。「しかし、ブログの魅力は、こうした原則から逃れることができる点にある。」

 「既存のジャーナリズムの問題は、情報収集、信頼性といったものが、(ブログの)意見の叫び声よりも価値があり、お金を出して買ってくれる根拠になる、と思っている点だ。」
 
 「(既存メディアの情報は)誰かが確認したり、書いたり、編集したものだ。既存メディアはお金を稼ぐ必要があり、そうでないとブロガーたちの情報の元(リソース)がなくなることになる。新聞の発行部数が減少し、海外支局が閉鎖される動きが世界中で起きているので、いつまで既存メディアが利益を出し存続できるのか、見通しはあまり良くない。意見を言うのは無料だが、事実(を集めるのには)はお金がかかる、というのは本当だ。」

 「(自分にとっては、ブロガーの存在は)地面が動いたぐらいの衝撃だ。私の職業の中心部分と関わることが起きている。(ブログは)意見を売る。自分が(ブロガーより)高い位置にいるふりをすることはできる。シェークスピアの引用をすることだってできる。」

 「しかし、実際、私自身もブロガーなのだ。発生するニュースからあるトピックをとりあげ、そのトピックに関しての自分の意見を、読者を説得するために書いているのだから。そして、自分はそれでお金をもらってもいる。ブロガーは、無償でやっている。」

 ブロガーの存在に、コラムニストとして自分も全力で書こうと思う、という意思表示をしている。
by polimediauk | 2005-03-11 23:40 | ネット業界

「ジャーナリズムは記事の質で勝負」
 

 ライブドア・ニュースに韓国オーマイニュース社長のインタビューが載っている。

  「ジャーナリズムは記事の質で勝負するもの。プロであるか、アマチュアであるか、もしくは大手メディアの記者か小さなメディアの記者かは関係ない」というコメントが、目をひく。

 日本語版も予定しているという。もっと詳しく知りたくなる。

 【ライブドア・ニュース 18日 東京】 - 市民アマチュア記者3万6000人を集めて、ネット新聞を展開する韓国オーマイニュース。市民の直接参加と読者との情報の双方向性を武器に、設立5年で韓国の主要報道機関に成長した。02年の大統領選では、盧武鉉政権誕生に一役買ったとされる。オーマイニュースのオ・ヨンホ社長に話を聞いた。

 問 オーマイニュースという、ネット上の市民参加型報道機関を始めたきっかけは。
 答「私は大学卒業後、雑誌で12年間記者生活を送っていたが、韓国の大手メディアが保守的で閉鎖的だと感じてきた。この韓国の大手メディア状況を、多くの市民と共に変えていきたいと考えた。そこで、『市民みんなは記者だ』というキャッチフレーズを掲げた。それは、紙媒体でなく、インターネットでこそ可能だと感じた」

 問 なぜ、一般市民のアマチュアと協働することを考えたのか。
 答「プロ記者を排除しているわけでない。オーマイニュースはプロ記者と市民記者の夢のような結合を求めている。ジャーナリズムは記事の質で勝負するもの。プロであるか、アマチュアであるか。もしくは大手メディアの記者か小さなメディアの記者かは関係ない。インターネットを利用して、記者と読者の間に(情報の)双方向性が生まれるとき、ジャーナリズムは最に望ましい姿が現れると考えている」

 問 オーマイニュースが韓国で成功した要因は。
 答「一番は『市民みんなは記者である』というスローガンだったと思う。また、オーマイニュースは利益を追求するのでなく、オルタナティブ(既存の代替的)な市民言論運動を目指したので、市民が賛同してくれたと思う。韓国の若い世代は、韓国社会全体やコミュニティを自ら変革できると信じており、その多くが積極的に市民言論運動に参加している」

 問 既存のメディアから嫌がらせや妨害などはなかったか。
 答「オーマイニュースは少人数(4人)で、ビジネスとしてでなく、市民運動的な性格を持ったジャーナリズム運動として始めたので、逆に、既存のメディアに少しは可愛がってやろうという意識があったと思う。今ではオーマイニュースは、新聞やテレビなどメディアの中で韓国第6位になり、他から警戒されてきているのは事実だ」

 問 オーマイニュースが読者から信頼を得た要因は。
 答「設立時からオーマイニュースの報道で、既存メディアが歪曲してきた、もしくは無視してきた事柄を取り上げてきたからだと思う。また、ある現象を報道するとき、既存のメディアのように一部を取り上げるのでなく、全体像を描くように心がけたことだと思う。新聞のように、締め切りはないし、紙面の制約もない。そして、一番重要なのは、市民がオーマイニュースに直接参加でき、自分の言いたいことを言えるということだろう」

 問 オーマイニュースの将来像は。
 答「韓国内では、オーマイニュースがニュース配信を始めた後、たくさんのインターネット新聞が生まれた。これが、オーマイニュースの認知度を高め、競争力の源泉となった。今ではオーマイニュース英語版があるが、多くの記事は韓国人以外の人が投稿したもの。韓国国内のジャーナリスト・ネットワークに留まらず、世界に情報を発信していくものに育てたい。市民参加ジャーナリズムが世界各国で広がることを望む。今後は日本語版も作って、日本の方にも参加してもらいたい」
by polimediauk | 2005-01-19 03:12 | ネット業界