小林恭子の英国メディア・ウオッチ ukmedia.exblog.jp

英国や欧州のメディア事情、政治・経済・社会の記事を書いています。新刊「英国公文書の世界史 一次資料の宝石箱」(中公新書ラクレ)には面白エピソードが一杯です。本のフェイスブック・ページは:https://www.facebook.com/eikokukobunsho/ 


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「あなたはルパート・マードックですか?」

東京・日比谷の電気ビルに、日本外国特派員協会というのがあって、http://www.fccj.or.jp/ 名前の通り、外国人ジャーナリストの団体だが、日本の様々な著名人、政治家、ビジネスマンなどを呼んで、ランチを食べながらの会見が頻繁に開かれている。

基本的には会員向けのサービスだが、「ゲスト」としてランチの料金を払うと、出席できる。

スピーカーが日本語で話しこれに通訳がつく場合も多いので、興味がある方は行ってみると、収穫があるかもしれない。

日本人ジャーナリストも来ているが、主に外国人なので、結構ざっくばらんな雰囲気で本音が聞ける。また、外国人ジャーナリストたちは、「そんなことも知らないの?」と、自国ジャーナリストが思うようなことでもどんどん聞いていくから、「そうだったのか」と思うコメントが出ることも多い。

3日は、ライブドアの堀江社長が呼ばれて、講演と質問があったようだ。そこで、「あなたは(メディア王といわれる)ルパート・マードックですか?}と聞かれている。

以下、ライブドアニュースから。

堀江社長、「今が勝負の時」
外国特派員協会でITと放送の融合について語る

【ライブドア・ニュース 03月03日 東京】ライブドア<4753>堀江貴文社長は3日、日本外国特派員協会(東京都・有楽町)で講演を行い、同社のニッポン放送<4660>株取得や、インターネットとメディアの融合などについて話した。

 堀江社長は「放送は枠が限られた一方通行メディアで、これからは双方向性のインターネットが主流になることは間違いない」と力説した。また、現在はブランドと視聴者数で圧倒的優位に立っているが、個人が情報発信ができるようになり、放送はこれから先細りになっていくと指摘した。堀江社長はさらに、放送にブランド力と視聴者への影響力があるうちに、視聴者の意見を取り込んで自分たちのビジネスをする必要性を訴え、ブロードバンドの普及が進んだこの1~2年が勝負をかける時だという認識を示した。

 時間外取引で株式を取得したことについては、「友好的にやるのがベストだが、ある程度強引な手法を使わないと我々も彼ら(放送業界)も真剣にならないと思う」と述べた。方法に違法性があるという見方については、「誰でもできることで、逆もありえた」と答えた。

 冒頭のスピーチでは、「あなたはルパート・マードックですか」と記者会見前に尋ねられたことを紹介し、「彼はメディアの複合企業の会長で、我々が目指しているのはメディアとITと金融の複合企業なんです」と言って会場を沸かせた。

by polimediauk | 2005-03-03 19:17 | 日本関連

「ニュース」?


BBCの夜のニュース解説番組「ニュース・ナイト」の中で、難民申請者用一時宿泊施設の内情暴露のクリップが、放映された。

この宿泊施設の管理は、内務省に依頼された民間の会社がやっている。そこで働く人々が、いかに人種差別主義の傾向があり、まるでモノにあたるかのように申請主義者たちを扱っているか、隠しカメラで撮ったものだ。この職権乱用の結果、15人の職員が停職措置になった、という。

内務省関係者の生のインタビューはなかったが、該当の民間会社のトップ、及び政治家やコメンテーターの分析があり、非常に見ごたえのあるものだった。

その後で、キャスターのジェレミー・パックスマン氏が、「これはxxx曜日の特別番組の一部です」と言ったので、実は、別番組の宣伝・紹介だったことに、改めて気づいた。他の多くの視聴者同様、その「xxx曜日」に、見ようと思って、テレビのスイッチを切った。

就寝前にラジオをつけると、程なくして定時のニュースに。第一報が、この「難民申請者用施設での職権乱用のスクープ」だった。

確かに、調査報道の結果、人が停職処分になっているほどだから、「ニュース」ともいえる。しかし、どうも、BBCが自社番組を宣伝しているという、非常によくあるパターンにも見えてくる。

番組の宣伝そのものが悪い、とは思わない。「お知らせ」がなかったら、せっかくいい番組を作っても、たまたまその時にチャンネルを合わせた人でないと、見ることができない。

しかし、「お知らせ」を、どうして定時のニュースのスロットに、「ニュース」として入れるのか?「ニュース」と「宣伝」とを一緒くたにしては、まずいのではないか?ーーこれが、BBCに対する、イギリスでの批判の1つだ。

BBCの、イギリスの放送業界の中での位置は、大きい。BBC自身で利益を生み出す必要が、基本的にはないので、安定した収入もある。

そんな、「業界の巨人」であるBBCが、自社製作の番組の調査報道で分かった結果を、「ニュース」として出していいのだろうか?

・・メディアがメディア自身のために存在するのでは?と思わせるのがイギリスだ。BBCも、受信料支払い者のためでなく、BBC自身のために存在しているのではないか?そんな懸念を持つのは、私だけではない。
by polimediauk | 2005-03-02 10:28 | 放送業界