小林恭子の英国メディア・ウオッチ ukmedia.exblog.jp

英国や欧州のメディア事情、政治・経済・社会の記事を書いています。新刊「英国公文書の世界史 一次資料の宝石箱」(中公新書ラクレ)には面白エピソードが一杯です。本のフェイスブック・ページは:https://www.facebook.com/eikokukobunsho/ 


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大衆化、低俗化

 ネットを見ているうちに、立花隆氏の「メディア ソシオ-ポリティクス」というサイトの中で、「ザ・タイムズ紙の豹変に新聞の来るべき未来を見た!」というコラムを見つけた。今年8月25日にアップされたもので、やや前の話になるが。

http://nikkeibp.jp/style/biz/topic/tachibana/media/050825_shinbun/


 タイムズ紙の「変貌振り」を書いているが、変貌する前のタイムズの紙面がどうだったのか、自分自身はつかめていないのだけれど、英国に来てすぐの頃〈2002年ごろ〉、英新聞紙面〈1面〉を見て、実際に驚いたことがあったことを、思い出した。

 「デイリーテレグラフ」紙で、例えば1面のテレグラフという表題の上に、半裸の女優の写真が載っている。あるいは、テレグラフの3面では、どうみても新聞というより週刊誌の社会ネタを大きく1面を使って扱う。感情に訴える記事が多い。

 タイムズ、ガーディアン、インディペンデント、テレグラフは高級紙・クオリティーペーパーとされているが、大衆紙・タブロイド紙とされるサンやデイリーミラーなどに近いような紙面構成も見受けられる。特に顕著なのが、テレグラフやタイムズかもしれない。高級紙の大衆紙化という現象があるのは確かだ。低俗化、というと一番分かりやすいように思う。

 確かに、こういう傾向は嘆かわしいのだろうと思う。

 何故こうなったのか?にはいろいろな説があるが、1つにはテレビやラジオでの24時間ニュース報道が日常的になり、どんな小さなネタでも大げさに、ドラマチックに、面白おかしく書き立てる傾向に拍車がかかったこと、新聞の価格値下げ合戦が続いて、とにかく読者の目を引く記事を出す必要があったこと、などがあげられてきた。

 「高級な質」を期待して読むような、一部の知識層よりも、一人でも多くの読者を獲得したいという、競争の激しいといわれる英新聞界の事情もあろう。(英国では日本のように自宅での定期購読率が高くないので、多くの人が、その日の紙面構成を見て新聞を買う。)

 それでも、タイムズは2005年の最優秀新聞賞をもらっているが。(前回のエントリー参照。)

 嘆かわしい現象は、英国の学者なども指摘している。

 しかし、低俗な紙面構成や、質の高い分析記事や報道がごったに混ざっているようなタイムズ、あるいはテレグラフという存在も、それはそれでおもしろいようにも、少し思う。例えば、朝、眠い頭で新聞を開くとき、政治の話よりも、ポップスターの遺産がどうなったか、ダイエットには何が一番いいのか、などの軽い記事を先にじっくり読んでしまうことが、私の場合はちょくちょくある。

 もう1つ、立花氏のコラムを読んで思ったのだが、ある日のタイムズが国際ニュースを1面に入れていなかったことに驚いている様子だが〈私も驚くだろうと思うが〉、実際、英国のメディア関係者から、「英国の新聞は国際報道が少ない」という声を何度か聞いた。唯一、国際報道がある程度充実しているのは、フィナンシャルタイムズだそうだ。

 また、英国の新聞が日本の新聞と違うところは、中立であろうとしない点だろう。例えばニュース報道1つをとってみても、国民の間では、BBCなどの放送のニュースに信頼感が最も多く置かれており、新聞のニュースの信頼性はあまり高くない。それぞれの新聞のスタンスによって、様々な現象を、独自に分析するのが新聞、と理解されているようだ。

 日本の新聞と英国の新聞を比較するとき、同じ「新聞」ではあっても、国民の見方、社会における位置の違いなどが、それぞれ違うようにも思った。

 などなど、いろいろなことを考えてしまったが、非常に含蓄のある立花氏のコラムを以下に貼り付けます。


立花隆の「メディア ソシオ-ポリティクス」第42回 ザ・タイムズ紙の豹変に新聞の来るべき未来を見た!2005年8月25日
イギリスに来ていちばん驚いたのは、「The Times(ザ・タイムズ)」紙の変貌ぶりだ。

オーストラリアのメディア王、ルパード・マードックが同紙を買収してから、「世界一のクオリティペーパー」といわれていた同紙がタブロイド版になり、内容も大衆化するなど、すっかり変わってしまったと聞いてはいたが、まさか、これほど変わってしまったとは思いもしなかった。

マードックに買収されたザ・タイムズ紙の変貌

たとえば本日(8月23日)の同紙である。題字のすぐ下にあるカラー写真付きのトップ記事のタイトルが、「OZ(オージー)ダイエット いかにして12週間で体重を減らすか」というオーストラリアで開発された新しいダイエット法の解説である。

これは写真とタイトルだけがトップに派手にのり、本文はずっと後の中折りの中にある。

もうひとつトップで大きな写真付きの記事で大きく紹介されているのが、いまなお活発な活動を展開しているローリング・ストーンズのミック・ジャガーのことである。彼はすでに62才になり、グループ全員の年を足すと245才になるという。それでもこれから世界ツアーに出かけ、今後18カ月間に、35回のコンサートを開く予定という。これも頭にあるのはほんの短い紹介で、記事の本文は、ずっと後の21面にのっている。

1面に活字でタップリ書かれた記事らしい記事は一つだけなのだが、その中身は、イギリスにある13万軒のレストラン、パブ、クラブの営業時間が、これから真夜中まで延長され、週末には午前2時まで延長されるという記事である。

政治も、経済も、国際関係も1面からは完全に消えてしまっているのだ。

これがかつて世界一のクオリティ・ペーパーといわれた「ザ・タイムズ」かと唖然とした。

しかし、それでも、内側のページを繰っていくと、活字のページがしっかりある。

「ザ・タイムズ」とならんで、世界のクオリティペーパーの代表格だったアメリカの「ニューヨーク・タイムズ」にしても、もともと広告のページが相当多いとはいえ、活字のページがしっかりあり、内容もしっかりある。

新聞がメディアのトップにあった時代はすでに終焉
それにくらべて、「ザ・タイムズ」「ニューヨーク・タイムズ」とならんで「世界の三大クオリティペーパー」と自称していた日本の「朝日新聞」(ちなみにこんなことを主張していたのは日本の朝日新聞だけで、よその国の人は誰もそうとは思っていないだろう)はどうかというと、最近は情けなくなるほど、紙面の質が落ちている。

全面広告がやたらにあって、読むところが少なすぎる。手近の新聞をかぞえてみたら、全36面のうち、全面広告ないし全面が広告で埋めつくされた面が10面あって、その他、3段〜7段の広告を足しあわせると、約6面あって、要するに半分近くは広告だ。それに私は、スポーツ欄、テレビ欄、株式欄、家庭欄、投書欄を一切読まないので、読むページが本当に少ない。広告がたくさん入るのは結構なことかも知れないが、読者としてはそれに紙面の充実がともなわなければ、思わず「金返せ!」といいたくなる。

活字の量が落ちただけでなく、紙面の質が驚くほどおちている。そのあたりが、ニューヨークタイムズとはまるで違うところだ。

質が低下しているのに、購読料金が高すぎることもあって、私はかなり前から、もう朝日新聞をとるのはやめようと、何度となく思いつつ、長年の習慣でなんとなく取りつづけてしまっている。

前は新聞を読まないと時代に遅れると思っていたが、最近のように海外にいる日が多くなると、日本のニュースはインターネットで読むのが中心の日々がつづく。そのうち日本のニュースはネットで読むだけで十分ではないかと思うようになってきた。

実はかなり前から、大学生で新聞を毎日きちんと読む人は完全に少数派になってしまっている。

東大で前から年1回はジャーナリズムについて教える講座を持っているため、毎年その場で簡単な調査をしているが、もうこのトレンドは完全に固定している(ほとんどの学生がニュースはテレビとネットで知るのだ)。この傾向は東大だけでなく、他大学でも同じだと思う。

大学生の質が低下したのではなく、新聞はニュースが遅い上に、内容の質が低下したために、大半の学生が読む必要を認めなくなっているのだと思う。

日本の新聞人たちは、いまでもほとんどの人が、メディアのトップは新聞だと思っているし、ちょっと古い一般社会の有力者たちもそう思っているようだが、実は新聞が「社会の木鐸」といわれ、メディアのトップにあった時代はすでに終わっているのではないか。

大学生が捨てたメディアが「社会の木鐸」でありうるわけがないではないか。

海外に比べてネット対応が遅れる日本の新聞社

「asahi.com」は、インターネットでよく読まれているようだが(私もよく読む)、「CNN.com」などと比べると、ニュースの量も質も驚くほど低い。インターネットのページの作り方もまるで水準が低い。

それでも「asahi.com」が他紙のページにくらべると、まだましといえるのは、海外のメディアのインターネット対応にくらべて日本のメディア全体のインターネット対応が驚くほど遅れているため、その中では朝日が少しはマシというだけの話で、グローバルスタンダードとくらべて、「asahi.com」が特にすぐれた水準にあるということでは全くない。

私は朝日新聞に知り合いも多いが、たいていの人が、朝日はメディア大変貌の時代にすっかり乗り遅れてしまったのではないかという危機感を持っているようだ。

いつまで新聞の購読をつづけるか、もう一回迷ってみようと思う。

〈以上、貼り付け終わり〉



 また思ったが、「テレビ欄、投書欄、家庭欄」を一切読まない、というのは、なんだかもったいないような気がするが、どうだろう?(といっても、私も全部の記事は読まないが。)
by polimediauk | 2005-12-31 22:10 | 新聞業界


 英新聞編集者、制作者、ジャーナリストたちで構成されるパネルが、What the Papers Say賞の受賞者を今月中旬発表した。What the Papers Sayを何と訳せばいいのか苦しむが、「新聞によると・・・」賞とでもなるだろうか?パネルは、その年最も優れた新聞、編集長、コラムニスト、カメラマンなどを選ぶ。同業者から「ベスト」と選ばれたそれぞれの媒体は、これを名誉とし、例えば、新聞の1面に「最優秀新聞賞受賞 Newspaper of the year」と印刷し続ける。

 今年の最優秀新聞賞にはタイムズが選ばれた。2003年秋から、インディペンデント紙に続いて小型タブロイド判を通常の大きなサイズの新聞と平行発行した。スタート時は「弱い」紙面刷新と思われたが、現在では、「自信をつけた新聞」となったことが評価された。サイズ変更よりもスクープの多さ、読み物的記事の充実など、新聞の内容そのものが高く評価された。

 選出委員賞は、ガーディアンのアラン・ラスブリジャー氏に。インディペンデントやタイムズがサイズ変更で大幅に部数を伸ばした実績にまどわされることなく、今年9月まで待って、縦にやや細長い新しいサイズ、ベルリナー判を成功裏に発行した点で、「すばらしい編集長」とされた。

 功労賞は、ラスブリジャー氏の前の編集長だったピーター・プレストン氏に。氏は現在、ガーディアンの日曜紙「オブザーバー」のコラムニストになっているが、20年間ガーディアンの編集長を務め、「現在のガーディアンを作った人」。メディア、教育、社会問題の特別なセクションを、G2と呼ばれるタブロイド判の数ページの小冊子にまとめ、これを通常の新聞に組み込む、というアイデアを導入した人物でもある。

 レポーター賞(報道ジャーナリストに該当すると思う)はデイリー・メール紙のデビッド・ジョーンズ氏へ。

 スクープ賞は、人気モデルのケイト・モスのコカイン疑惑を書いたデイリー・ミラーへ。この記事がきっかけで、他のタブロイド紙、雑誌がモスのコカイン疑惑を数週間に渡って報道した。

 特集記事ジャーナリスト賞はデイリー・テレグラフのジャン・モワル氏。スポーツ・ジャーナリスト賞はタブロイド紙ニューズ・オブ・ザ・ワールド紙のマーティン・サミュエル氏。
 
 政治風刺画賞はタイムズのピーター・ブルックス氏、そしてコラムニスト賞は、週刊誌「スペクテーター」の編集長でもあったボリス・ジョンソン氏。

 写真家賞は、2年連続で、ガーディアンのダン・チャン氏。〈以前、チャン氏に取材したことがあるので、一度この場で出したいと思っている。〉シンガポール系の英国人だ。

 そして、最後になったが、外国特派員賞が、タイムズのリチャード・ロイド・ペリー氏だった。氏は、日本では、秋の小泉首相へのインタビューをした記者、ということで覚えている方もいるのではないだろうか。パネルが評価したのは、戦後60年を記念して書かれた、長崎や広島の原爆に関する記事が、特に「感動を引き起こした」とされている。ロイド・ペリー氏は、17日付のタイムズの記事の中で、「アジアの報道が、欧州やアメリカに関する報道に比べて、薄い新聞もある。タイムズはアジアを真剣にかつ一貫して報道してきた」とコメントを残している。

 振り返ってみると、英高級紙の日本報道は、全体的に、地道に原稿を送っている特派員の仕事振りのおかげで、なかなかしっかりしたものになっているように思う。2005年も、思いつくままにあげると、デイリーテレグラフのコリン・ジョイス氏、ガーディアンのジャスティン・マッカリー氏、ファイナンシャルタイムズのデビッド・ピリング氏などの記事を楽しく読んだ。(名前が挙がっていないほかの記者―ロイド・ペリー氏も含めーは、たまたま個人的に強い記憶がないだけで、不満があるわけではない。)

 ただ、時々、?と思うものもある。それは、通常の特派員が書いているものではなく、日本を全く知らず知ろうともしないジャーナリストが、おそらく企業に招待されて日本に行き、旅行記などを書いたものなどに、私からすると、・・・と思ってしまうものがある。例えば、自分が滞在したホテル〈例えば新宿などの高層ホテル〉のことを延々と書かれると、困ったなあと思う。

 もう1つ、一般的にいって寂しいのは、これはよくテレビやラジオで見聞きすることだが、知識人・専門家・学者の間で、全く日本が眼中に入っていないことが分かるときだ。例えば、アジアの話になり、中国、韓国、シンガポール、と名前が挙がっていても、日本は想定に上らない時などだ。心理的に、香港までは近くても、日本となると、また一歩遠い。やや漠然とした言い方で恐縮であるが。微妙だが、こうしたケースに出くわすと、愕然としてしまう。
by polimediauk | 2005-12-28 00:05 | 新聞業界

クリスマス 英国の場合


強いプレッシャー

 「メディア」という話題からははずれるが、英国、クリスマス、と聞いて、漠然としたロマンチックなイメージをもたれると、英国の実態把握に片手落ちな気がしてならないので、クリスマスに関して書いてみたい。

 毎年、クリスマス前後になると、クリスマスショッピングをどうするか(「今からでも間に合うショッピング」など)、パニックにならずにクリスマス・ディナーを作るには?など、クリスマスがらみの報道が増えていく。中でも必ず紹介され、近年私自身が目に付くように思うのは、人間関係に焦点をあてた報道だ。

 家族や親戚同士で喧嘩をせずにクリスマス・ディナーを楽しむにはどうするか、相手の気分を害さないプレゼントを買うには?、などだが、その昔と比較すると核家族化が進み、離婚率も上昇し、再婚する人も増えているなかで、「祖父母や小さな子供たちなどの大家族が一堂に集まってクリスマスを祝う」、という形は減ってきているようだ。しかし、クリスマスとはキリストの生誕を祝う日であると同時に、「家族みんなで一緒に」「楽しく」集う機会である、という認識は変わらない。

 クリスマス時に、一人でテレビの前で座っていたり、家族と一緒に過ごさなかったり、いつも通りの日常生活をしているのは、どちらかというと、恥ずかしいこと、ダメなこと、という雰囲気がある。実際に普段と変わらない生活をしている人も多いとは思うのだが、「何かしら、楽しいこと、特別なことをする時期」=クリスマスと受け止められている。やや日本のお正月と意味合いが似ているかもしれない。

 家族や親戚といっても仲がいいとは限らず、再婚した場合は連れ子あるいは元の子供がどちらの親と一緒にクリスマスを過ごすかでもかなりの心理的闘いがある。デイリーテレグラフの22日付けの記事では、両親が離婚した子供が、離婚当時8歳で、過去10年間、25日は常に母親と母親の新しい夫とともにすごし、翌日は父親〈未だ独身〉と過ごしてきたというエピソードが紹介されいてる。離婚してしまった両親に、「クリスマスプレゼントは何がいいか?」と聞かれ、何年間も、「お父さんとお母さんに元に戻って欲しい」といい続けてきたという。毎年25日、母と新しい父と過ごすたびに、実の父親が寂しい一日を過ごしていることを知っているので、罪悪感を感じる、という。彼にとって、クリスマスは楽しい時期と言えるだろうか?25日は、家族が集まって過ごすもの、という認識が強いからこそ、罪悪感も大きいのだろう。

 一緒にいることができない家族の思いは複雑だ。一緒にいたくても、いられない場合もあるだろうし、逆に、家族の誰かしらに対して腹が立ち、あえて一緒にいないことを選択する場合もあろう。後者の場合、「クリスマスなのに、xxと一緒にいれない自分」を自覚することになる。これはこれで自分とどうやって折り合いをつけるか、が問題となる。「クリスマスなのに・・・」がポイントだ。親戚・家族だというだけで、趣味も興味も価値観も違うもの同士が、「クリスマスだから」ということで集まれば、対立・不和・涙・フラストレーションが起きないほうがおかしい。悲喜こもごものドラマはよくメディアでも紹介される。

 資金に余裕のある人は、海外でクリスマスを過ごす。国内にとどまっていれば、家族と和気あいあいのクリスマスを過ごすことを期待され、そうでなければ、フランスやカナダへスキー旅行、東南アジア(昨年の津波被害が起きたときも多くの英国人が休暇で訪れていた)に向かうなど、何か特別のことをしていなければならない。

 「楽しくなければ」「(そして)最高の形は祖父母を含んだ家族一緒で時を過ごす」――こうした一種の強迫観念が強い。結果的に、クリスマスはかなり精神的に疲れる時期でもある。日本人の私からすると、やや息苦しくも感じる。

 一方、キリストの生誕を祝う様々な教会のセレモニー、イベントも多い。ラジオ、テレビ、新聞にクリスマス色が強くなり、12月24日の夜中のミサ、25日の朝のミサも放送される様子を見たり聞いたりしていると、本当に英国はキリスト教の国だなあ、と思う。

 逆に言うと、もしキリスト教徒でなければ、いたたまれない時期ともいえる。

 クリスマス当日は、午後3時ごろの、エリザベス女王のスピーチをテレビで見て、一段落。女王が何を今年のスピーチで言ったかが、しばらく話題となる。
by polimediauk | 2005-12-25 22:41 | 新聞業界

テレグラフが移転


 デイリーテレグラフ、サンデー・テレグラフなどを出版するテレグラフ・グループが来年の夏ごろ、現在、ロンドン東部のカナリー・ワーフにあるオフィスから、ロンドン中心部バッキンガム・パレス・ロードにある、ビクトリア・プラザという建物に移転することになった。ビクトリア駅のすぐ近くだという。

 カナリー・ワーフは、官庁街のホワイト・ホール、議会があるウエストミンスター近辺からはやや離れた場所になるが、新オフィスからは、政治家やトップビジネスマン、官僚の取材に便利になる。デイリーテレグラフをはじめ、他のブロードシート紙もこの移転を好意的に受け止める報道をした。

 英国の主な新聞社、通信社はかつてロンドンのフリートストリートをベースにしており、新聞業界の代名詞にもなっていたようだ。しかし、1986年、サン紙やタイムズ紙を発行する会社ニュース・インターナショナルを所有するルパート・マードック氏が、新たな技術を導入した印刷工場をロンドン東部のワッピングに作り、タイムズが移転。新聞の低価格化の競争が続く中、テレグラフもさらに東部に向かい、低い賃貸料が魅力のウォーターフロント再開発地域・ドックランズに1987年に移転した。

 元ガーディアンのメディア・コラムニストで、現在はテレグラフのコラムニスト、ロイ・グリーンスレード氏によれば、1987年の移転当時、テレグラフのジャーナリスト達は、ロンドン中心部の現場に行くにはやや時間がかかるので、不本意ながら電話取材をせざるを得なかった場合が多々あったという。1991年には、ドッグランズの中心部カナリーワーフにあるワン・カナダ・スクエアというビルに移転し、現在に至っている。

 今後、テレグラフ・グループはテレグラフ・メディア・グループと名称を変え、オフィスも移転することで、心機一転を狙っているようだ。グループのチーフ・エグゼキュティブのマードック・マックレナン氏は、「新名称は、モダンで、競争力がある」ことを示し、テレグラフが「紙媒体からポッドキャスティング(11月から開始)までも手がける多様性のある」新聞であることを表すことができる、と22日付のテレグラフ紙で述べている。

 グリーンスレード氏によれば、ドッグランズに新聞社があるという事実を、テレグラフのジャーナリストたちは、今日まで好きになることができなかったのではないか、としている。ロンドンの中心部にオフィスが移ることで、興奮と明るい期待を持つだろうと書いている。こうした、一種の興奮、楽観主義は、ジャーナリストの特徴と言えると分析している

 気持ちの持ち様というのは重要で、心機一転で、編集部で働くスタッフの仕事振りに良い影響がある、というのはあたっているように思える。

 19日付のガーディアン紙によると、移転費用は700万ポンド(約14億円)。

 現在、テレグラフスタッフが、もしやや意気消沈気味であるとしたら、理由がある。前所有者が裁判沙汰に巻き込まれ、テレグラフグループの資金を個人的に流用していた、「盗んでいた」ことが段々明らかになりつつあるからだ。

 テレグラフ・グループは現在、不動産業などを中心に「バークレー帝国」を築き上げたバークレー兄弟が所有しているが、1987年のドックランズへの移転当時は、英上院議員ブラック卿が所有していた。ブラック卿は、グループの収益を私的目的のために悪用したとして、2003年11月にグループ親会社の米ホリンジャー・インターナショナル社(デラウエア州)が12億5千万ドルの支払いを求める訴訟をアメリカで起こしていた。ブラック卿は同社最高責任者の職を追われ、テレグラフグループの会長職を解任された。 

 2007年、ブラック卿は詐欺罪を含むいくつかの罪状の件で、米国の裁判所に出頭することになっている。ホリンジャー社の会長だった数年で、4700万ポンド(約95億円)を盗んだといわれている。
 
 テレグラフのビクトリア駅近辺への移転は、こうしたごたごたを一掃し、新しいステップを踏み始めたことを示すサインとして、受け止められるだろう、とガーディアン紙は予測している。
by polimediauk | 2005-12-22 21:07 | 新聞業界

そんなに急いで、一体どこへ?

 内閣府の規制改革・民間開放推進会議が、規制改革案の答申を21日、首相に提出した。http://www.kisei-kaikaku.go.jp/publication/

 この答申がどこまで忠実に規制改革推進計画に入ることになるのか、現時点では分からないが、新聞報道及びこの答申のPDFの該当頁を読むと、どことなく、あっさりと受信料の見直し(つまりは廃止)を提言しているようであることに、驚いている。NHKの方からは、早速反論が出ているようだが。

 ざっと見たところでは、「番組の編集の独立性を保つために」、企業や政府がお金を出すのでなく、視聴者が受信料という形で公共放送の運営を維持するべきだ、という論は見当たらなかった。だから悪い、という意味ではなく、英BBCの場合、やはり受信料(テレビライセンス料)を将来的にどうするか?という議論があるのだが、受信料の大きな存在理由の1つが、「編集の独立性」だからだ。

 NHKの場合、現時点での印象として、政府側及びこの答申を書いた推進会議の中で、あるいは日本全体の中でかもしれないが、「民営化=良いこと」、「見たい人が視聴料を払う=市場原理にかなっている」、「ビジネス、競争、市場原理=良いこと」という暗黙の了解か、願望があるような気がする。

 逆に、英国の場合、BBCの将来を話すときに、「民営化=悪い影響があるかもしれない動き」、「市場原理=コマーシャリズムに走る恐れ」、という暗黙の了解があるように思う。公共放送はどうあるべきか?という問いが常に議論の底にある。

 答申の中で言われている、放送業界の状況、公共放送としてのNHKの役割、受信料制度の抱える問題など、殆どが、英BBCの場合と重なる。(ただし、スキャンダルにより未払いが増えているということは、ないのだが。また、デジタル放送に完全にスイッチするのは、英国では2012年の予定。日本は2011年の7月という。PDF文書の中で、該当箇所を探すのに実はやや時間がかかった。ちなみに79ページから86ページ。)

 しかし、細かい状況、ニュアンスは日本にいないと分からないが、どうも、推進会議が、受信料問題をいとも簡単に片付けてしまおうとしている感じがひっかかる。「そんなに急いで、どこへ行きたいのか?」と思ってしまう。NHKいじめ、ということもあるのだろうか?

 以下は、若干の動き。

 
受信料制度の見直し検討 NHK経営で規制改革会議

 政府の規制改革・民間開放推進会議(議長・宮内義彦オリックス会長)は21日、NHKの受信料制度の見直しなど公共放送の在り方で2006年度早期に結論を出すことや、独立行政法人6法人の業務を、官民で受注を競う市場化テスト対象事業にすることを明記した答申をまとめ、小泉純一郎首相に提出した。
 22日の閣議で答申内容を各省庁が最大限尊重する方針を決め、3月末の規制改革・民間開放推進3カ年計画改定に反映させる。
 答申はNHKの受信料不払いを「一時的現象と見るべきでなく、構造的な問題」と指摘。同会議はこれまでBSデジタル放送の有料化など受信料制度の見直しを強く求めてきた。しかし、竹中平蔵総務相の私的懇談会など、通信と放送の融合をめぐる議論が活発化してきたことから、具体的な実施時期などを明示しないことになった。(共同通信) - 12月21日21時43分


受信料制度に影響を懸念 NHKの原田放送総局長

 NHKの原田豊彦放送総局長は21日の定例会見で、受信料制度の見直しを求める規制改革・民間開放推進会議の答申内容に「受信料制度の在り方そのものに影響するのは具合が悪いと思う」と懸念を表明した。
 スクランブル化の導入については「分け隔てなく放送することや多様なソフトの提供が、公共放送の大きな使命。(スクランブル化は)ちょっと考え方が違っている」と現行制度の維持を強調。
 また原田総局長は「受信料制度の保障がなければ公共放送は持たない。経営計画で財政的な見通しを皆さんに示して、われわれがやるべきことをやっていく」と自主的な改革に意欲を示した。 (共同通信) - 12月21日20時24分更新


NHK有料化、来年度結論=受信料制度「構造的問題」-規制改革会議

 政府の規制改革・民間開放推進会議(議長・宮内義彦オリックス会長)は21日午後、規制改革に関する最終答申をまとめ、小泉純一郎首相に提出した。焦点のNHK改革では、受信料制度を「構造的に抱える問題」と指摘。地上波デジタル放送のスクランブル化(有料化)について「2006年度早期に一定の結論を得るべきだ」と導入の検討を求めた。
 答申を受け、NHK改革に関する政府・与党内の議論が本格化する。政府はこの問題の扱いを含め、来年3月に「規制改革・民間開放推進3カ年計画」を改定する方針だ。 (時事通信) - 12月21日19時0分更新


 もう1つ、やや前の記事になるが、事情が良く分かる。

 NHK揺らぐ公共性 改革論議本格化

竹中氏ら民営化も視野/民放連は有料化に反対
 受信料不払い増加をきっかけに噴き出したNHK改革の論議。公共放送のあり方をめぐり民営化を含めた経営形態の見直しを進めようとする政府・与党と、公共放送と民放という「二元体制の維持」を求めるNHK、民放の主張がくっきり分かれた。不払いが視聴者の三割に達した受信料制度の改革は待ったなしだが、あくまで公共放送を維持するのか、有料化から民営化への道を歩むのか。二十一日には政府の規制改革・民間開放推進会議が一部の有料化を求める答申を行うとみられ、論議は本格化する。(NHK問題取材班)
≪政府・与党≫
 「すでに受信料制度は破綻(はたん)している」
 今月六日に規制改革・民間開放推進会議議長の宮内義彦オリックス会長は、こう言い切った。
 答申では、BSデジタル放送について受信料を払った世帯だけが見られるスクランブル化を盛り込み、将来は地上デジタル放送にもスクランブルを拡大すべきだという考えを打ち出す方向だ。
 いわば、現行の受信料制度から、見たい人だけが支払う有料放送化に踏み出すことを求めている。
 また、竹中平蔵総務相も六日、「なぜNHKで不祥事がこんなに続いているのか。オープンに議論すべきだ」と、NHKの経営形態見直しなどを掲げた私的懇談会を設置する意向を表明。受信料制度をはじめ、組織のチェック態勢、さらには有料化や広告導入も論議の視野に入れているといい、「宮内氏との連携でNHKの民営化を推し進めようと考えているのでは」(NHK関係者)。
 政府の動きの一方で、自民党電気通信調査会の小委員会(委員長、片山虎之助元総務相)も絡んでくる。
 先の総選挙で郵政族議員の多くが党外に出たこともあり、片山元総務相は「政府・与党で論議する本格的な場はこの小委員会だ」と、その権威を強調する。
 小委員会では「スクランブル化は公共放送の性格をゆがめる」との意見が出るなど宮内・竹中路線を牽制(けんせい)する動きもあるが、「金融や郵政の改革で、官僚はもとより国会議員の動きも無視してきたのが小泉-竹中ライン。NHK改革でどれだけ官僚や議員に配慮するか」(ある民放事業者)と、小委員会の影響力に疑問を投げかける声もある。
 NHK改革では、小委員会が通常国会での放送法改正を、竹中総務相が政府の骨太方針への盛り込みをそれぞれ狙う。国会会期末と政府の骨太方針の閣議決定が重なる来年六月が大きなヤマとなるのは間違いない。
≪強い危機感≫
 こうした政府・与党の動きに、NHKや民放の危機感は強い。
 スクランブル化について、NHKの永井多恵子副会長は「スクランブルをかけた時点で、公共放送とは性格が異なってくる」と反論。スクランブル化や有料化がNHK離れを助長しかねないという不安も強く、現行の受信料制度を死守する方針を崩していない。
 また、スポンサーや視聴率を気にせずに番組制作ができることを“強み”に、伝統文化の継承などNHKならではの質の高い番組を生み出してきたことも事実だ。
 ただ、不払いが徴収対象の三割という現状が続けば、視聴者の不公平感が募り受信料制度が崩壊に追い込まれるとみており、NHKは簡易裁判所を通じた支払い督促などの法的措置という「最終手段」に来年度から踏み切る。
 あるNHK幹部は「視聴者の反発も考えられるが、受信料制度を維持するため『背水の陣』で臨む」と打ち明ける。
≪援護射撃≫
 民放も、NHK擁護に懸命だ。日本民間放送連盟の日枝久会長は「NHKの有料化は、豊かな放送文化を築いてきた公共放送と民間放送の二元体制を壊す」。TBSの井上弘社長も「スクランブル化を言うのは簡単だが、そう簡単に金を払って見るかということもあり、NHKの経営健全化に向けてのいい案とはいえない」と述べ、「共存共栄」を訴える。
 こうした民放側の支援の根底には、NHK民営化への恐れがある。子会社や関連団体を含めると約二万人を擁する巨大組織が民営化されれば、民放の経営が圧迫されることは確実だからだ。
 さらに平成二十三年に完全移行が予定されている地上デジタル放送の技術開発や中継所建設では、NHKの体力に頼っている現状もあり、「対岸の火事」では済まない事情もあるようだ。
(産経新聞) - 12月18日2時42分更

by polimediauk | 2005-12-22 03:33 | 放送業界

(大分時があいてしまい、申しわけありません。)

 雑感。

 キューバにある米グアンタナモ基地に拘束されていた人の証言のテープを聞いたり、自分のメモをまとめたりしているところなのだが、この作業が進むほどに、非常につらい家族の思いが伝わってくる。

 しかし、考えるほどに、メディアが報道しないことは意外と多く、一体これはどうしたことか、と思ってしまう。

 CIAの秘密収容所の件、拷問の件など、真否に関しての報道が続いているが、グアンタナモ基地に拘束され、戻ってきた人が、少なくとも英国には9人いる事実との関連付けがあまりなされていないように思う。

 全員が、何の容疑もないままに最長では4年近く拘束され、今年頭までに全員が釈放された。英国に帰ってから、すぐ警察などに取調べを受けたものの、即時あるいは2,3日後は無罪釈放となっている。

 新聞や雑誌を通じて、9人は、それぞれに拷問を含めた尋問を受けたと話している。9人が初めて一堂に会した11月のアムネスティー主催のイベントでも、体験を語った。

 「秘密」ではないかもしれないが、実際に、拷問・尋問を受けるために米国以外の収容所に飛ばされたのが、この9人で、いわば生き証人だ。釈放されたのは他の国籍の人もいるので、生き証人がもっといることにもなる。

 無罪なのに、疑いをかけられ、拷問を含めた尋問を受け、何の謝罪も、補償金の支払いもなく、英国に戻されて、月日が経っていることになる。

 英政府もメディアも、こうしたことの成り行きに、道義的怒りというか、特に何もないようなのだ。もちろん、人権団体や、何人かの人々は、グアンタナモを批判する。しかし・・・。

 どうも、国民的な怒りのうねりが大きく存在していないことに、あっけにとられる思いがする。

 グアンタナモに捕まった人は、例え後で無実となっても、何らかの形でテロに関係のある人、と見られる・・と、元拘束者の家族らが証言している。本当にそうなのだろうか?これが盛り上がりに欠ける理由なのだろうか?

 一方、7月のロンドン爆破テロで、実行犯となった4人の男性の家族はどう思っているのだろう?愛情あふれる、普通の息子、父だったと家族は新聞などに語っているのだが。この4人の男性たちは、尋問されたら、爆破計画を話していただろうか?一旦「絶対に話さない」と決めた人の口を開かせるのは、並大抵ではない。

 全員が英国に住む、イスラム教徒の若い男性たちだった13人のうち、無実の9人が捕まり、実行犯4人はほぼ計画通りにテロを起こしてしまった、という皮肉ななりゆきとなった。
by polimediauk | 2005-12-21 08:37 | 英国事情

プライバシー

 先週、英国コメディー賞の受賞者の名前が発表されたが、テレビのコメディー部門でベスト男優に選ばれたクリス・ランガムという男性が、先月末頃、逮捕されていたことが分かった。容疑は確定していないものの、児童ポルノサイトの閲覧者を調査していた警察が、取調べを行った。取調べの後、一時保釈となっている。

 この一件はタブロイド紙デイリー・ミラーでスクープ報道された。デイリーミラーにあてた弁護士の手紙によると、ランガム氏は警察の取調べを受けたことを認めた。サイトを閲覧していたかどうかに関しては、言及していない。家族はこの件で打撃を受けており、プライバシーを尊重して欲しい、と訴えた。

 ランガム氏は56歳。2回結婚しており、合計で5人の子供がいる。

 私は、またか、と思ってしまった。ロックグループのWHOのギタリスト、ピート・タウンゼンド氏は、児童ポルノサイトを閲覧したということで、2003年、逮捕されている。タウンゼンド氏(当時57歳)はサイトを見たことを認めた。このサイトは、たまたま出くわすようなものではなく、見たい人がクレジットカードの番号を提供するなどして、登録してから見れるようになっているものだった。タウンゼンド氏は、「作品の調査のためにこのサイトを見ていた」と説明した。警察は、注意をしただけで、刑罰などはなかったが、英国には警察が管理する性犯罪者リストがあるので、これに名前が載ることになった。

 児童ポルノサイトの閲覧は、児童に対する性犯罪につながるケースが多く、英警察は常時監視を行っているようだ。

 日本だと、男性が小さな女の子に対して性的を含めた暴力行為を行う、というパターンが目に付くが、ここ英国では、初老の、中流かそれ以上の生活のステータスを持つ男性たちが、児童(特に男の子)を対象の性犯罪に関わるケースが目立つように思う。

 児童性犯罪者というレッテルが貼られると、社会的に相当のダメージを受ける。疑いがかかっただけでも、である。

 今回のランガム氏の件が、さらなる発展があるのかどうか、現時点では不明だが、17日付のインディペンデント紙は、スクープ報道をしたデイリーミラー紙を非難している。情報源は、逮捕した警察であることがほぼ確実である、として、まだ実際にランガム氏がサイトを閲覧していたかどうかなどがはっきりせずに、尋問を受けただけの段階であるにも関わらず、メディアに情報をリークした、と警察を責めた。プライバシーの侵害になる、としている。
by polimediauk | 2005-12-18 03:35 | 英国事情

 英時間で14日の午後10時30分から、BBCの夜の解説番組「ニューズナイト」が、「同盟国を裁判にかける」とする特集を放映する。

 イラク戦争にまつわる様々な論点(開戦が合法だったのかどうか、刑務所の虐待問題、秘密収容所など)も含め、テロの戦争で、米英がやってきたことを裁く、という特集のようだ。

 人権弁護士が「有罪」としての立場で話し、もう一人が、「有罪ではない」という立場からそれぞれの論を説明する。

 今、読者からのインプットをホームページを通じて募集している。

 この番組は、放送開始時間と同時にライブでオンライン上で見れるようになり、放送終了後も、24時間、同じ番組が見れるようになっている。(私が日本にいたとき、BBCの番組をオンラインで見ようとしたら、英国外なので、料金を払わなければならなかったように記憶しているが、今はまた事情が変わって、無料でも見れるかもしれない。)

 ためしに、今晩の放送分を見てみると、私のブロードバンドのスピードが十分に早くないせいかもしれないが、画面は、静止画面のコマ送りのようなもので、音声は普通に流れた。

 内容でおもしろい展開があれば、後で紹介したいと思う。

http://news.bbc.co.uk/1/hi/programmes/newsnight/default.stm
http://news.bbc.co.uk/1/hi/programmes/newsnight/4507010.stm

(追記:あまりにも展開が大急ぎで、「やっつけ」仕事的な番組になっていました・・・。)


 
by polimediauk | 2005-12-14 08:52 | イラク
 外出して、PCを開くとBBCオンラインや時事の以下の記事が出ていた。alfayoko2005さんからも教えていただいた。(早いですね!)

 恐ろしいことになったな、と思った。これからどんどんばれていくのだろうか?

CIA、欧州で拉致繰り広げる=調査報告

  【パリ13日】米中央情報局(CIA)の秘密収容所設置疑惑を調査している欧州会議の担当責任者は13日、CIAが欧州各地で拉致を繰り広げ、拘束した人々を不法に他国に連行している疑いがあることを明らかにした。

 CIA疑惑に関する欧州会議のディック・マーティ調査官が同会議人権委員会の会合で報告した。その報告によれば、欧州に秘密収容所を開設している疑いをもたれているCIAは欧州各地で人々を拉致し、弁護人をつけるなどの法的支援手続きを取ることなく、拉致した人たちを他国に移送しているもようだ。

 欧州会議は、人権や民主主義の強化に向けた国際機関で、CIA収容所疑惑の調査を進めている。〔AFP=時事〕

2005年12月14日00時26分

by polimediauk | 2005-12-14 01:57 | 政治とメディア

6,500通のメール

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  ロンドン郊外のヘメルヘムステッドというところにある、石油貯蔵所で、11日朝午前6時ごろ爆発による火災が発生。12日夜現在も火災は継続している。今後2-3日、あるいは1週間、燃え続けるといわれている。原因は、不明だ。

 ロンドン中心部からは約40キロ離れた地点での事故だが、爆発音は、ロンドン中心部でも聞こえたという。一説には、オランダでも聞こえた(!?)、と言われている。

 燃え盛る炎をテレビの画面を通して見ていたが、大地の上に大きな薄い層(灰色の綿のように見える、煙が集まったものか)のようなものが、できていった。

 時々、BBCでは、貯蔵所近くで撮った映像を流したが、ほとんどは市民が携帯やビデオで撮り、これをBBCに送った映像だった。中には、安全確保のために立ち入り禁止になったところへ、市民がわざわざ入り、撮って、送ったものもあった。BBCの場合、こうした映像は無料で提供されているようだ。テレビやBBCオンラインのサイトでも、目撃者からの映像、実話を募集するというテロップが頻繁に流れた。映像は貴重だが、危険な場所にわざわざ入って映像を撮った後で、事故などにあったら、どうするのだろう?複雑な思いで、画面を見ていた。

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 11日の一日だけで、現場中継をしたBBCニュース24(衛星放送の24時間ニュースのチャンネル)に、470万人の視聴者が集まったという。ライバルになるスカイ・ニュースの視聴者は410万だった。(あまり変わらない感じだが・・。もっと差がつくかと思ったが。)

 通常のチャンネルでは、BBC1という(NHK第一放送のような)チャンネルの旗艦ニュース番組「テン・オクロック・ニュース」(午後10時のニュース)を、600万人が見たという。

 BBCに対して、6500通のメールが届き、画像や体験談を送ってきたという。7月のロンドン爆破テロの際に、市民から送られたメールは1000通だったというから、その数倍にもなる(おそらく、この1000というのは、一日で、という意味だろう。)

 この数字は、BBCの広報部発表による。

http://www.bbc.co.uk/pressoffice/pressreleases/stories/2005/12_december/12/oil_depot.shtml

 もちろん知りたい情報ではあるし、助かったが、「BBCって、すごいでしょ」という感じが、どうもする・・・。事件のインパクトを国民に知らせることが重要、という判断だとは思うが・・。
by polimediauk | 2005-12-13 02:10 | 放送業界