小林恭子の英国メディア・ウオッチ ukmedia.exblog.jp

英国や欧州のメディア事情、政治・経済・社会の記事を書いています。新刊「英国公文書の世界史 一次資料の宝石箱」(中公新書ラクレ)には面白エピソードが一杯です。本のフェイスブック・ページは:https://www.facebook.com/eikokukobunsho/ 


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 日本滞在も後、数日を残すところとなった。以前よりはひんぱんに帰るようにはなったものの、最短でも半年に一度という頻度では、来るたびに浦島太郎的な思いをして、頭に疑問符がついたまま帰る・・・というパターンになっている。

 しかし、いわゆる定点観測というか、帰るたびに同じ場所=東京近辺を見ていると、ものすごい勢いで変わっている部分が目についてしまう。例えば単純な話だが、女性のファッション、男女の髪形がまずまるきり変わってしまう。みんな同じ格好をしているので、似通っているように見える。自分にも、周りから同様の格好をするように、というプレッシャーがかかる。

 書店に行くと、勉強本、本の読み方、情報の取得の仕方、いかに効率的に仕事をやるか、といった類の本がやたら多い。金融危機の本も多い。

 もっと、もっと、もっと今より効率的に仕事ができるようになって、もっと、もっとお金を稼ぎ・・・最後はどうなるのだろう?お金がもっとあったら、もっと、もっと、もっとモノを買うのだろうか?それは幸せなのだろうか。

 英国・イギリス本もやはりたくさん出ている。結局は最後にはほめているようなものが。その中でも、あまりにもほめているもの(家が素晴らしいとか、あるいはマナーがうんぬん、生き方がすごいなど)は、この人(たち)は想像の世界に生きているのかなと思ってしまう。一体、どういう人たちとつきあっているのだろう?

 それと、外国=米国(と北朝鮮、韓国、中国)という世界観があって、それに沿った本や雑誌の記事がこれまた多い感じがする。米国=世界そのものという本も結構多いー相変わらず。・・・といって、私も英国を通して世界や日本を見ているわけだし、もちろん、いろいろなことのほんの一部しか知らないのである。それでも、米国と日本を比べた数冊の本で、世界には米国以外の外国がないかのような発想で書かれているのを目にすると、さみしい感じがする。

―外国プレス協会の将来

 ところで、ロンドンにある外国プレス協会の存続があやうくなっている。今日、事務局からメールで手紙が来た。具体的には、今、ピカデリー・サーカス近くにある建物を事務所や会見場所、会合場所として使っているわけだが、賃貸料や維持費がかさむので、近い将来、ここから出ていかざるを得なくなった、ということ。

 この建物には19世紀の英首相、グラッドストーン氏がかつて住んでいた。重々しいドアをあけて入ると、大きならせん階段があって、上の部屋に進む。様々なパーティーや記者会見が開かれてきた。1946年からこの場所を外国記者クラブの根城にしてきたのだ。

 かつてはここで、官邸のブリーフィングも行われていた(主にブレア前首相の時代)。2003年のイラク戦争開戦前後は、在英イラク人がよく会見を開いていた。その中で、イラクで政治家になった人もたくさんいる。外国プレス協会の会長(プレジデント)には、日本の日経の記者の方が就任していたこともある。

 外国報道陣に対し、プレスカードを発行していたのもここだった。6月にカードの更新をしようと思っていた矢先だった。

 今、新たな活動場所を探しているところだが、当面は他のプレスクラブの場所を借りる可能性もある。それでも、協会独自の会見、会議、会合などの開催は極度に減りそうだ。

 さみしいし、ある意味では由々しき事態ではある。以前から資金繰りに苦労していたところへ、この不景気でダブルパンチになったのだろう。しかし、何事も永遠には続かないし、1つがダメになれば、また何か新しいものが生まれる機会にもなるのかもしれない、と思っている。

http://www.foreign-press.org.uk/




 

 
by polimediauk | 2009-05-28 22:56 | 英国事情
 東京の家でテレビを見ていると、画面の端に「アナログ」と表示されていて、これが消えない。アナログ放送であることを示すものだが、今使っているテレビは最近買ったものなので、2011年から完全デジタル化されるということを示すシールも貼られている。そして、時々、完全デジタル化となることを伝えるコマーシャルも、放送されている。

 アナログテレビを持つ人にとって、デジタルテレビを買うあるいはチューナーをすぐ買うようにというプレッシャーになりそうだ。さすが日本、というか、一斉にデジタルに進むよう、ありとあらゆる手段が講じられている。すごいなあ・・・と思うばかり。逆に考えると、こちら(テレビを見る人)の情報も通信の送り手にかなり掌握されていることになるのかな、と思ったりする。

***

 英国地方メディアに関する最近の記事の最終回(新聞協会報5月19日付掲載)である。


存続の危機―英地方メディア〈4〉放送㊦
ローカル番組を縮小 
 経営難でITV,BBCと動画で提携


 2012年の完全デジタル化移行を目前に、英放送業各局は生き残りに懸命だ。民放のチャンネル4は資金難を解決するため、BBCのテレビ受信料(約30億ポンド、約4307億円)の一部を共有したいと交渉したがBBC側から拒否された。現状維持では存続の危機に瀕するため、民放のファイブとの合併やBBCワールドワイドとの提携も検討中だ。

 民放最大手ITVは3月決算で赤字に転落し、六百人の人員と番組制作費の一割を削減すると発表した。株価はこの2年で80%下落した。

 全国各地の放送局の集合体というルーツを持つITVは、「公共放送」枠で、地域に根付いた番組や地方ニュースの重視を義務付けられているが、07年、放送・通信監督団体オフコムに対し、「公共放送の義務から解放されたい」として、地方ニュース提供の放棄あるいは大幅縮小を申し出た。しかし、公共放送信奉が強い英国識者の反感を買った。

 公共放送枠の維持の困難さは他の民放にも共通する。1月末、公共放送の新たな枠組みに関する報告書の中で、オフコムは各局の地方番組縮小案を支持した。縮小しなれば各局とも経営が行き詰まるのは明らかだった。

 ITVは今年から11の地方の制作拠点を9に整理・減少するほか、週に5時間20分の地方ニュースを4時間に、またロンドン以外での番組制作を全体の50%から35%に減少する予定だ。

 英国の地方ニュースのほとんどは、BBCまたはITVの系列局が放送しており、ITVの縮小計画は地方ニュース全体の縮小に直結する。ITVの穴を埋めることができる民放は見当たらない。

 そこで、BBCとITVは3月、地方支局の共有や、BBCが制作した動画をITVが使えるようにするなど、地方ニュース部門での提携に合意した。

 BBCはまた、自局ニュースサイトの動画を地方紙が自由に使えるようにし、人気が高いオンデマンド・サービス「アイプレイヤー」の技術を競合他社と共有できるようにする見込みだ。

 BBCが地方メディアでの存在感をこれまで以上に強めれば、多様な視点の提供という公共放送の目的の一つを脅かす危険性がある。オフコムは報告書の中で、地方ニュースを専門に提供する独立団体の設置を提言した。これはBBCの地方ニュース独占化を防ぐ一手ではあろう。(終わり)
by polimediauk | 2009-05-21 09:57 | 放送業界
 近くの図書館(都内)に行き、ある新聞に面白い記事があった。小さい囲み記事をコピーしようとしたら、申請(届け出?)書を書き込むように言われた。どの出版物の何ページから何ページをコピーするのかと名前を書きこむ。コピーをした後、随分厳しいように感じたけれども、図書館に数々の雑誌や新聞があり、やはりこれが売り上げを圧迫している、ということなのだろうか。著作権の問題もあるのだろう。知的所有権が守られていて良いのか、あるいは自由度が少ない(情報の流布を妨げる?)ということなのか、どちらか判別がつきにくかった。

                     ****

 アカデミー賞受賞の女優ケイト・ウィンスレットが、英語の発音と階級制度の深い結びつきを示唆する発言を、ある雑誌のインタビューで行った。熱い議論を巻き起こした発音と階級制度に注目した記事を、「英国ニュースダイジェスト」の5月14日号に書いた。以下はそれに若干足したものである。

 7年ほど英国に住んで、最も困惑するトピックの1つが、自分にとっては階級制度(と発音)だ。口を開くと、その人のバックグラウンドが分かってしまう。多分、私の見たところでは、英国で階級制度(が存在すること)を忘れている人はいない。階級制度に対する強い自意識は英国南部で特に強いかもしれない。


著名女優の発言で議論沸騰
 英語の発音と階級制度


―「良い英語を話すから」差別された、とウィンスレット

 今年の米アカデミー賞で主演女優賞と助演女優賞を受賞した、英女優ケイト・ウィンスレットが、先日、雑誌の取材の中で、周囲に中流階級と見なされることが多いと不満げに語った。そして、そう見られてしまう理由は「良い英語を話すから」と説明した。多くの英国人にとって、階級制度やこれと分かちがたく結びついている発音問題は大きな関心事で、テレグラフ紙(4月29日付)で紹介されると、「よくぞ言ってくれた。自分も迷惑していた」という支持派から、「巨額の収入がある女優ケイトは労働者階級じゃない」という批判派まで、多くのコメントがついた。

―オーディションでの差別

 雑誌「マリー・クレール」の取材に対し、ウィンスレットは自分が労働者階級だと人に言っても「信じてくれない。私が嘘を言っていると思ってしまう」と語っている。昔、あるオーディションに行ったところ、ウィンスレットのアクセントを聞いた監督は、出身地レディングの訛りがないので、ウィンスレットが嘘を言っていると決めつけた。「自分自身の人生に関して不誠実なあなたが仕事でも不誠実でないといいがね」と言われてしまった。当時10代のウィンスレットにとって相当に大きな衝撃だったのは想像に難くない。

 ウィンスレットによれば、俳優だった父は一家を支えるのに苦労し、俳優の仕事が見つけられない時は郵便配達人やトラックの運転手として働いた。クリスマスツリーを売っていたことあり、「父は何でもやった」。両親は子供たちに愛情を注いでくれたが、貧しい家庭だったという。海外での休暇など論外で、ウィンスレット自身が地元のドラマ・スクールに入れたのも、チャリティー団体の奨学金を利用して実現できたのだった(それでも、私の見るところ、こうした貧しさがあったので=中流階級ではない、という見方は通らない感じもするけれども。生活に苦労する中流階級の人はたくさんにいるので。また、英国の中流は日本のいわゆる「中流」とも違うようで、「ちょっと上」という意味合いもあるようだ。)

―階級制度と発音

 生まれ、教育程度、職業、富裕度など様々な要因から英社会はいくつかの社会的階層に分類できる。区分け方法には複数あり、「ナショナル・リーダーシップ・サーベイ」による、職業の種類でAからEに分類する方法や、業種をさらに細かく分けたONSによる8段階方式(下の説明を参照)などがある。一般的には、上流、中上流、中流、労働者階級、貧困層といったおおざっぱな分け方をすることが多い。

 それぞれの階級は英語の発音・アクセントの面でも分かれる。貴族、紳士階級、土地所有者などが相当する上級は最も裕福な層で、「RP」と一般的に呼ばれる標準英語(下の関連キーワード参照)や、それよりもさらに音節をはっきりさせた歯切れ良い発音を使う傾向がある。上・中級は上流の発音や生活様式を模倣しようとし、中流はRPを基本に多少地元のアクセントを入れて話す。ブルーカラーの仕事に就く労働者階級は地元ならではアクセントを生かした英語を話す。

 しかし、ここ数十年で、かつては主に中流家庭以上の出身者が占めていた大学進学が労働者階級出身者にも広がった。ブルーカラーの仕事を持つ両親の子供が大学に進学し、ホワイトカラーの仕事に就くといったことが珍しくなくなった。これによって人々の生活水準が上がると、教育程度、職種、富裕度で階級を定義づけすることが困難になっている。どんな発音・アクセントで英語を話すかでその人の階級や教育程度が現れてしまうのが常だったが、大学進学者の幅が広がると、地元のアクセントを残したままでも高学歴者である事態も生じてきた。発音と階級の結びつきがぼやけてきたのである。

 また、かつてはイングランド南部のエリート層の発音を元にしたRPを厳守してきたBBCのアナウンサー職に、地域のアクセントも含めた様々な発音をする人が入ってくるようになった(私がBBCのアナウンサーの1人に聞いたところによれば、こうした変化は1970年代から徐々に起きてきたという)。RP=模範とするべき発音、という見方も薄れてきたのである。

―なぜ労働者階級宣言をしたがるのか?

 それでも、標準発音やこれに近い発音をする人を一定の教育を受けた人物、あるいは中流階級(以上)の代名詞と見なす考え方は根強い。先のウィンスレットのオーディションの監督はまさにこういった考え方の持ち主だったと言えよう。

 今回の「私は労働者階級なのに」とする発言は女優の一種の欺瞞と見る人もいる。巨額を稼ぎ、著名映画監督を夫に持ち、英国と米国に家を持つウィンスレットは本当に、旧来の意味で労働者階級と言えるのだろうか、と。

 また、テレグラフの分析によれば(4月30日付)、俳優たちが労働者階級宣言をするのは、「労働者階級は地に足がつき、現実感があり」、経済活動を切り盛りし、「純粋、正直・・真実の具現」というイメージがあるからだという。労働者階級のルーツを忘れない俳優マイケル・ケインが他の俳優たちの間でうらやましがられるのはそのせいだ、と。

 同紙のコラムニストは、同日付別の記事で、ウィンスレットは英国の既存の階級制度の分類を超え、有名人というカテゴリーに入ったのだから、異なる階級同士で卑屈感や嫉妬を引き起こしてきた階級制度のじゅばくから自分を解放するべきと書いた。英社会に深く根付くアクセントと自意識の関係を一考させる話題である。

―関連キーワード: Received Pronunciation
直訳は「容認発音」。英国の伝統的な事実上の標準発音を指し、よくRPと略して呼ばれる。イングランド南部の教養ある階層の発音、英公共放送BBCのアナウンサーの発音(「BBC英語」)としても知られている。その元は19世紀、イングランドのパブリックスクールや大学で話されていたアクセントとされる。実際にこの発音で話すのは英社会全体の人口では2-3%だそうである。1920年代、BBCの初代理事長リース卿が英語には正しい話し方があるべきと考え、放送を通じてRPを広めようとした。現在までにRP自体及びBBC英語も変化を遂げているが、言語学者J.C.ウェルズ氏は外国人が英国で英語を学ぶ場合、RPをモデルとして学習するべきとしている。

―ケイト・ウィンスレットのプロフィール

1975年生まれの33歳。イングランド南部バークシャー州レディング生まれ。祖父母、両親、叔父、姉、妹も俳優。地元の演劇学校に通い、1994年「乙女の祈り」で映画デビュー。「タイタニック」(1997年)のヒロイン役で一気に知名度を高める。最新作「愛を読む人」(アカデミー助演女優賞)と(と夫の映画監督サム・メンデスが作った「レボリューショナリー・ロード」(同主演女優賞)でダブル受賞。前者作品ではドイツ人を演じ、役作りの一環として子供が寝る前にドイツ語訛りの英語で本を読んで聞かせ、「お母さん、それじゃ意味が分らない」と苦情が出たと報道された。上品なアクセントを使うコスチュームドラマに多く出演してきたせいもあって、中・上流階級出身者と見なされるそうで、不満を雑誌の取材で漏らす。


*アッパーな発音の代表者

エリザベス女王
俳優ローレンス・オリビエ
俳優ジョン・ギールガット
俳優・タレント、スティーブン・フライ
ロンドン市長ボリス・ジョンソン

*労働者階級アクセントを自負する著名人

政治家ジョン・プレスコット
俳優マイケル・ケイン
シェフ、ジェイミー・オリバー

*米国人アクセントでがんばる英国人
俳優ヒュー・ローリー(米ドラマ「ハウス」)

―階級の分類

(主にウキペディア英語を参考にしました。)
http://en.wikipedia.org/wiki/Social_structure_of_Britain

*20世紀を通じて採用されていた階級区分
(「ナショナル・リーダーシップ・サーベイ」による)

グレード:地位:職業
A:上・中流:高級管理職、専門職
B:中流:中間管理職、専門職
C1:下・中流:その下の管理職、専門職、ホワイトカラー職
C2:熟練した技術を持つ労働者階級:熟練した技術を持つブルーカラー職
D:労働者階級:ブルーカラー職
E:最も低い階級:低所得者、年金生活者ほか

*2001年以降、細分化された区分け(ONSによる)
グループ:職業:旧分類
1:高度の専門職、管理職:A
2:それより低い専門職、管理職:B
3:中間職:C1, C2
4:中小企業経営者、自営者:C1, C2
5:低度の監督業務、技術職:C1, C2
6:セミ・ルーティンの仕事:D
7:ルーティンの仕事:D
8:長期失業:E

ー階級の内訳と特徴
(以前の別記事での掲載の再掲載。英紙数紙の紹介を元に作成。実際には解釈が広いので、あくまで目安。)

上流: 貴族、紳士階級、土地所有者など。先祖代々の土地や資産を受け継ぎ、国内で最も裕福な層。BBCのアナウンサーなどが使う発音で英語を話し、パブリック・スクールで教育を受ける。狩猟、乗馬などを楽しむ。ビジネスを嫌悪する傾向も。

上・中流: 教育程度の高い家庭出身で自分自身も良い教育を受けた層。アッパークラスの発音や生活様式を模倣しようとする。弁護士、医者、軍隊幹部、学者、官僚、株式ブローカーなど。文化的リーダーシップを取る。

中・中級: 上の階級よりは教育程度がやや低いブルジョアジー。地元企業の経営者、大企業の中間管理職など。BBC英語に少々地元のアクセントを入れて話す場合もある。

下・中流: ホワイトカラーに従事するが、大学には行かなかった場合が多い。多少地元のアクセントが入った英語を話す。

労働者階級: 農業、鉱業、工場勤務者、ブルーカラーの仕事に就き、地元のアクセントの英語で話す。教育程度はあまり高くない。サッカーや大衆紙を好む層とされる。

貧困層:低所得者か社会保険を受給している層。

―ビジネスで好ましいと思うアクセントとは?

64%:特定の階級を想定させない中立なアクセント

―ビジネスで避けたいアクセント

86%:労働者階級のアクセント
49%:上流階級のアクセント

*ビジネスの成功の象徴と思うアクセント(地域別)

77%:イングランド南東部「ホーム・カウンティー」のアクセント
73% :米国人のアクセント
63% :スコットランド人のアクセント
25%:インド人あるいは他アジア系のアクセント

*成功していないことを象徴すると思われるアクセント

64%:リバプールのアクセント
63%:バーミンガムあるいはウェスト・ミッドランド地方のアクセント
52%;コックニーのアクセント
48%:イングランド南西部「ウェスト・カントリー」のアクセント

(資料:Aziz Corporationが企業の経営者を対象に調査。それぞれ複数回答。 2005年)
by polimediauk | 2009-05-17 10:58 | 英国事情
 英議員の「灰色」不正経費使いで、辞職・停職状態になる大物議員が相次いでいるようだ。

 最初にこのニュースを報道したテレグラフのサイトをのぞくと、トップ記事で扱っているほか、特集面を作り、ガンガンやっている。

http://www.telegraph.co.uk/news/newstopics/mps-expenses/

 ウェブサイトを使って特集をやると、ここまでできるのかと、ある意味感心してしまう。真ん中のコラムを使って、「灰色」経費の議員にインタビューした時のビデオを載せている。右側にはこれまでの経緯や経費情報のリストやQ&A。下の方には、トイレットペーパーや冷蔵庫の氷を作るケース、サンタのチョコレートなど、議員が経費として請求した分の変なものの写真が載っている。ちょっとおもしろい。

 どうやってテレグラフがこの情報を得たのか、何か非合法な手を使ったのではないか、という議論がどっかに吹っ飛んでしまうような勢いがある。編集長のウィル・ルイス氏は笑いが止まらないだろう。議員の経費問題はずっとくすぶっていた問題だし、いつもテレグラフを馬鹿にしているガーディアンの鼻をあかしたのだから。

 議員とカネの問題を頭を冷やして考えてみたいと思い、「エコノミスト」に行くと、文脈などのあれこれがよく分かる。

http://www.economist.com/world/britain/displaystory.cfm?story_id=13640193


 エコノミストは、これを機にいよいよ「議員の経費問題が改良される」と見る。多少なりともそうなるとすれば、テレグラフのスクープ報道は来年、いくつかのジャーナリズム賞を取ることにもなろう。

 不景気で、生活が苦しくなった国民の間で、不当に多額の経費を使っているように見える政治家への不信感はさらに強くなった。保守系テレグラフはこういう国民の心をつかむのがうまい。ややもすると、右派大衆紙デーリーメール的にもなってしまうのだが。

 新聞の将来については暗い話ばかりだが、紙とネットで報道合戦が続く英新聞界―数千キロ離れた日本から見ると、意外と元気があるように見える。燃え尽きる直前の、最後の花火という見方もできるけれどもー。
by polimediauk | 2009-05-14 23:36 | 政治とメディア
 BTが全従業員の約1割にあたる1万5000人を年内に削減することになった。昨年も1万5000人を削減していた。当初1万人削減の予定だったが、5000人増えた。

 http://news.bbc.co.uk/1/hi/business/8049276.stm

 削減分のほぼ全員は英国内の従業員との事。グローバル部門の不振が一因だそうだが、どこも厳しいなという感じがする。

 英国の新聞、放送業界も収入、予算、人員削減などの合理化の波にさらされている。削減はその企業のサバイバルのためと見なすことができるが、ひるがえって日本ではどうなのだろう?日本の新聞の一部の販売料金は大体どこも同じようで、「広告収入減・経営難のため値上げした」ということは近年あったのだろうか?

 新聞業界の台所事情が苦しくなっても、販売価格の値上げや(大幅)人員削減などがないと、一般の国民の側からすれば、大変さが伝わらないような気がする。

 英国の新聞はインディペンデント、ガーディアン、フィナンシャル・タイムズ(FT)などが近年値上げをしている。値上げによってインディペンデントは一時読者が減ったと聞くが、外から見ていて、なんだか分かりやすいなと思う。

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 このところ、日英で共通の地方メディアの危機に関して書いている。新聞協会報(5月12日付)掲載分に若干付け加えたのが以下である。今回は放送業界となる。

存続の危機―英地方メディア〈3〉
地方ニュース削減の英放送業界―多チャンネル化、広告収入減少で
 

 英国では、デジタル・テレビの普及率が2007年で80%を超えた。多チャンネル放送の普及による競争の激化と広告収入の減少で、放送各社は厳しい経営状態となっている。公共放送最大手BBCの運営資金となるテレビ受信料を他社と共有する案や、民放同士の合併案などが取りざたされている。民放最大手ITVは、大きな広告収入が期待できない地方ニュースの制作を今年から縮小した。地方制作の番組をもっと見たいという視聴者の要求は強いが、広告収入の穴を埋める新たな収入源が確保されない限り、地方の声は縮小するばかりだ。

―公共放送の伝統

 BBCによる公共放送の伝統が長い英国では、BBCのみならず民放のITV,チャンネル4(政府が所有するが広告で運営費をまかなう)、ファイブなどが、一定の時間あるいは本数の「ニュース、時事、事実に基づいた番組、児童番組、ドキュメンタリー」を「公共放送」(PSB)枠で放映することになっている。視聴率や広告収入が低いあるいは制作費が高額と見込まれる場合でも、社会全体に重要と思われる番組が制作・放映されるようにするためだ。しかし、メディア環境の激変でこうした体制の維持が困難になっている。

 デジタル技術の発展や進む多チャンネル化で個別のチェンネルの視聴率は相対的に低下している。上記4社の主力チャンネルの視聴者数シェアは01年で80・5%だったが、07年には70%を切り、今年3月には約60%となった(視聴率調査団体BARB調べ)。BBCの主力チャンネルBBC1とBBC2の合計では01年で38%が今年三月で28・5%に、ITVの主力ITV1は前者が26・8%、後者が18・1%。ネットで番組を見る人も増え、各社はオンデマンド・サービスや番組の放映と同時にネットでもストリーミング放送を実施している。ネットを通じた番組配信が日常化した。ネットが生み出す収入は失った広告収入を補うほどには成長していないが、それでもネットに投資せざるを得ない状況がある。(最終回4につづく)
by polimediauk | 2009-05-14 18:38 | 放送業界
 英下院議員が特別手当制度を利用して別宅にかかった費用などを「不当に?」請求していたとする報道が、毎日、過熱化しているようだ。すでにキャメロン野党保守党党首が「必要以上に請求していた人は、その分を返すように」とお達しを出した。返却に応じない議員は党追放もありうるというから、厳しいが、BBCの政治記者ニック・ロビンソンがブログで書くように、

http://www.bbc.co.uk/blogs/nickrobinson/2009/05/my_shirts_hairi.html

 労働党と保守党の「どっちがより清いか」の競争になっている。BBCの13日報道分によれば、政府閣僚の一人はこれまでで最大金額の返却を決めたそうだ。「不当請求」報道があったために、議員個人の評判がガタ落ちし、返さざるを得なくなった。

 今回の騒動前にも、最近、議員の経費請求に不当な分が含まれているとして問題になっていた。

 大きなニュースとなったのが、スミス内相(女性)の件で、不透明な別宅手当や、本人が不在時に夫がケーブルテレビで観たポルノ番組の代金10ポンドを必要経費として計上していたことが発覚した。スミス氏にとって非常に決まりの悪い展開となった。スミス氏の一件、および今回の「不正経費請求の議員リスト」(テレグラフが5月上旬スクープ掲載)には、何らかの勢力の暗躍が垣間見える思いがする。

 たとえばスミス内相の件だ。問題となったケーブルテレビだが、私も使っているバージンメディアのサービスだった。

 バージンメディアはブロードバンド放送やネットの使用、電話など広い意味の放送・通信サービスを提供している。自宅でチャンネルを選んで映画を見ると、よく月に送られてきた支払い請求書には、視聴料金が表記される。この映画視聴料金なり、通話料なりといった細かい数字は、ひとくくりの数字(その月の料金合計)の一部として、請求書の下の方あるいは次のページに表記される。

 通常、いわゆる電話料金も含めたケーブル料金を経費としてどこかに請求する時、この合計をそのまま出すのが普通ではないかと思う。例えば高熱費を経費としてもし請求した場合、政治活動に関係ない分を引くというよりは、合計額そのままを請求するだろうと思う。細かくどこからどこまでが政治活動かは判別しがたいし、そこまで細かくはやらない。

 実際、多くの議員の経費請求で、バージンメディアと契約している人は、そのままの合計額を請求しているのではないか。

 そこで、ビデオ視聴分に注目して、しかもそれがポルノであり、しかも妻である議員がいない時に視聴されたものであること・・・・こんなことに気付く人、これをメディアに報告する人は相当であると想像される。内務省でスミス氏に逆恨みをしている人か、あらさがしをしている保守党系シンパの人か?いずれの場合でも、新聞やテレビで大騒ぎになるには、誰かがこれを政治的に利用しようと思っているに違いないと私は思う。

―小切手ジャーナリズム?

 BBCによれば、今回のスクープ合戦の勃発前から、NGOなどによる情報公開請求に応じるため、下院内では議員経費の詳細を調査中・取りまとめ中だった。その結果は7月頃、発表予定だったと言われている。
 
 しかし、その前に、テレグラフ紙が何らかの形でこうした情報を得て、報道した。テレグラフはお金を払って情報を得たのかどうかを明らかにしていないようだ。

 もし情報提供者にお金を払ったのなら「小切手ジャーナリズム」となる(小切手、つまり金で情報を買う)のだろう。果たしてこれは由々しきことかどうか?

 おなじみのメディア評論家ロイ・グリーンスレード氏がガーディアン紙上のブログで述べたところによれば、情報をお金で買う小切手ジャーナリズムを高級紙がやることは珍しいそうである。(しかし、ニック・デイビーズ氏の「フラット・アース・ニュース」によると、そうでもない感じがするけれども。例えば特にサンデータイムズ、あるいは時にガーディアンが間接的に人にお金を払って小切手ジャーナリズムをする具体例が書かれている。)それでも、かつて高級紙がやった有名な例は、睡眠薬サリドマイド事件関連の情報だったという。これはサンデータイムズ紙である。

 今回のテレグラフのスクープだが、グリーンスレード氏によれば、情報を盗んだのであれば窃盗とも言える。また、誰かがリークしたのかもしれないし、見返りとしてお金を払った可能性もあるだろう。しかし、新聞は1つのビジネスでもあるという面から、一定の評価をしている。

http://www.guardian.co.uk/media/greenslade/2009/may/08/mps-expenses-dailytelegraph

http://www.guardian.co.uk/media/greenslade/2009/may/13/mps-expenses-dailytelegraph

 実際、テレグラフはこれで随分と売上を伸ばしたそうだ。 

ーイブニング・スタンダード

 ロシアの新興財閥アレグザンダー・レベジェフ氏が買収した夕刊紙「イブニング・スタンダード」が思い切った販促キャンペーンを展開している。その内容の紹介は「ニューズマグ」に書いたが、

http://www.newsmag-jp.com/archives/1225

 おもしろいのが、「ごめんなさい」シリーズ。「読者をみくびっていてごめんなさい」というような文句の入った広告を次々と電車やバス向けに出しているという。賛否両論あるようだが、何だか愉快である。
by polimediauk | 2009-05-13 23:43 | 政治とメディア
 テレグラフ紙が閣僚の経費に関わる情報が入ったリストを入手し、これを数日前から報道し、英メディアでは連日、政治とカネの問題が大きく取り上げられているようだ。テレグラフとガーディアンのサイトを見ても、報道合戦が続いている。英国にいる知人によれば、「毎日何かしらの暴露がある」。

 政治とカネ問題がクローズアップされる中で、一体どうやってテレグラフ紙がこのリストを入手したのか、入手時、情報の提供者にお金を払ったのかどうか(払ったとすればけしからんなど)に関しても議論が起きている。

 入手方法に関して特別な情報があるわけではないが、著名政治ブログに情報を出す人(金銭の支払いを要求したかどうかに関わらず)はたくさんいるようであるし、起きるべくして起きた感じもする。不景気で政治家のお金の使い方に不満を持つ人はたくさんいるから、どんな情報も「公益を満たす」と新聞が判断すれば、出せるし、部数も増やせる。
 
 今のところ、テレグラフ紙が情報提供者にかなりのお金を払ったという噂がある(ガーディアン紙など報道)。テレグラフ紙は富豪バークレー兄弟が所有者で、マルチメディア・ルームなど、かなりお金を投資してきた。お金のあるところが勝つのかな(部数を伸ばすという意味で)、とちらっと思ったりする。マードックしかり、である。

 最初、このニュースが大きく出たと聞いた時、「選挙戦が本格化しているな」と思った。保守党は今度の総選挙で勝つために、かなりの情報合戦をやっているのではないかと思う。「スピン(情報操作)はやめろ」と与党・労働党に言いながら、保守党は保守党でかなりやっている、と。もちろん、きれいごとではないのである。世論調査では保守党のリードが続いているが、まだまだどちらが勝つかは分らない。

 この件に関し後でも触れたいが、今日は、地方メディアに関して書いた記事(新聞協会報4月28日号掲載)に若干付け加えたものを出したい。地方メディアの危機は日本にもある。広告収入が減り、読者もネットに流れているしで、地方メディアは日英で苦しい状況にある。

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存続の危機―英地方メディア②
新聞(下):政府に異例の支援要請―広告出稿など提言 独立性を危ぶむ声も



 ジョンソン・プレス社のパリー元会長は2月26日付のフィナンシャル・タイムズ紙で「地方紙の凋落は広告収入の減少だけでなく、経営戦略の怠慢と、時代の変化を察知できなかった地方紙自体の責任でもある」と述べた。

 1990年代以降、好景気の英国では地方自治体の求人広告が地方紙に殺到し、住宅市場の拡大で不動産広告も急増した。この2つの市場がしぼみ始めた2007年、地方紙は「代わりになる収入源を考えていなかった」(パリー氏)。

 パリー氏はまた、①読者が新聞を毎日買う習慣をなくしている、②24時間更新されるウェブサイトでニュースを得ている、③より生活に密着したトピックを欲しているーといった環境の変化やニーズの変化に、「地方紙は気付かず、対応が遅れた」と指摘する。

 3月末、メディア編集団体ソサエティー・オブ・エディターズと地方新聞協会は、バーナム文化・メディア・スポーツ相に書簡を送り、国や自治体に対し、地方紙の本紙とサイトに広告を出すことなどを含む地方メディアへの支援策を提言した。

 独立独歩を信条とし、経営判断の結果を市場に任せることを慣例としてきた英新聞業界では異例の「政府頼み」だった。

ー「なくなっても構わない」か?

 4月8日ロンドン市内で開催された地方紙の将来をめぐるイベントで、イングランド地方南西部カンブリアのノースウェスト・イブニング・メール紙など、複数の地方紙の編集長だったサットン紙は「新聞の独立性に疑問が出る」と述べ、助成金という形での政府からの支援策には反対する姿勢を示した(筆者注:この点についてバーナム文化・メディア・スポーツ相は、政府による直接の財政支援は論外だとしている)。

 メディア評論家のグリーンスレード氏は、政府のプロパガンダ紙となる危険性はあるとしながらも、地方紙の発行停止で、地方自治体の議会の様子や裁判報道が消えた地域が複数あることを指摘し、政府による地方紙の支援は「1つの試みとして意義がある」と述べた。

 会場からは「地方紙がなくなっても構わないという人は多い」との指摘もあった。これに対してグリーンスレード氏は「たとえ少数でも重要な意見がある。地方紙は民主主義社会の基礎であり、その記事は社会の歴史の記録でもある」と答えた(続く:次回は放送業界)
by polimediauk | 2009-05-10 23:58 | 新聞業界

日本の性暴力ビデオ?

 今、日本に一時帰国している。「コンカツ」なる言葉の不可解さに驚く。随分と息苦しいことになっている。「『婚活』時代」(ディスカバー携書)は(読むと結構深い)、前提が「女性は男性の収入に頼って生きるもの」という考えだ。子供を産み育てるには結婚しかなく、よってどうやって結婚するかを分析し考えることで、少子化問題も解消される・・・とする。データがたくさん入っており、トレンドを掴んで書いているわけだが、こういう考え方は非常に息苦しい感じがする。

 どうにかして、結婚をあせらなくてもよい、子供があるかないかで人間としての価値を判断されず、過剰な催促もされない社会にできないものだろうか。

 結婚をしている人の多くが気づいているように、夫婦は持ちつ持たれつで、最初から相手に頼ることを念頭に置いて、「条件」を求めてしまうと・・・ずいぶんさみしいことである。

 ・・・なんてことを書いても、少数意見であることは認識している。未婚女性がメディア報道などに変にあおられていないことを、強く願う。

 ニューヨークに本拠地を持つ、「イクオリティーナウ」という国際人権団体が、日本のあるビデオゲームの日本国内での発売を求める抗議活動を始めたそうである。昨日のテレビのニュースで知り、今日の新聞で読んだ。

 読売によると、英国の国会で2月、問題になり、アマゾンが扱いを中止したそうだ。本日付の英国の新聞サイトを若干見てみたが、キーワード検索ではうまく探せなかった。グーグルニュースで探すと米国発が多いので、英国では現在の時点では大きく騒がれてはいないようだ。

http://news.yahoo.com/s/oneworld/20090507/wl_oneworld/world3625201241726596

 問題となっている日本のゲーム「RapeLay」(イルージョン・ソフトウェア社制作とある)のキーワードをBBCサイトに入れてみたら、特に見当たるものがなかった。「国会で問題になった」というのは、どういう流れだったのか、すぐにはわからないが、かねてより、日本を含め暴力的なビデオゲームに対する規制、警戒感が英国を含む欧州では強い。何年も前に、私自身、知人に「日本のビデオゲームでどうしてあんなに残酷なの」と聞かれ、答えに窮した。
 
 なんだか?と思ったのは読売記事ではゲーム会社の名前などが出ていなかった。ヤフー英語に出ていた記事では、「レープレイ」、「イルージョン・ソフトウェア」とあるのだが。「横浜市のゲームソフトメーカーが2006年に売り出した」とは書かれているけれど。

 私はゲームソフトに非常に疎いので、このレープレイが(多くの日本のゲーマーにとって)どれぐらいのレベルのもの(許容範囲かどうかなど)か、判断しがたい。読売記事によれば、内容は「未成年と見られる女子2人とその母親を電車内で痴漢した後にレイプし妊娠や中絶をさせるまでを、コンピューターグラフィックスを使った画像で疑似体験するという内容」だそうだ。

 一種のファンタジーとして「これはこれ」と考えるべきかどうなのか?

 普通に考えれば、「どうしてこういう題材を選んだのだろう」、「一体だれがこのようなトピックを遊びとして扱えるんだろう」?と思うけれど、自分の頭が保守的すぎるのだろうか?英国は未成年を対象とした性行為や暴力に関する規制が厳しい。許容範囲が狭い。児童ポルノの単純所持でもダメだ。(ビデオを見ていないので、これが児童ポルノかどうかはわからないが。)

 今はいろいろなものが世界中で販売されてしまうので、ある国ではOKでも他国では受けいれられなくなる。

 時々、英国で日本のビデオゲームの話が問題になることがあり、ひやっとする思いをすることがある。(記憶が定かではないが、1年ぐらい前に、どこかの教会の内部を、殺りく場面に使ったビデオゲームがあって、教会が抗議をしたという事件があったと思う。)

 日本では4月末、すでに報道済みだが

http://www.asahi.com/digital/pc/TKY200904260151.html

 コナミがイラクのファルージャの戦いをメインにしたビデオゲームの制作を中止させた、ということを書いたブログもあった(5日付)。

http://www.escapistmagazine.com/articles/view/columns/the-needles/6038-The-Six-Day-Surprise

 ゲームはアトミックゲームズというところが制作予定で、コナミが出版社(配給者ということだろうか、パブリシャーとなっていた)だったが、現在までに計画から引きあげることにした、という。コナミの引き上げの理由は、米国から制作に対する懸念が表明されたからのようだ。
 
 「イラク・ファルージャの戦い」とは、ウイキペディア日本語によれば、以下である。

イラク戦争以降の混乱

 ファルージャは、イラク戦争によりアメリカ軍の占領を受け、同盟軍による占領統治ではアメリカ海兵隊が治安維持を担当していた。

 2003年4月28日から、学校に米軍が駐留していることへの抗議デモが起こったが、これに対し米軍が発砲。多数の死傷者が出た。これを米軍側は武装したイラク人からの自衛だとしているが、市民側は投石をしていただけだと主張。

 2004年3月31日、ファルージャで活動中の民間警備会社の社員であるアメリカ合衆国の民間人4人が現地武装勢力に殺害され、遺体が市民によって損傷される事件が起こると、その残虐な映像が世界中に配信された(殺された彼等は、実際は民間人とはいえ、民間軍事会社:ブラックウォーター社の社員(傭兵)であり、彼らのような人間は皆イラク市民の視点からはアメリカ兵と同一視されている)。犠牲者の家族達は、危険な地域に行かせるのに装備が不十分だったと、ブラックウォーター社を告訴している。

 4月、アメリカ軍はその報復としてファルージャの包囲掃討作戦を実行し、武装勢力が潜んでいたとしてモスクを空爆するなどの大規模な攻撃と、都市の封鎖により多くのファルージャ市民が巻き添えになったとみられる。市内の惨状がマスメディアによって報じられると、世界で反米の機運が高まり、三日で作戦中止に追い込まれた。11日から13日の一時停戦までに住民・武装勢力の死者は600人を超え、アメリカ軍にも大きな被害が出た。


 この2004年の戦いを再現するはずのものだったようだ。これをトピックにしてゲームを作ろうとしていた・・・ひやりの瞬間である。
by polimediauk | 2009-05-08 21:52 | 日本関連