小林恭子の英国メディア・ウオッチ ukmedia.exblog.jp

英国や欧州のメディア事情、政治・経済・社会の記事を書いています。新刊「英国公文書の世界史 一次資料の宝石箱」(中公新書ラクレ)には面白エピソードが一杯です。本のフェイスブック・ページは:https://www.facebook.com/eikokukobunsho/ 


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 今年もだんだん押し迫ってきました。

 やや早いかもしれませんが、今年のエントリーはひとまず、終了いたします。

 こちら英国は雪で飛行機や電車が止まる、という大変な事態が数日続いておりました。今日あたりからややノーマルに戻りつつあります。

 通常ですと、多くの英国の人が24日のクリスマスイブから25日のクリスマス、26日のボクシングデー(プレゼントを開ける日ということですが、実際には25日にみんな開けています)というあわただしい日々を過ごします。今日明日は、プレゼントの準備やクリスマスの日の大食いのためにショッピングで大忙し!!その後は友人、知人の家に呼ばれたり、こちらに呼んだりしながらの数日後、31日の大晦日に突入します。ロンドン・アイに行ったり、その様子をテレビで見たりしながら「カウントダウン」。1月1日はゆっくり家で休み、2日ぐらいからは、それまでのお休み気分がどこへ行ったやら、あっという間に通常の業務に戻ってしまいます。

 今年は私にとっては、ツイッターの年でした。それほど熱心にやっているわけでもないのですが(!)、短い情報の発信には非常に便利です。そして、最大の醍醐味は、「情報やネットワーク、さまざま視点を得られたこと」-。発信よりも受信が一番の収穫でした。私自身が全く考えつかない情報や考えを持った人がたくさんいらして、たくさん目からうろこの体験をしました。

 もう一つ、ツイッターは「即時ニュースの発信」に本当にぴったりですね。例のウィキリークスのアサンジの逮捕までのニュースなど、一斉にみんなが情報を発信し、これをまわしていくので、一種のドキュメントがどんどんできていきます。

 これ以前にも、英メディアでしたら、チャンネル4の関係者のツイッター(複数アリ)、それとガーディアンの政治記者アンドリュー・スパローの「ライブ・ブログ」-これはブログサイト上にどんどん情報を載せてゆくーなど、ほかにもありますが、情報が早くておもしろい。他の意見がどんどん重ねられるところがいいですね。

 来年、日本でもフェースブックがかなり伸びるのではないかといわれています。私自身はフェースブックを含め、いくつかのSNSに入ってはいるのですが、ほとんどやっていません。私がフェースブックに心を燃やさないのは、おそらく、まず年代の問題があるように思います(年寄りすぎる)。

 でもーこれはあまり多くの人が日本では指摘していないことかも(?)しれませんが、あえてフェースブックをあまり使わない理由を挙げると、使ってみるとすぐ分かるのですが、「お金儲けのためのツールが多すぎる」こと。とにもかくにも「お金を使って欲しい」という誘いがたっくさんあって、なんだか、興ざめするのです。自分がマーケティングの材料に「のみ」使われている感じでー。もちろん、私が使っているグーグルメールだって、そのほかのサービス(ツイッターでさえも??)だって、私が無料でサービスを使えるのは、私が掲載されている広告を見たり、自分の個人情報をグーグル側に「売り渡している」からこそなのだということを、知ってはいるのですがー。あくまで、個人的見解ですので、気に入って使っている方、どうぞお気を悪くしないようにお願いいたします。人それぞれなのでー。

 それと、英国のMI5の長官が、海水パンツ一枚で浜辺で遊んでいる写真を奥様がフェースブックに掲載して、後で問題になったことがあったんですが、プライベートな写真などをどこまでフェースブックに出したらいいのかが、よく分からないのです。写真などを見れる人の範囲を狭めてしまうと、せっかくやっているのにつまらないだろうし、かといって、面白い写真を共有しないのはこれまたつまらないー。せっかくのSNSなので。

 それと(!ーまだありました)、「友人」だけを仲間にした場合、実際に会って話すとすごくいい奴なんだけど、フェースブックのメッセージだけ見ると、「あーあ・・・」的なことがあったりして、といって、「友人だから」はずすわけにもいかない、と。窮屈な場所になったりします。どうもそんなこんなで、フェースブックには今のところ(まだ)、あまり燃えていません。

 なので、とりあえず、ゆるいツイッターを気に入っています。フォローしてもいいし、しなくてもいいし、フォローをやめても別に相手は気づかないし、何もしなくてもいいー。

 みなさま、良いお年をお迎えください。

 来年は早々から、ウィキリークス他、またいろいろドンドン出して行きたいと思っております。

 

 
 


 
by polimediauk | 2010-12-23 07:11 | ネット業界
 スウェーデンでの性犯罪の容疑者として、ロンドンの刑務所に留置されたままのウィキリークスの代表者ジュリアン・アサンジ氏。14日、治安裁判所は条件付で保釈申請を認めたものの、スウェーデン検察側が抗告し、同日の釈放は実現しなかった。この後、高裁が48時間以内に(16日までに)双方から意見聴取する見込みで、この間、アサンジ氏は拘束されたままになる。

 スウェーデン検察側はスウェーデンへのアサンジ氏の移送を要求しているが、どうなるだろう。共同通信の報道によれば、「弁護側は移送を阻むためにあらゆる法的手段を取る構えで、移送をめぐる最終的な決着には1年かかるとの見方も出ている」。
 
 昨日14日は、アサンジ氏の身柄がどうなるのかでこちらのニュースは持ちきりで、今朝15日も、アサンジ氏の顔が大きく載った1面を高級紙インディぺンデント、タイムズなどが作った。

 あと2,3日は特に、アサンジ氏がニュースの中心になるだろうが、「今後、中期的にどうなるのか?」に関心が行く。
 
 というのも、最終的には何らかの「落としどころ」が必要であろうと考えるからだ。アサンジ氏のみに注目が集まるのはウィキリークス本来の目的から離れるであろうし。
 
 米国の外交及び軍事機密情報の暴露はそれなりに意味があるが、ほかにも世界中にはたくさん憂うべきことが起きているー不正なこと、違法なこと、人権侵害がたくさん起きている(もちろん、「米国の外交公電や軍隊の行動=違法、不正」と言っているのでは全くない)。
 
 一連の外交公電や軍事機密の暴露で、情報の漏洩者はマニング米兵であったことがほぼ事実化しているが、一兵士がさまざまな軍事機密にアクセスでき、これを簡単に取得して漏洩できる状態であった米国の情報体制は、これまでにも批判の対象になってきた。

 9・11の米国同時テロの後、機密情報の一元化が進み、「200万人から300万人規模の米軍や政府関係者がアクセスできるようにしたことが問題」(元駐米大使のクリストファー・マイヤーズ氏、BBCの番組で)、「米国の情報管理体制こそ、大問題だ」(オーストラリアのラッド外相、BBCの取材に対し)など。

 こうした情報体制はすでに見直しが進み、変化しているとは思うけれども、米政府としても、いつまでもいつまでもアサンジ氏をターゲットにしているわけにもいかないのではないかー?さまざまな圧力をかけてアサンジ氏を追うと、逆に、「アサンジ氏=報道の自由を推進するヒーロー」というファンが広がってしまう。
 
 米ウオール・ストリート・ジャーナルによると、「米タイム誌のパーソン・オブ・ザ・イヤー読者投票でアサンジ氏がトップ」という記事が出ていた。(アドレスを入れようとしたらものすごく長くなってしまったので、できればグーグルしていただきたい。)

 
最初の段落の引用「米ニュース雑誌タイム誌の年末恒例「パーソン・オブ・ザ・イヤー」の読者投票で、ウィキリークス創設者ジュリアン・アサンジ氏がトップになった。約125万票のうちの38万票を獲得。毀誉褒貶(きよほうへん)は激しいが、彼が世界の度胆を抜いたのは確か。読者投票が行われた時期が、あの大騒ぎの直後だったことからしても彼の1位に違和感はない。日本絡みでも、米国が日本と共同開発したミサイル・システムを海外で売却するため、日本の武器輸出三原則の緩和を求めた在日米大使館の公電など日米や日韓関係に影響の懸念される資料が多数明らかになっている。ちなみにタイムの編集者が選ぶ本当のパーソン・オブ・ザ・イヤーは15日に発表されるそうだ。」
 

 ・・・とこういう展開になってしまう。

 何とか、折衷案というか、歩み寄り案はでないものだろうか?ツイッターでも紹介したが、フィナンシャル・タイムズ(日本語)は、米政府に対し、アサンジ氏に勲章を授けるべきだとさえ言っているのだ。アサンジ氏(ウィキリークス)と米政府、歩み寄ったほうが「報道の自由」は広がると思う。

米国はアサンジ氏に勲章を授けるべきだ

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/5066


(*注:ジュリアン・アサンジ氏は性犯罪をめぐっては「容疑者」ですが、ここではウィキリークスの情報公開の話として、「アサンジ氏」と表記してあります。)
by polimediauk | 2010-12-16 02:10 | ウィキリークス

アサンジ氏、保釈されず

 ロンドンの裁判所は、14日、告白サイト「ウィキリークス」の代表者ジュリアン・アサンジ氏に対し保釈の決定を出したが、スウェーデン当局が決定の取り消しを求め、留置場に戻った。

 アサンジ氏は、高等法院が保釈を認める決定を下し、保釈金が治安裁判所に納められるまでは保釈されない模様だ。

 BBCテレビの「ニューズナイト」に出演した米映画監督マイケル・ムーア氏は、「今回のアサンジ氏の拘束(性犯罪容疑)とウィキリークスによる一連のリーク行為は関係ないって?冗談でしょう?」とBBCの司会者に向かって述べた。「コンドームが破れて性行為を行ったというのは、英国では犯罪にもならないぐらいでしょう。それなのに、アサンジが今、留置場にいるわけですよ」と述べ、拘束されていること自体が、英国の恥をさらしているようなものだと示唆した。
by polimediauk | 2010-12-15 08:08 | ウィキリークス
 (後、検察側が保釈決定に対し不服申し入れをし、14日には保釈されず。以下はその前の話です)

 ウィキリークスの創始者ジュリアン・アサンジ氏は、ここ1週間ほど、ロンドンの刑務所に拘束されてきたが、本日14日、裁判官が保釈を認めたようである。この後、検察側が高裁に不服を申し入れ、これが認められたら、保釈されない可能性もある。

 今回は、裁判所内からのツイートが認められ、裁判の過程の一部始終をガーディアンやBBCなどが報じた。

 今、動きが激しいため、ツイッターを中心に情報発信しております。

 もしよろしかったら、(アットマーク)ginkokobayashiをフォローください(日本語)。英語はアットマークginkotweetです。ツイッターを利用すると、私のツイートを見るだけでなく、他のたくさんの人(もっと情報を持っていたり、さまざまな視点を持つ人)の声が同時に読めるので便利です。

 それと、少々気になったことを書いておきます。

 *公的機密情報がどんどん暴露されることへの不安感・懸念=これを時々、つぶやかれる方がいらっしゃいます。ブログで意見を書かれる方も。しかし、決して、「なんでもドンドン、暴露」というのではなく、目的(公益)があって、機密情報を出しているという、いわゆる「公益のための告発行為」として、私はウィキリークスを受け止めています。
*公的機密情報を暴露することは、違法です。しかし、「公益のためにあえて」という部分に、大きな意味があると思います。
*この点を了解するかしないかで、ウィキリークス(や他の同様の告発行為)の善悪の判断が変わってくると思います。「公益のための告発」=社会にとって善である=という点を、了解するかしないかー。もしこの点自体を懐疑の対象とするのであれば、議論がある意味成り立たないというか、話の前提が変わってきます。この部分で悩んでいる議論が、日本語では多いような気がするのですが、いかがでしょうか。(だから悪いとか、遅れているという意味ではありませんがー。)
*それと、公的情報を「原則、すべて国民が知るべきものである」と考えるか、「何を公開して、何を公開しないかは、役人や政治家が決めるものだ」「私たち国民は役人や政治家に、その判断をゆだねているから」と考えるか、考えないかー。私は、公的情報は原則、すべて国民が知るべきものだと思っています。役人や政治家が何を公開するかしないかを決めているのは、あくまで便宜的に、国民のためにしているだけであって、国民の方で「その情報は出すべきだから、出して欲しい」といわれたら、さっさと出すべきであるし、そんなリクエストが来る前に、さっさと出しているべきだと思っています。もしどうしても、どうしても公にはできない情報があるなら、その理由をしっかりと国民に伝えるべきだし、その理由は誰もが納得できるほど、十分にしっかりした理由がなければならないと思っています。

・・・なんだか、長くなりました!!!かつ、とても息巻いて書いてしまいましたが、要するに、「空気みたいに普通のこと」だと思うのですが、なんだかそうでもないようなので、あえて、書きました。
by polimediauk | 2010-12-15 02:02 | ウィキリークス
 日刊ベリタで、村上良太さん(映像ジャーナリスト)が書かれた記事が目に留まった。

ウィキリークスとイランのミサイル技術 (無料記事)
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201012041809496

 ウィキリークスが出した外交公電情報をもとにした、11月30日付(サイトでは29日)のニューヨークタイムズ記事が(なぜNYTと私が書くのかは、後で紹介する記事を参照のこと)、イランが北朝鮮からのミサイルを入手し、その射程は欧州に届く・・・・といった内容であったらしいのだが、この記事のもとになった外交公電そのものがミス(故意のリーク)であったようだ。NYTはだまされて(?)しまったようである。しかし、その後、「いや、そうではないのではないか」ということで、12月3日以降、これを直した記事を出している。

 村上さんの記事には「インターナショナルヘラルドトリビューンの記事が」とあるが、IHIはNTYの日曜版であるし、NYTサイトに行ってみると、同様の記事が出ているので、とりあえず、NYTがとして、話を進めてみる。

 村上さんの記事を読む前に、若干、関連記事をあげておくと、

Iran Fortifies Its Arsenal With the Aid of North
(11月29日付、NYTサイト)
Koreahttp://www.nytimes.com/2010/11/29/world/middleeast/29missiles.html

NYT: Iran fortifies its arsenal with the aid of North Korea
http://www.focus-fen.net/?id=n236204

NYT Takes US Side in Iran Missile Flap
http://www.consortiumnews.com/2010/113010b.html

Wider Window Into Iran’s Missile Capabilities Offers a Murkier View
(12月3日付、NYTサイト)
http://www.nytimes.com/2010/12/03/world/middleeast/03wikileaks-missile.html

 私は上記の英語記事をさっと読んだが、まだ詳しく見ていない。

 詳細は少しわきにおいておくとしても、村上さんの記事の最後の部分が気になる。

  「イラク戦争前にも大量破壊兵器の有無を巡って議論が戦わされた。そして、新聞を使ったリークが行われた。サダム・フセインとアルカイダとの関係性を匂わす記事である。その手法は情報部員や政府要人からのリークだった。」(小林注:ここは主に米メディアを指していらっしゃるのだろうと思うがー。)

  「リーク情報には注意が必要である。今後はリークされることを計算に入れて公電が打たれることもあるだろう。」
by polimediauk | 2010-12-04 19:31 | ウィキリークス
 皆さんご存知とは思うが、ガーディアンのサイト上で、ウィキリークスのジュリアン・アサンジ氏が読者からの質問に答えた。

 http://www.guardian.co.uk/world/blog/2010/dec/03/julian-assange-wikileaks

 残念ながら、訳すと時間がかかるので+長い訳がほかで出るかもしれないので、とりあえず、時事通信の紹介記事をあげておきたい。 

 リーク情報の掲載継続を表明=英紙サイトに「生出演」-アサンジ氏
 http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2010120400079

 時事の中でも紹介されているが、記事の最後のほうで、ウィキリークスに何かがあった場合、「未公表情報の主要部分が自動的に明らかにされる手はずになっている」という部分に、どきりとした。

 アサンジ氏が今、英国にいるのは確実のようだ。ガーディアンのもう1つの記事を見ると、弁護士の話が出ている。
http://www.guardian.co.uk/media/2010/dec/03/julian-assange-live-online-answers

 これによると、ロンドン警視庁はアサンジ氏の弁護士のコンタクト情報を持っており、アサンジ氏に連絡したければ、いつでも連絡できる状態だという。ただ、今のところ(3日の時点)、警視庁は逮捕他の理由でアサンジ氏側やガーディアンに連絡を取っていない。

 一方、ラジオ(BBCラジオ4、午後10時のニュース解説)では、アサンジ氏の逮捕は「週末にあり得るかも」としている。

 今週のBBCの「ニューズナイト」(テレビ)をBBCアイプレイヤー(見逃し番組視聴サービス)でざっと見たが、今回のリーク報道の影響は「あまりたいしたことがない」という意見と、「国によっては影響がある」という声があった。「いずれにしても、外交関係は変わらない」「ただし、対イラン政策は変わるかも」など。

 BBCラジオ4では、エコノミストのジャーナリストが出ていて、ドイツの外交官が辞任したらしく、「多大な影響が出てきた」と解説。ニューヨークタイムズの編集長も出てきて、アサンジ評を求められていた。アサンジ氏を「反米だ」と述べていた。それで、ある人が、反米ではない告発サイトを始める、という話も(これはどっかの新聞ですでに読んだが)。

 実際に、アサンジ氏を逮捕する・処罰するかどうかに関しては、編集長は「米国内で意見が分かれている」と言っていた。何らかの処罰をするべきというグループと、もう一つのグループはこれに徹底的に反対するグループと。後者はおそらく、報道や言論の自由の観点から反対しているのだろうと想像した。

 さて、英国で逮捕はあり得るだろうか?

 

 
by polimediauk | 2010-12-04 08:11 | ウィキリークス
 見逃した番組を無料で視聴できるBBCのアイプレイヤーは大変な人気である。多くの人の生活の一部になっていると思う。私も非常に重宝しているが、今度、これの海外版が出ることになった。

http://paidcontent.co.uk/article/419-bbc-plans-subscription-only-u.s.-iplayer-on-ipad/

 ただし、海外版は有料サービスで、はじめは米国である。また、使える機器はアイパッドのみ。こちらでは大人気の「ドクター・フー」などの番組を提供して収入をあげることを狙っている。
 
 アイプレイヤーは英国で最も人気がある動画サービスで、10月には1億3900万回の視聴リクエストがあったという。

 北米では動画サービス、フールーが人気(ちなみにリクエストは2億6000万回―複数の放送局の番組を提供)だ。

 ペイドコンテンツの調べによれば、BBCの番組だったらお金を払っても視聴したいという人が海外にたくさんいるという。在外英国人のみではなく、いわゆる現地の人もそうだという。だとすれば、BBCにとっての新たな収入源として、大きな期待がかかる分野である。(日本でもそのうち、利用できるようになればいいなと思う。)

 一方、BBCに加え、ITV,チャンネル4などの民放が協力して、動画サービス「ユー・ビュー」を来年から開始するが(現在はそれぞれのサービスが個別に提供されているので、これを一体化する。ただし、個々のサービスが消えるわけではない)、これに加入していない有料ケーブル・サービスのバージン・メディアが、新たにネット・テレビを売り出すサービスを、年末から年明けにかけて、開始する予定だ。これはいわゆるグーグルテレビ、アップルテレビに対抗するような、単にテレビの番組を見れるだけではなく、インターネットも使える、という代物。当初、テレビの機器代を190ポンドぐらい(約2万5000円)払うが、毎月の支払いは、すでに契約をして月間の料金を払っていれば、追加料金として3ポンドぐらいを払う仕組みだ。
 
 今年までに、見逃し番組の再視聴や録画が次第に浸透してきたが、来年からは、ネットが使えるテレビの競争がどんどん起きそうだ。
by polimediauk | 2010-12-03 19:00 | 放送業界
(NYTに関する、私の「疑惑の目」に関しては、前のエントリーにコメントを残してくださった、nofrillsさんの情報インプットをご覧ください。これで原則、一度に謎が解けるはずです。そして答えは、「やっぱり、NYT、君はおかしくなってるぞ」なのです。あまりにも謎がすっと解けてしまうので、私が今日書いた「古い」エントリーの前につけておきます。)

Commented by nofrills at 2010-12-01 23:23 x
「ガーディアンを通じてNYTに情報が渡った・・・という話」:
http://bit.ly/gbMK9y (11月28日付、米Yahoo NewsのThe Cutlineというコーナーが、ガーディアンのデイヴィッド・リー記者に取材)

「ウィキリークス(WL)とニューヨークタイムズの関係が、何らかの意味でこじれている」:
http://www.thedailybeast.com/beltway-beast/julian-assange-vs-the-new-york-times/
http://www.salon.com/news/opinion/glenn_greenwald/2010/10/27/burns/index.html
……などなど、うんざりするほどたくさんのゴシップのような記事があると思います。

 あと、ガーディアンは編集長が直接読者の質問を受け付けています。質問の数が多く、一度に回答できる量ではないので、少しずつ回答して今3日目かな。URLが長いので短縮しましたが、下記です。
http://url.ie/8c4x

Commented by nofrills at 2010-12-01 23:24 x

 NYTは、自力で入手することができなかったファイルをガーディアンから受け取って、その内容を事前に米国政府側に伝えていました。そのことだけでも、報道機関が保つべきスタンスを逸脱しているとして非難され、例えば消費者からはボイコットされても当然だと思います。

[quote]
NYT briefed the Whitehouse on Monday over Embassy Files: Now we see every tinpot dictator in the world briefed prior to release.
http://twitter.com/wikileaks/status/7945714118172672
2010-11-26 08:56:20
[/quote]
(nofrillsさんのインプット、終わり。)

****

 米ニューヨーク・タイムズ(NYT)は11月末から公開されている米外交公電の元データを、告発サイト「ウィキリークス」から直接受け取っていないのではないかー?「公表前には受け取っていなかった」「直接は受け取っていなかった」-そんなコメントが、どうも気になった。だとしたら、リークを行ったとされる米兵に、どことなく厳しいようであることの説明がつくからだった。

 今朝2日の時点までに、すでに日本語でも同様の点(NYTが直接受け取っていない)を指摘した報道がいくつか出ていた。

ウィキリークス情報で“暗闘”する米メディア
http://sankei.jp.msn.com/world/america/101202/amr1012021833012-n1.htm

 「ニューヨーク・タイムズ紙側は、以前からウィキリークスの機密文書公開に際し協力関係にあった英紙ガーディアンから、公電を入手し掲載に踏み切った。」

 また米ワシントン・ポスト紙にも、11月29日で同様の主旨の記事が出ていた。
WikiLeaks spurned New York Times, but Guardian leaked State Department cables
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2010/11/29/AR2010112905421.html

 なぜ、ウィキリークスは、NYTに直接データを渡さなかったのだろう?

 産経が聞いたところによれば、

 「ワシントン・ポスト紙によると、ウィキリークスが今回、ニューヨーク・タイムズに情報を事前に提供しなかったのは、同紙が10月、ウィキリークスの創始者で編集長のジュリアン・アサーンジ氏に批判的な記事を掲載したためとみられ、ウィキリークス側の“報復”との観測もある。」(小林注:この中で、「事前に提供しなかった」とあるが、その意味は「ウィキリークスが」であって、ガーディアンが公表時のはるか前にNYTに情報をあげていたことになる。)

 ワシントン・ポストの記事のほうには、NYTのビル・ケラー編集長の話が出ている。編集長は、なぜ今回(イラクやアフガニスタンに関わるリークのときは協力した)ウィキリークスが、NYTに情報を直接渡さなかったかを聞くと、「はっきりしない」と答えている。
 
 しかし、ケラー編集長が推測では、産経が書いたように、NYTが10月に出した、ウィキリークスの創始者ジュリアン・アサンジ氏のプロフィール記事がアサンジ氏にとって厳しい内容であったためでないか、と述べている。

 NYTはまた、8月、マニング兵(リークの本人とされる)に関しても、厳しい記事を出したという。マニング氏を「自称ドラッグ・クイーン」と関係を持っていたことや、10代の頃、同級生がマニング氏のことを「おタクで・・・同性愛者」として馬鹿にした、と書いたという。

 やっぱりなあ、と私は思った。ここでまた、ジグソー・パズルの新しい一片が見つかったような気がした。
 
 別に、ドラッグ・クイーンと関係を持ったこと、おタクで、かつ同性愛者であるとして馬鹿にされたことが嘘・フィクションだと言っているのではない。また、こうした言葉遣いそのものが「ひどすぎる」と思っているわけではない。また、アサンジのプロフィール記事は良いことばかりを書けばいい、と思っているわけでもない。

 しかし、言葉や表現の選択で、書き手の思いはにじみ出てくるものだ。

 今回に限り、直接記事を渡さなかった理由が、NYT編集長やワシントン・ポストが言うように、「厳しい記事が出たから」なのかどうかは、分からない。

 ただ、「新たなジグソー・パズルの一片」が見つかったと思った、というのは、ウィキリークスとNYTとの間にしこりが「あるらしい」ことが推測できたためだ。前回、前々回と私が書いてきた、NYTのウィキリークスへの厳しい目・表現説が確認できた感じがしたのである。

 私が現在見たところでは、NYTには、ウィキリークスや関係者(アサンジ氏、マニング氏)に対する見方・表現の仕方に、「より体制寄り」の姿勢があって・あるいは出てきており(つまり、ウィキリークスや関係者を当局の視点から見る、つまり、違法な行為をした人たち、という意識で見る)感じがする。

 ワシントン・ポストと産経の記事によれば、ウオールストリート・ジャーナル、CNNに対し、ウィキリークスは一部の情報を事前提供する代わりに、報道解禁の期日を守ることを条件とした。もしこの条件が守られないと10万ドルの罰金を払うことを要求したとう。ウオール・ストリートジャーナルもCNNも、申し出を却下した。

 ワシントン・ポストはガーディアンにコンタクトを取り、事前に情報を共有させて欲しいといったが、拒否されたという。2つの記事を見る限りでは、紹介されたどの米メディアもウィキリークスの振る舞いに怒りあるいは割り切れないものを感じているようだ。

 今日、事の次第を確かめるため、ガーディアンの調査報道記者デービッド・リー記者に聞いてみた。NYTが「匿名の人物から外交公電情報を得た」とサイト上でことの経緯を説明したとき、「極秘人物」とはガーディアンなのかどうか、その他、ワシントン・ポストの11月29日付記事の真偽は?

 リー記者によれば、「残念だが、ワシントン・ポストのこの記事に関しては、全くコメントできない」。

 「全くコメントできない」といわれたら、その記事の内容がほぼ当たっている可能性が高いと私は解釈した。不正確なものであったら否定しているはずである。(あるいはまた、多くの人にワシントン・ポストが書いた記事の内容を信じ込ませたい、あるいはほかに真実があるが、それを明るみに出したくないと思っている、という解釈もあるだろう。)

 ワシントンポストなどの報道で事情がばれていても、NYTは「ガーディアンからもらった」とはサイト上に書かず、ガーディアンは「5つの媒体が事前に(ウィキリークスから)情報を得た」と説明してきた。これまでとは違って、ウィキリークスから直接NYTは情報を提供されなかったことを、ガーディアンの側からは公表したくないのだろう。

 リー記者を含めガーディアンは調査報道に非常に慣れているので、真実を明るみに出すにはさまざまな手を使う。他の事件(大衆紙の電話盗聴事件が最近の例)でもNYTとガーディアンは協力体制にあるし、ある意味ではNYTに恩を売って、さらに何かを暴こうとしているのかもしれない。調査報道はガーディアンの最大のブランド・バリューの1つなのである。

 ウィキリークスによる米国関連の秘密書類暴露で、米国メディアが過度に右傾的・愛国的報道に陥らないかどうかー?しばらくウォッチングを続けたいと思っている。

 
by polimediauk | 2010-12-03 07:54 | ウィキリークス
 告発サイト「ウィキリークス」の米外交公電の暴露(11月28日以降)を巡り、暴露の前に情報を渡されていた米ニューヨーク・タイムズ(NYT)、英ガーディアン、仏ルモンド、スペイン・エルパイス、独シュピーゲルの5つの媒体による報道の中で、私が比較できたNYTとガーディアンの報道を見て、あれ?と思ったことを前回、書いた。

 やや情報を整理すると、外交公電のどれをどのように報道するかは、各媒体の編集部が決め、ウィキリークスとの約束は報道日の取り決めのみであったという(ガーディアン編集長記事29日付紙版、「Editor’s note(編集長のノート)」)。

 これによると、ガーディアンを含めた5媒体は、外交文書のリークを報道することを事前に米政府に伝えていたため、どんなトピックがでるかのおおよそを米政府は予期できていた。米政府はまた、5媒体側に対し、特定の公電あるいはトピックに関して懸念を表明したという。

 報道直前までの細かな編集判断や米政府との行き来に関して、ガーディアンよりは明確に書いているのがNYTである。(前回紹介した「読者へのお知らせ」。)

 ガーディアンの先の「編集長のノート」から読み取れるのは(繰り返しになるが)、米政府には「外交公電のリーク報道が出ること」が通知され、「米政府側は特定の項目に関して懸念を表明した」こと。ガーディアン側あるいは他の媒体が、米政府の特定の懸念を考慮に入れて、当初の編集判断を変えたのかどうかは、明確になっていない(その一方で、NYTは政府のアドバイスを受け入れて、変えたものがある、とはっきりと書いている)。

 ガーディアンは「名誉毀損で訴えられないように」、あるいは特定の項目の影響を考慮して、独自の判断で出さなかった、あるいはぼかした情報があったことを説明している。

 さて、「ニュース・スパイラル」さんに、日刊ベリタ掲載分から転載していただき、いくつかコメントをいただいた。

http://www.the-journal.jp/contents/newsspiral/2010/12/post_705.html

 そのひとつは
「WLは公表前にNYTには情報を流していません」。
 ガーディアンを通じてNYTに情報が渡った・・・という話は私もどっかで(ガーディアンで?)読んだ記憶があるのだが、今、どの記事だったか見つからないので(!)、とりあえず、見つかってからまた考えようと思う。ただ、ガーディアンから渡ったにせよ、公表(28日)のだいぶ前に情報を得ていたということは、NYTやガーディアンの記事に書かれているのだがー?もし、ウィキリークス(WL)とニューヨークタイムズの関係が、何らかの意味でこじれている・こじれていたとすれば、これはこれで興味深い話である。

 もう1つのコメントは、情報リークの人物とされる、マニング兵の表記の英訳である。
「low-levelと云うのは「階級が低い」という意味で「無能」という意味ではない。 それにa security loophole云々は、彼が海外(敵?)の万全のセキュリティ・システムで防御されたコンピュータに侵入する技術を持っている情報分析の専門家だということです。 つまり現状に失望した若い有能なコンピュータ技術者だと云っているのでNYTが彼を「賤しめている」とは思えません。易しい英文なので英語の読解力の問題ではないでしょう。NYTの記事は必ずしも公平とは言い難いですが、小林さんの解説もNYTへの偏見をもって書かれているのでは? 」
 
「low-levelと云うのは『階級が低い』という意味」――ああ、そうか!と思った。そういう意味もあったな、と。軍隊の話である。

 ところが、たとえ「階級が低い」と訳・解釈したとしても、実のところ、私のNYTに関するマニング兵の紹介(この「読者へのお知らせ」の記事の中、という意味)が不当である印象は消えないのである。

「失望した(がっかりした)、階級が低い、セキュリティーの抜け穴に(不当に)侵入した」アナリストー。
 a disenchanted, low-level Army intelligence analyst who exploited a security loophole

 一つ一つが、一定の(ネガティブな)価値判断をもって発せられている。個々の情報は事実といえば事実。中立とさえ、いえなくもない。しかし、問題は、「文脈に必然性がない」ことや、「当局側にたった視点」であること。これが気になるのです。この気になる感じ+胸がドキンとする感じは、もしこの兵士が自分の弟だったらどうか?と考えると、身近になるかもしれない。

 そこで、ガーディアンを見てみる。デービッド・リー記者の「いかに25万点の文書がリークされたか」という記事である。

http://www.guardian.co.uk/world/2010/nov/28/how-us-embassy-cables-leaked

 ここでは、いかにマニング兵がたやすく外交情報を取得できたかが書かれている(7段落目から10段落目)。「例えばレディー・ガガと書かれたCD(書き込み可能)を手にし、音楽を消して、機密情報をこれに書き込んでいく」ーといったことが簡単にできたとするマニング兵のコメントが紹介されている。

 この情報自体はすでにほかで報道済みの話ではあるが、記者の立ち位置は「セキュリティーが甘い米政府の情報体制」への批判のまなざしである。

 マニング兵は、「情報は自由であるべきだ。公的空間に所属するべきだ」と述べ、「自由な情報の活動家たち」であるウィキリークスに情報を送ったという。

 同兵のコメントはこれまでにも何度も他の媒体が報道している。しかし、ここであえて入れたのは、リー記者はあるいはガーディアンは、マニング兵を情報公開の推進者として、つまりは一種のヒーローとして(勇気ある行為をした人物)、ポジティブに見ていることを示す。
 
 ・・・ということを読んで、私はNYTとガーディアンの立ち位置の違いを感じた。本当は、ここまで詳しく書くほどのことでもないのだろうが、あえて書いてみた。つまるところ、「ぴんときた」という話なのだが。

 また、前にも書いたが、この立ち位置の違い(と私が受け止めたもの)は、米国のメディアと英国のメディアの違いから来るかもしれない。つまり、米国メディアにとっては、米国の外交公電が及ぼすリスクを英国メディアよりは真剣に考えざるを得ない部分がある「かも」しれない。
 
 「NYTへの偏見をもって書かれているのでは?」という点だが、これはコメントを書かれた方だけではなく、私の前回のエントリーを読まれた方で、「ガーディアンに好意的過ぎないか?」と思われた方は結構一杯いらっしゃるかもしれない。
 
 私の結論は:確かに、今のところ、ウィキリークスとガーディアンの報道に関して、「ガーディアンはすごい!」と思っている。好意的過ぎるかもしれない。中立であろうとは思っていない。ただ、ウィキリークス及びウィキリークス的動き(告発サイト、流出)には問題もたくさんあると思う。公務員機密法はどうなるのか、情報の信憑性をどうやって確認するのか、そのほかにもあるだろう。 今は、「すごいなあ」と思うばかりだが、他の問題も考えるときだと思っている。「問題がある」と書くと、それ自体でネガティブな意味に取られそうだが(?)、そうではなく、「面白い課題がたくさん出てきたぞ」、という意味である。

 それと、NYTへの偏見だが、少なくとも「大いなる疑問」はある。大いなる疑いの眼(まなこ)がある。ただ、それは、いわばジグソー・パズルの一片である。あれ?と思ったら、これをメモり、自分の心に留めておく。そしてそのメモを自分なりに証拠をあげてブログなどに書いている。
 
 パズルの一片が「黒」であったとしても、全体が黒とは限らない。それでも、私が今持っている一片は「黒」なのである。テロの警告でいえば(!?)、黄色―注意、である。とりあえずはこの一片を宙に浮かせている状態である。



 
by polimediauk | 2010-12-01 22:34 | ウィキリークス
 スコットランド最大の都市グラスゴーで開催された英編集者団体「ソサエティー・オブ・エディターズ」の年次会議(11月14~16日)で、繰り返し話題に上ったのがウェブサイトの無料あるいは有料化、アイパッドの可能性、ネット時代のジャーナリズムの位置づけであった。(「新聞協会報」11月30日号掲載分です。)

 「メール・オンライン」(デイリー・メール紙とメール・オンサンデー紙のウェブ版)は英国の新聞社サイトとしては最大のユーザー数を持つ。メール・オンラインの調査では、10月の固定ユーザー数は全世界で5千万人。

 会議2日目「オンラインとプリントで勝つ」と題されたセッションで、メール・オンラインの発行人マーティン・クラーク氏は、ユーザー数の増加のために特別なことをやっているわけではないが、「目を引く見出し、簡潔な表現、優れた写真の組み合わせ」で、読者の生活にかかわる記事を出している、と説明した。メールは、サイトに課金制を導入したタイムズとは一線を画し、今後もサイト閲読は無料にする予定だ。

 しかし、一方でクラーク氏は来年早々、アイパッド用の有料アプリを販売するという。同氏はアイパッドを紙の新聞と同じ媒体としてとらえており、英メディア界ではこの考えが浸透してきた。同日の最初のセッションでコンサルタントのジム・チゾム氏が指摘したように、読者は「新聞のサイトを4~5分かけて読むが、紙の新聞には30分ほどかける」。チゾム氏によれば、「アイパッド上の新聞を、読者は紙の新聞同様に30分かけて読む」。アイパッドが新聞に取って代わる可能性を暗示する会議となった。

 内部告発サイト「ウィキリークス」が今年注目を集めたが、同サイトが入手したイラクやアフガン戦争の情報は、兵士の戦場記録など生データだった。こうしたデータとジャーナリズムの関係が会議2日目「メディアと民主主義」及び最終日の「将来のビジョン」のセッションで話題に上った。

 地方紙を発行するKMグループの政治エディター、ポール・フランシス氏は、「メディアと民主主義」で、情報公開が進み、地方自治体の経費使いにかかわるデータが大量に出るようになったが、記者がこれを検証する時間が足りないことが悩みの種だという。

 「データは情報ではない。そのままでは記事化はできない。記者にはデータの分析を行うスキルや時間が必要だ」。「市民ブロガーと差をつけるために、記者には専門的な技量が必要であるのだがー」と嘆く。

 「将来のビジョン」に出たロイター通信の英国及びアイルランド局長のジョディー・ギンスバーグ氏は、「通信社といえども、事実をそのまま報道するだけでは十分ではない」。データや事実の「背景、文脈、過去の事項との関連を入れないと記事にならない」。また、あるトピックに関して読者と意見を交換する場を持ち、ネット上の「チャット(おしゃべり)」から真実に近づく方法も、現代の記者にとっては必須になったという。「一方的に情報を受け手に出すという方式は通用しない」とする同氏は、「受け手との双方向の情報交換行為が果たして『ジャーナリズム』なのかは疑問が残る」、とした。(終)

会議の記事(上)
http://ukmedia.exblog.jp/15499709/
by polimediauk | 2010-12-01 01:58 | 新聞業界