小林恭子の英国メディア・ウオッチ ukmedia.exblog.jp

英国や欧州のメディア事情、政治・経済・社会の記事を書いています。新刊「英国公文書の世界史 一次資料の宝石箱」(中公新書ラクレ)には面白エピソードが一杯です。本のフェイスブック・ページは:https://www.facebook.com/eikokukobunsho/ 


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 対ロシア強硬路線を敷いたオバマ前政権。トランプ氏の大統領就任で何らかの変化があるのかどうか世界中が注目する中、28日夜、トランプ氏とロシア・プーチン大統領が電話で会談を行った。両国にとって脅威となるイスラム過激派組織「イスラム国」などを掃討するために協力することで合意したという。

 対ロ制裁(2014年からロシアによるクリミア併合をめぐり、経済制裁を発動)を解消するかについての言及はなかったようだ前日27日、メイ英首相との会談後の会見では、トランプ氏は制裁の解除について「それを話すのはまだ早い」と答えている。

 今後、米ロ関係はどうなるのか?

 二人の専門家の見方を紹介したい。

 インタビューはもともと、東洋経済オンライン掲載の筆者の記事(「怪しい調査書」とは結局のところ、何なのか 元スパイが作成したリポートが政争の具に」)(1月24日付)のために行われた。以下はそれに若干の補足をしたものである。

 怪しい調査書(「Dodgy dossier」)とは英国の元スパイ(クリストファー・スティール氏)が書いたものである。現時点ではその信ぴょう性に疑問符がついているものの、プーチン大統領の指揮の下、ロシア側がトランプ氏の「不名誉な」情報(モスクワのホテルに売春婦数人を呼びこみ、ベッドの上で尿をかけあう「ゴールデン・シャワーをやらせていたなど)をつかみ、必要とあれば「脅す」こともできる、という内容だ。調査書には、ロシア側が米国に望むのは、例えば対ロ制裁の解除であると書かれていた(詳細について上記の拙稿をご覧いただきたい)。

 書き手のスティール氏は、現在、姿をくらませている。

調査書は「策略だった」

 
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(フィル・バトラー氏)

 ロシアや東欧事情について詳しい政治アナリストのフィル・バトラー氏は、筆者の取材に対し、こう答えた。
 
 「調査文書はトランプ氏の信頼を落とすための策略だったと思う。米国の大手リベラルメディアさえも(信ぴょう性についての確信が取れないということで)掲載しようとはしなかったし、米国の情報機関の専門家の多くも偽物だと見なした。タカ派のマケイン上院議員が情報拡散に動いたのも、軍事産業やネオコンによる中傷行為だったことが分かる」。
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(アラン・フィルプス氏)

 王立国際問題研究所「チャタムハウス」が発行する「ワールド・トゥデイ」誌のアラン・フィルプス編集長は、調査文書の内容の真偽は「分からない」という。事実関係は「メディアが探り当てることができる情報の範囲を超えている」。

 同氏はロイター通信社のモスクワ特派員として20年近くロシアに駐在した後、保守系高級紙デイリー・テレグラフの外信部長として働いた経験がある。
 
 書き手のスティール氏は英情報機関の間ではロシアの専門家としてよく知られていたという。ただ、「1990年代以降、ロシアには足を踏み入れていないようだ」。

 スティール氏への信頼感があったために、今回の文書が注目されているとフィルプス氏は見る。しかし、MI6という政府機関から商業目的の調査会社を立ち上げたことで、水準が落ちたのではないかと疑問を投げかける。

 商業目的の調査は「コーポレート・インテリジェンス(企業向けの機密情報」)」と呼ばれているが、ゴシップ的な話、例えば人がクライアントに対してどんな悪口を言っているかなどの情報を集めることが必須だという。後で衝撃的な情報が出ても、クライアントがそれほど驚かないようにするためだ。

 今回、暴露された調査書はそんな「ゴシップ話的な感じがある」。

 「もしロシア側が本当にトランプ氏の恥ずかしい行為について撮影をしており、これをもとに脅していたのだとすれば、相当深刻な事態となるが」。

「リセット」モードに入るトランプ大統領

 今後、米ロ関係はどうなっていくのか。
 
 「米国はロシアと敵対的な関係にある必要はない」とバトラー氏は言う。

 「トランプ氏はロシアとより前向きな二国関係を新たに築き上げようという、いわば『リセット』モードに入るだろう。長年続いてきた、互いへの不信感や不必要な軍事費の拡大の道を止め、実利的なアプローチをとってより前向きで希望に満ちた関係を作ろうとするはずだ」

 「冷戦が私たちに教えたのは、他国の脅威などの恐怖を大げさに取り上げて、自らの政策を有利に展開しようとすることの恐ろしさだった。トランプ氏とプーチン氏はたがいの違いを認めながらも、ビジネス及び政治面で折り合いをつけ行くだろう」。

 フィルプス氏によると、トランプ大統領は「国際的な体制が壊れていると見ている。普通の米国民が経済上損をしている、と。例えば、米国の敵になるのが、米国の雇用を『盗んでいる』国(例えば中国)、国外に仕事をアウトソースする大企業(例えばゼネラル・モーターズ社)、アウトソースされる先の国(メキシコ)だ」。

 ところがロシアは、「米国の労働者から仕事を奪うようなものを何も生産していない」。トランプ氏からすれば、米国とロシアには共通点がある。「『イスラム国』と戦うという目的がその一例だ」

 バトラー氏同様、フィルプス氏もトランプ大統領が米ロの二国関係を改善しようとすると予測する。

 しかし、「トランプ氏による『リセット』は長続きしないかもしれない」。プーチン氏は中東、欧州、アジアに影響を及ぼす大国として認識されたいと思っているが、米国がロシアを特別視せず、中国との関係により力を入れるようになったと感じた場合、認識のギャップが出てくるからだ。

 トランプ氏とプーチン氏の政治家としてのアプローチの違いも「不和」につながってゆくという。

 「トランプ政権は対ロ関係を良好にするための合意に署名して、次に進みたがるだろう。プーチン氏は長期的な観点から世界の中のロシアの地位を向上しようとしている。両者の世界観は大きく違う。急ぐトランプ氏はプーチン側に譲歩しすぎ、ロシアのウクライナへの支配権を認めてしまうかもしれないし、プーチン氏のやり方を誤解するかもしれない」。

 フィルプス氏は「今後1年で、両者が仲たがいをする可能性もある」と見ている。米ロ間の関係の急速な関係悪化はこれまでにあったからだ。

 ただ、単純に「破局には至らないだろう」。それは、トランプ氏はロシア政府が就任を望んでいた大統領だったという認識や、トランプ政権の国務長官(石油メジャー最大手エクソモービルのレックスティラーソンCEO)がプーチン氏から「ロシア友好勲章」をもらっていた(2013年)という事実が、「対ロシアの外交関係を複雑なものにする」からだ。
 
ロシア側情報源と見られる人物の「不審な」?死

 先の「調査書」は昨年秋ごろから、米英の主要メディアの手に入っていたと言われている。「真偽に確証が持てない」という理由で報道が見送られていたのだ。

 それにもかかわらず、今年1月上旬、米情報機関幹部らが調査書の概要をオバマ氏、トランプ氏に渡している。

 調査書の情報源のほとんどは「ロシアの情報機関係者(複数)」だ。

 昨年12月26日、元KGB(現在はFSB=ロシア連邦保安庁)の幹部で調査書の情報源の一人とされる人物、オレグ・イロンビンキン氏が自分の車の後部座席で亡くなっていることが発見された。死因は心臓発作とも言われている。
 
 イロンビンキン氏は、調査書に何度も出てくる人物イーゴリ・セーチン氏の側近だった。セーチン氏はロシアの元副首相でロシア国営石油最大手ロスネフチのCEOだ。

 調査書を書いたスチール氏は、7月16日付の項目の中で、トランプ陣営とモスクワを結びつける人物として、「セーチン氏に近い人物」を挙げていた。この人物こそ、イロンビンキン氏であったという説が浮上している(デイリー・テレグラフ紙、1月28日付)。

 テレグラフはブルガリアのシンクタンク「リスク・マネジメント」のクリスト・グロゼフ氏の見立てを紹介する。「調査文書の内容が本当であるかどうかはともかく、プーチン側は誰が情報を漏らしたのかを探し当てようとしている。イロンビンキン氏に注目したのは間違いない」(グロゼフ氏)。

 一方、ロシアの情報機関について詳しいマーク・ガレオッティ氏は「イロンビンキン氏のような人物が、まるでミステリー小説のように死ぬわけがない」として、ロシア政府あるいは情報機関による関与を否定している。

by polimediauk | 2017-01-29 23:01 | 政治とメディア
 「フェイク・ニュース」(嘘のニュース)という言葉をよく聞くようになった。

 一言でいえば「デマ」だが、米大統領選の際に真実に見せかけたニュースがネット上で拡散され、これが大統領選の行方に影響を及ぼしたかどうかが争点の1つとなり、あっという間にはやり言葉になったようだ。

  米バズフィードの調べによると]、大統領選用に「ねつ造されたニュース」は、主要メディアの政治記事よりもエンゲージメントが高かった。
 
 大統領選の最後の3カ月間、Facebook上の選挙記事では、捏造ニュースのほうが、主要メディアのニュースよりも、高いエンゲージメントを獲得していたことが判明している。

 捏造記事サイトや特定政党に肩入れするブログが流した上位20記事が集めたエンゲージメントは871万だった。一方、主要メディア(ニューヨークタイムズやワシントンポストなど19サイト)の上位20記事は736万にとどまった。

 という。

 嘘のニュースがどんどん流れる中、既存メディアはそして私たちは何ができるのか?

 ロンドンにあるジャーナリストのクラブ フロントライン・クラブ」で25日、フェイク・ニュースをテーマにしたイベントが行われた。

 その時の模様を紹介したい。
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(左からBBCとFTの記者、司会者、チャンネル4ニュースの編集長)
 
 司会はロンドンシティ大学でメディアを教えるロイ・グリーンスレード氏。ガーディアンのコラムニストでもある。数々の新聞の編集幹部も務めた。

 パネリストはテレビの「チャンネル4ニュース」の編集長ベン・デピア氏(写真上の右端)。元は国際ニュースの編集部長。2011年の東日本大震災、スリランカの内戦、国際戦犯事件の調査報道など、チャンネル4ニュースは優れた国際報道を行う番組だ。

 ローリー・キャスリンジョーンズ氏はBBCのテクノロジー記者だ(写真上の左端)。

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 オーウェン・ベネット氏は英ハフィントンポストの政治部長(写真下の左端の眼鏡姿)。近著が「ブレグジット・クラブ」。

 ***

「フェイク・ニュースは昔からあった」

 キャスリンジョーンズ氏(BBC):フェイク・ニュース、いわゆる嘘のニュースは昔からあった。最近の現象ではない。

 大衆紙を見ると、今でも「嘘」のレベルのスクープ記事が連日出ている。先日も、「アルツハイマー病が完治する薬が見つかった」というある大衆紙の記事に「これはすごい」と驚いたばかりだが。

 嘘のニュースでも大きくなり、定説になってしまうこともある。私が担当する科学の分野だと、「新三種混合ワクチン予防接種で自閉症になる」という論文をある医師が科学雑誌に発表した。大衆紙大手デイリー・メールが報道し、大きく広まり、ワクチンの接種率が大幅に低下した。後で論文は撤回されたが、たった一人の医師の話が定説になってしまった。

 英国に住む人は、あるニュースが嘘か本当なのかをどの媒体が出したかで判断してきた。

 しかし今は、フェイスブックのタイムラインに様々な媒体のニュースが並列に出てしまう。経済紙フィナンシャル・タイムズのニュースであろうが、ほかの素性がはっきりしないニュースサイトのニュースであろうが、同列になってしまう。ここが問題なのではないか。

 デピア氏(チャンネル4ニュース):嘘の情報が出れば、こちらは検証し、「本当ではない」と提示する方式を取ってきた。

 しかし、ものの考え方が変わってきているのだと思う。「事実・真実は重要だ」という世界から、私たちは離れてしまっているのではないか。事実よりも感情の方が重要な世界に、である。

 ストレスになるほど情報が多いことも問題だ。あまりにも情報が多いので、じっくりと選別し、そしゃくし、事実かどうかを考える時間がない。そこで、誰か自分が信頼する人が言うことを信じる、という流れになっているのではないか。自分が事実かどうかを判断する、というのではなく。

 キャスリンジョーンズ氏(BBC):フェイク・ニュースが簡単に作れる、という面もあると思う。ソーシャルメディアであっという間に拡散もできる。

 マージャ氏(FT):フェイク・ニュースは確かにこれまでにもあった。フェイスブックがあるからフェイク・ニュースが出てきたわけではない。

 ただ、フェイスブックの利用者は世界中で17億人にも上る。フェイスブックは非常に大きなリーチ力を持つ。すべての情報が「等しい価値」で出てしまう。

 フェイスブックは策を講じているけれど、例えばフェイク・ニュースには注意を喚起するなどをしているようだが、効果はまだ分からない。

言論空間の隙をついて、出てきたのがフェイク・ニュース?

 キャスリンジョーンズ(BBC):米国のメディアは英国のメディアとは逆の部分がある。民放が強い米国ではテレビは多彩な意見を出すが、新聞は真面目な感じがする。英国では逆だ。公共放送BBCが強く、民放も規制が多い。新聞は思い思いのことを書けるし、多彩だ。フェイクニュースは米国の新聞メディアの言論空間の隙を突いて出てきたとも言えるのではないか。

 ベネット氏(ハフィントンポスト):ウェブメディアでは速さを要求される。例え間違った情報が入っていても、ニュースがどんどんシェアされてしまう。大衆紙のメールオンラインやデイリーエキスプレスが不正確なニュースを出すとき、こちらとしては事実確認した結果を流すけれども、その間に前のニュースが拡散されている。

 記事を作るジャーナリストはソーシャルメディアをチェックしているけれども、内容が正確かどうかということは見ていない。読者も記事があると、内容をすらすらっと斜め読みしている。

 記事の質がフェイスブックのいいね!やシェア率、ツイッターのリツイート数などで判断されてしまう世界がある。

 マージャ氏(FT): 前職はニュースサイトだったが、確かに、記事の正確性を確認する人はいなかった。

 キャスリンジョーンズ(BBC):でもチェックは少ない。信頼できるリポーターがやるから・・・・という判断だ。文字情報で出すときの方がチェックがある。

 デピア氏(チャンネル4ニュース):元々は新聞にいたが、1994年に英スカイテレビに入った。その時から事実チェックを徹底するよう言われてきた。

 フェイクニュースのポイントは意図的にねつ造しているニュースである点だろう。バズフィードによれば、東欧の青年たちが嘘のニュースを作っていた。ウェブサイトがヒットすれば、多くの広告収入が得られるからだ。

 マージャ氏(FT):デジタルニュースの収入源を広告に頼る限り、そうなるのではないか。

 トラフィックはフェイスブックなどのソーシャルメディアを通して得られる。だから、誰かがクリックしてくれる、シェアしてくれるようなストーリーが必要となる。ちょっとひねったストーリーなら、なおよい、と。

 国家レベルでのハッキングやねつ造情報が広がるのはもっと恐ろしいと思う。

 キャスリンジョーンズ氏(BBC):トランプ氏が大きな支持を得て、彼を支持するようなフェイク・ニュースが流布した、と。これは主要メディアがやるべきことをやってこなかったことも原因ではないか。

 政治家が嘘を言ったら、これを指摘し、十分に挑戦してこなかったのではないか。 

 ところで、私自身はFTを愛読しているが、「状況に詳しい人の話によると」という表現をよく使っている。一体こんな人が何人いるのかな、と思う。

 情報源を出さないと、メディアへの不信感につながるのではないか。

 ベネット氏(ハフィントンポスト):政治家はオフレコで話すことが多いから、どうしてもそうなる。ただ、情報源が一つだけの場合(=シングルソース)、記事を出さないとか、いろいろ決めている。

 マージャ氏(FT):FTも、少なくとも2つの情報源の情報を得てから出す、ということにしている。

 キャスリンジョーンズ氏(BBC):現状はメディアがその下地を作ったからではないかと思っている。不信感を抱かせるような報道がこれまでにあって、だから、視聴者・読者もシニカルになっているーどうせ本当じゃないんだろう、と。世論調査をするとジャーナリズムへの信頼感は低い。

 ベネット氏(ハフィントンポスト):誰を一番信用するかと聞くと、「友人」が上に来る。

どこからニュースを得ているか?


 デピア氏(チャンネル4ニュース):BBCラジオ4の朝の番組「トゥデー」、BBC全般、もちろんチャンネル4も、英ニュース週刊誌「エコノミスト」-。まだあるが。

 マージャ氏(FT): FTをのぞけば、ツイッター。ニューヨークタイムズ、ニューヨーカー、BBC.

 キャスリンジョーンズ(BBC):BBC以外には、ハフィントンポスト、ツイッター(ジャーナリストのリストを作っている)、FTー。

 グリーンスレード氏(司会):ガーディアン、タイムズ、ほか複数の新聞、「トゥデー」、ツイッター。

どうするべきか?

 デピア氏(チャンネル4ニュース):トランプ氏の支持者は彼が嘘をついていることを知っていた。それでも支持していた。なぜかを考えるべきではないか。

 キャスリンジョーンズ氏(BBC):フェイク・ニュースは以前からあったが、米大統領選のように、リアルで影響を及ぼすようになった。「事実は重要だ」という原則をしっかりと守っていくこと。

 マージャ氏(FT):教育ではないか。フェイスブックのタイムラインに出るニュースにはゴミみたいなものもある、ということを。

 ベネット氏(ハフィントンポスト):大衆紙の報道には大げさな誇張や嘘がある。それでも人々はその新聞を買っている。自分の気持ちを代弁してくれる、何かがあるからだろう。トランプ氏の言説に嘘があったとしても、人々は投票した―ほかの候補者では満たされない、何かがあったからではないか。この点を充分に見てゆくべきだ。

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イベントが終わって


 印象に残ったのが「フェイク・ニュースはこれまでにもあった」という点。それから、「事実よりも感情を重要視する傾向が出ている=新たな世界か?」という提起。

 ガーディアンのサイモン・ジェンキンス氏も指摘しているが、「フェイク・ニュース、フェイク・ニュースとそれほどがたがたするな」という論考を英メディアで目にする。

 確かに、英国で新聞を開くと、ピンからキリまで、「真実」から「大幅な誇張(嘘)」までがもろもろだ。何が事実・真実なのか分からない状況である。「今さらフェイク・ニュースということで、大騒ぎするな」という気持ちが分かるような気がする。

 フェイク・ニュースというと「メディアリテラシーを高めよう」という話になるが、筆者流に平たく言えば「いろいろな人の話を聞いたり、メディアに触れたりして、自分の感覚を磨こう」ということになる。たいていの場合、「?」と思った記事にはどこかにおかしな情報が隠れている。「?」と思わなかった場合、それは…仕方ないのである。全てを一度に解明はできない。

 心配なのは嘘が出ることよりも、「嘘でも構わない」と思ってしまうことだ。「どっちでもいい」、「誰それさんが言ったことだからいい」となって、真実・事実が二の次になっても平気になることだ。これが極端になれば、「もう一つの事実」の世界に入ってしまう。

 「100%、誰にとっても事実・真実というのはありえない」という考え方もあるが、できれば客観的な事実は事実としてきちっと知りたい…少なくともそういう感覚を持ち合わせていたいものだ。

by polimediauk | 2017-01-29 02:22 | 政治とメディア